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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~
チートがバレました
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「こ、これは……!」
その鑑定結果を目にした先生が絶句しながら何度もそれを見直す。
「魔力量は殿下の倍以上、全属性の上に、今や幻ともされる空間属性を持つだと!?」
そして悲鳴をあげるように彼は叫んだ。
声を張る教師という仕事柄と、この場所柄、その叫びは修練場に響き渡った。
未だに隅の方で先生に諭されていたビルも、課題に取り組んでいたヒロインもこちらに視線を向け、周囲はシン、と静まり返る。
そうか。これまで「クリエイト」に纏められて発覚しなかった空間魔法がバレちゃったか……。
光魔法より遥かに希少な空間魔法の使い手。
「君は……」
「アンリ=カーライルと申します」
「カーライル……。失礼だがご実家は……」
「カーライル商会の会頭が私の父で御座います。母は現職人ギルドシレイド支部のギルドマスターの娘に御座います」
「つまり……平民、だと?」
「はい」
「これだけの能力があるなら養子に欲しいという貴族は多く居るだろう。将来は国に欲しい逸材だな……」
「――お待ち下さい」
「……殿下?」
「先生、今の話はこの場で収め、あまり広めないでいただきたい。父上――つまり国王陛下の意向でその娘を我が国で取り込む事は無い。これは国王陛下の意向であると同時に皇帝陛下のお達しでもある。一部の愚かな貴族の下策で我が国が沈むやもしれぬ危険は犯せぬ。この場に居合わせた者に、第二王子マティスの名に於いて命じる。――この件については以後口外禁止とする」
「――は、」
王子の命令に、皆一斉に膝をついて頭を下げる。
……これで、二回目。
王子が平民に気を回し、何故か国王や皇帝陛下の名前が出る。
……ああ。視線が痛い。しかも今はレイフレッドという癒しも居ないのに!
「――あー、ではあちらで課題を……。ジーク先生、すまんが見てやってくれ」
……その後、私のクラスの子が鑑定を済ませていく。
流石にSクラスだけあって結果は皆優秀と言われていたけれど、私レベルの規格外は――当然ながら居らず。
私たちに課せられた課題というのは適性のある魔道具を使うというもの。
普通の魔道具は、魔力さえ込めれば適性にかかわらず仕込まれた魔法が使えるものだけど、これは教材用に作られた物。
その魔道具の適性に合わせた魔力を意図的に流さないと起動しない魔道具で、起動できるとどの適性の物でも淡く光る――んだけど。
うん、冒険者稼業で既に散々魔法を使ってきたんだから、このくらいは意識せずとも簡単に出来て当然だった。
……Sクラスの鑑定が終わるより早く課題を済ませてしまった。
「君は……魔法を使いなれているようだけど」
「はい、入学前まで冒険者もしていましたので」
「ああ……」
うん、平民では冒険者稼業を副業にする人もいるしね。ちょっとの魔法を使えるくらいならそこまで珍しくないからね。
「では、初級魔法は打てるかい?」
「はい」
初級どころか、最高難度の魔法も使えます――なんて言えないからそこは飲み込んで返事をした。
「では、次の課題へ進もう」
その鑑定結果を目にした先生が絶句しながら何度もそれを見直す。
「魔力量は殿下の倍以上、全属性の上に、今や幻ともされる空間属性を持つだと!?」
そして悲鳴をあげるように彼は叫んだ。
声を張る教師という仕事柄と、この場所柄、その叫びは修練場に響き渡った。
未だに隅の方で先生に諭されていたビルも、課題に取り組んでいたヒロインもこちらに視線を向け、周囲はシン、と静まり返る。
そうか。これまで「クリエイト」に纏められて発覚しなかった空間魔法がバレちゃったか……。
光魔法より遥かに希少な空間魔法の使い手。
「君は……」
「アンリ=カーライルと申します」
「カーライル……。失礼だがご実家は……」
「カーライル商会の会頭が私の父で御座います。母は現職人ギルドシレイド支部のギルドマスターの娘に御座います」
「つまり……平民、だと?」
「はい」
「これだけの能力があるなら養子に欲しいという貴族は多く居るだろう。将来は国に欲しい逸材だな……」
「――お待ち下さい」
「……殿下?」
「先生、今の話はこの場で収め、あまり広めないでいただきたい。父上――つまり国王陛下の意向でその娘を我が国で取り込む事は無い。これは国王陛下の意向であると同時に皇帝陛下のお達しでもある。一部の愚かな貴族の下策で我が国が沈むやもしれぬ危険は犯せぬ。この場に居合わせた者に、第二王子マティスの名に於いて命じる。――この件については以後口外禁止とする」
「――は、」
王子の命令に、皆一斉に膝をついて頭を下げる。
……これで、二回目。
王子が平民に気を回し、何故か国王や皇帝陛下の名前が出る。
……ああ。視線が痛い。しかも今はレイフレッドという癒しも居ないのに!
「――あー、ではあちらで課題を……。ジーク先生、すまんが見てやってくれ」
……その後、私のクラスの子が鑑定を済ませていく。
流石にSクラスだけあって結果は皆優秀と言われていたけれど、私レベルの規格外は――当然ながら居らず。
私たちに課せられた課題というのは適性のある魔道具を使うというもの。
普通の魔道具は、魔力さえ込めれば適性にかかわらず仕込まれた魔法が使えるものだけど、これは教材用に作られた物。
その魔道具の適性に合わせた魔力を意図的に流さないと起動しない魔道具で、起動できるとどの適性の物でも淡く光る――んだけど。
うん、冒険者稼業で既に散々魔法を使ってきたんだから、このくらいは意識せずとも簡単に出来て当然だった。
……Sクラスの鑑定が終わるより早く課題を済ませてしまった。
「君は……魔法を使いなれているようだけど」
「はい、入学前まで冒険者もしていましたので」
「ああ……」
うん、平民では冒険者稼業を副業にする人もいるしね。ちょっとの魔法を使えるくらいならそこまで珍しくないからね。
「では、初級魔法は打てるかい?」
「はい」
初級どころか、最高難度の魔法も使えます――なんて言えないからそこは飲み込んで返事をした。
「では、次の課題へ進もう」
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