上 下
194 / 370
目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

研修 ~初めての魔物退治~

しおりを挟む
    ――冒険者の戦い方を一通り学んだら、次は実戦。
    近くの森の雑魚魔物相手にパーティー戦を体験する。
    念のためと、教師や冒険者が傍で控えている中での討伐ミッション。
    真面目に取り組んでさえいれば危ないことなんか何もない訓練内容だ。
    「うん、キミたちはオーバーキルが過ぎるから。取り敢えず最初のデモンストレーションお手本だけでよろしく」
    ……デスヨネー!
    て事で。
    取り敢えずレイフレッドと組んで、ゴブリンの群れの一部を軽くあしらった。
    「――流石だな。と言っても先日のアレを見た後ではゴブリン程度では迫力に欠けるな」
    大鴉との戦いを見ていた王子達は余裕で見ていたけど、他の周囲はヒーローショーを見に来た男の子みたいな顔で私達を見ていた。
    「凄い!    あれが黄金級の冒険者……!」
    「あのレイフレッドって奴の剣、見えたか?    早すぎて残像もよく見えなかったぞ!?」
    「魔法も極めるとあんな使い方が出来るのね……。奥が深いわ」
    「連携も見事だったわね。息が合ってるってああいうのを言うのね」
    おお……。誉められてるようで嬉しいけどちよっとはずかしいな。
    「吸血鬼とか魔族って怖いイメージだったけど……でも、レイフレッド君はカッコいいよね?」
    「アンリさんにはとても優しくていらっしゃるのを見たことがありますわ!」
    「生徒会役員を務められるほど優秀でもあるのでしょう?」
     ……ん?
     ちよっと雲行きが怪しいな。レイフレッドが認めてもらえるのは嬉しいけど、レイフレッドは私のだからね!    お友達としてなら歓迎するけど、レイフレッドはあげないから!
    「ほらほら、お喋りはそのくらいにして、君たちも討伐を始めなさい」
    突貫パーティーで、皆連携もぎこちないけど早速剣を振るい、魔法の詠唱を始める。
    天気も良いし風も程よく吹いて気持ちの良い日だ。
    けど、レイフレッドが珍しく少し視線を泳がせていた。
    「……どうかした?」
    「いえ、彼らの様子を見ていてつい、昔の事を思い出してしまっただけです。……俺にとって初のゴブリン戦は黒歴史ですから」
    ああ。初めて吸血鬼の国に行くので旅をしていた時に遭遇したゴブリンの群れ。
    レイフレッドはそれと一人で戦って怪我をして倒れた。……幸い私の血ですぐ回復は出来たけど。
    あの頃の私はまだまともに戦えなかったし、レイフレッドも未熟だった。
    私達にだってそんな時期はあったんだ。
   「……アドバイスくらいは私達にも出来るわよね」
   「――ですね」
    私達は彼らのサポートをする為、彼らのもとへ向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢キャロライン、勇者パーティーを追放される。

Y・K
ファンタジー
 それは突然言い渡された。 「キャロライン、君を追放する」  公爵令嬢キャロラインはダンジョンの地下100階にて、いきなり勇者パーティーからの追放を言い渡された。  この物語は、この事件をきっかけにその余波がミッドランド王国中に広がりとてつもない騒動を巻き起こす物語。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

前世は婚約者に浮気された挙げ句、殺された子爵令嬢です。ところでお父様、私の顔に見覚えはございませんか?

柚木崎 史乃
ファンタジー
子爵令嬢マージョリー・フローレスは、婚約者である公爵令息ギュスターヴ・クロフォードに婚約破棄を告げられた。 理由は、彼がマージョリーよりも愛する相手を見つけたからだという。 「ならば、仕方がない」と諦めて身を引こうとした矢先。マージョリーは突然、何者かの手によって階段から突き落とされ死んでしまう。 だが、マージョリーは今際の際に見てしまった。 ニヤリとほくそ笑むギュスターヴが、自分に『真実』を告げてその場から立ち去るところを。 マージョリーは、心に誓った。「必ず、生まれ変わってこの無念を晴らしてやる」と。 そして、気づけばマージョリーはクロフォード公爵家の長女アメリアとして転生していたのだった。 「今世は復讐のためだけに生きよう」と決心していたアメリアだったが、ひょんなことから居場所を見つけてしまう。 ──もう二度と、自分に幸せなんて訪れないと思っていたのに。 その一方で、アメリアは成長するにつれて自分の顔が段々と前世の自分に近づいてきていることに気づかされる。 けれど、それには思いも寄らない理由があって……? 信頼していた相手に裏切られ殺された令嬢は今世で人の温かさや愛情を知り、過去と決別するために奔走する──。 ※本作品は商業化され、小説配信アプリ「Read2N」にて連載配信されております。そのため、配信されているものとは内容が異なるのでご了承下さい。

断罪された商才令嬢は隣国を満喫中

水空 葵
ファンタジー
 伯爵令嬢で王国一の商会の長でもあるルシアナ・アストライアはある日のパーティーで王太子の婚約者──聖女候補を虐めたという冤罪で国外追放を言い渡されてしまう。  そんな王太子と聖女候補はルシアナが絶望感する様子を楽しみにしている様子。  けれども、今いるグレール王国には未来が無いと考えていたルシアナは追放を喜んだ。 「国外追放になって悔しいか?」 「いいえ、感謝していますわ。国外追放に処してくださってありがとうございます!」  悔しがる王太子達とは違って、ルシアナは隣国での商人生活に期待を膨らませていて、隣国を拠点に人々の役に立つ魔道具を作って広めることを決意する。  その一方で、彼女が去った後の王国は破滅へと向かっていて……。  断罪された令嬢が皆から愛され、幸せになるお話。 ※他サイトでも連載中です。  毎日18時頃の更新を予定しています。

ギフト【ズッコケ】の軽剣士は「もうウンザリだ」と追放されるが、実はズッコケる度に幸運が舞い込むギフトだった。一方、敵意を向けた者達は秒で

竹井ゴールド
ファンタジー
 軽剣士のギフトは【ズッコケ】だった。  その為、本当にズッコケる。  何もないところや魔物を発見して奇襲する時も。  遂には仲間達からも見放され・・・ 【2023/1/19、出版申請、2/3、慰めメール】 【2023/1/28、24hポイント2万5900pt突破】 【2023/2/3、お気に入り数620突破】 【2023/2/10、出版申請(2回目)、3/9、慰めメール】 【2023/3/4、出版申請(3回目)】 【未完】

処理中です...