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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~
研修 ~初めての魔物退治~
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――冒険者の戦い方を一通り学んだら、次は実戦。
近くの森の雑魚魔物相手にパーティー戦を体験する。
念のためと、教師や冒険者が傍で控えている中での討伐ミッション。
真面目に取り組んでさえいれば危ないことなんか何もない訓練内容だ。
「うん、キミたちはオーバーキルが過ぎるから。取り敢えず最初のデモンストレーションだけでよろしく」
……デスヨネー!
て事で。
取り敢えずレイフレッドと組んで、ゴブリンの群れの一部を軽くあしらった。
「――流石だな。と言っても先日のアレを見た後ではゴブリン程度では迫力に欠けるな」
大鴉との戦いを見ていた王子達は余裕で見ていたけど、他の周囲はヒーローショーを見に来た男の子みたいな顔で私達を見ていた。
「凄い! あれが黄金級の冒険者……!」
「あのレイフレッドって奴の剣、見えたか? 早すぎて残像もよく見えなかったぞ!?」
「魔法も極めるとあんな使い方が出来るのね……。奥が深いわ」
「連携も見事だったわね。息が合ってるってああいうのを言うのね」
おお……。誉められてるようで嬉しいけどちよっとはずかしいな。
「吸血鬼とか魔族って怖いイメージだったけど……でも、レイフレッド君はカッコいいよね?」
「アンリさんにはとても優しくていらっしゃるのを見たことがありますわ!」
「生徒会役員を務められるほど優秀でもあるのでしょう?」
……ん?
ちよっと雲行きが怪しいな。レイフレッドが認めてもらえるのは嬉しいけど、レイフレッドは私のだからね! お友達としてなら歓迎するけど、レイフレッドはあげないから!
「ほらほら、お喋りはそのくらいにして、君たちも討伐を始めなさい」
突貫パーティーで、皆連携もぎこちないけど早速剣を振るい、魔法の詠唱を始める。
天気も良いし風も程よく吹いて気持ちの良い日だ。
けど、レイフレッドが珍しく少し視線を泳がせていた。
「……どうかした?」
「いえ、彼らの様子を見ていてつい、昔の事を思い出してしまっただけです。……俺にとって初のゴブリン戦は黒歴史ですから」
ああ。初めて吸血鬼の国に行くので旅をしていた時に遭遇したゴブリンの群れ。
レイフレッドはそれと一人で戦って怪我をして倒れた。……幸い私の血ですぐ回復は出来たけど。
あの頃の私はまだまともに戦えなかったし、レイフレッドも未熟だった。
私達にだってそんな時期はあったんだ。
「……アドバイスくらいは私達にも出来るわよね」
「――ですね」
私達は彼らのサポートをする為、彼らのもとへ向かった。
近くの森の雑魚魔物相手にパーティー戦を体験する。
念のためと、教師や冒険者が傍で控えている中での討伐ミッション。
真面目に取り組んでさえいれば危ないことなんか何もない訓練内容だ。
「うん、キミたちはオーバーキルが過ぎるから。取り敢えず最初のデモンストレーションだけでよろしく」
……デスヨネー!
て事で。
取り敢えずレイフレッドと組んで、ゴブリンの群れの一部を軽くあしらった。
「――流石だな。と言っても先日のアレを見た後ではゴブリン程度では迫力に欠けるな」
大鴉との戦いを見ていた王子達は余裕で見ていたけど、他の周囲はヒーローショーを見に来た男の子みたいな顔で私達を見ていた。
「凄い! あれが黄金級の冒険者……!」
「あのレイフレッドって奴の剣、見えたか? 早すぎて残像もよく見えなかったぞ!?」
「魔法も極めるとあんな使い方が出来るのね……。奥が深いわ」
「連携も見事だったわね。息が合ってるってああいうのを言うのね」
おお……。誉められてるようで嬉しいけどちよっとはずかしいな。
「吸血鬼とか魔族って怖いイメージだったけど……でも、レイフレッド君はカッコいいよね?」
「アンリさんにはとても優しくていらっしゃるのを見たことがありますわ!」
「生徒会役員を務められるほど優秀でもあるのでしょう?」
……ん?
ちよっと雲行きが怪しいな。レイフレッドが認めてもらえるのは嬉しいけど、レイフレッドは私のだからね! お友達としてなら歓迎するけど、レイフレッドはあげないから!
「ほらほら、お喋りはそのくらいにして、君たちも討伐を始めなさい」
突貫パーティーで、皆連携もぎこちないけど早速剣を振るい、魔法の詠唱を始める。
天気も良いし風も程よく吹いて気持ちの良い日だ。
けど、レイフレッドが珍しく少し視線を泳がせていた。
「……どうかした?」
「いえ、彼らの様子を見ていてつい、昔の事を思い出してしまっただけです。……俺にとって初のゴブリン戦は黒歴史ですから」
ああ。初めて吸血鬼の国に行くので旅をしていた時に遭遇したゴブリンの群れ。
レイフレッドはそれと一人で戦って怪我をして倒れた。……幸い私の血ですぐ回復は出来たけど。
あの頃の私はまだまともに戦えなかったし、レイフレッドも未熟だった。
私達にだってそんな時期はあったんだ。
「……アドバイスくらいは私達にも出来るわよね」
「――ですね」
私達は彼らのサポートをする為、彼らのもとへ向かった。
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【未完】
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