上 下
157 / 370
目指せ勝ち組!~君と歩む花道~

適性試験

しおりを挟む
    さあ、お待ちかね魔法実技の授業のお時間がやって参りました!
    まず第一の課題。お約束の魔力測定と魔法属性の鑑定です。
    ここで魔法の才能なしと鑑定されてしまうとこの授業への参加資格を取り消される。……魔法実技しか授業をとっていなかった場合は一応他の授業への変更が認められる事にはなっているけれど。
    大抵は二つは選択するのが当然らしく、あまり例はないらしい……はず、だったんだけど。
    私の婚約者は――
    「なっ、適性がないだと!?    魔道具は使えたのにか?」
    「ええ、僅かながら魔力はあるようですが、その魔力を魔法として使うスキルはお持ちではないようですね」
    あれは、ギルドの受け付けにあるカードリーダーと似たようなもので、教会での正式な鑑定のようにスキル名までは表示されないけれど、どういう魔法に適性があるのかが分かるようになっている。
    ……私は全属性使えるんだけど、未だに光と闇魔法以外はスキル表示に現れない。
    あれにどう表示されるのか……。
    「馬鹿なっ!」
    「……残念ですが、別の科目で単位を取って下さい」
    「なっ……!」
    「魔法理論を学べば、より効率的に魔道具を扱えるようにもなりますよ」
    騒ぐ彼を助手の一人がその場から離し隅で彼の説得に当たり始めた。……お疲れ様です、とその男性教師に心の中で合掌しましたよ、ええ。
    続いてヒロインちゃん。
    「おお!    光魔法ですか、これは珍しい!」
    ああ、うん、ヒロインだもんね。
    順番としては下のクラスの子からの測定になっているから、私達Sクラスは最後となる。
    鑑定が終わった子からその適正に沿ったグループに組み分けられ、それぞれ次の課題を与えられている。
    この学校のクラス分け基準は成績だから、まあ大抵の場合下のクラスのこの方が習熟に時間がかかるからこそのこの順番なのだ。
    「殿下は……流石の魔力量です。使える属性も多い」
    「だが、光魔法は得られなかったか……。兄上は得ていたから少し期待をしていたのだが」
    「まだ、殿下は12歳であらせられますからな。今後の努力次第では神の祝福が授けられるやもしれませぬ」
    「うん、努力を怠る気はない。頑張るとしよう」
    そして、私の番がやって来る。
    緊張の一瞬……。
    ラノベだと鑑定用の水晶玉が壊れるイベントがよくあったりしたけど……大丈夫だよね?    今までカードリーダー壊したことは無いし、そんな嫌なお約束イベントばかり続かなくていいんだからね!
    そう心の中でひたすら祈りながら、いつものように神眼石をカードリーダーにかざした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢キャロライン、勇者パーティーを追放される。

Y・K
ファンタジー
 それは突然言い渡された。 「キャロライン、君を追放する」  公爵令嬢キャロラインはダンジョンの地下100階にて、いきなり勇者パーティーからの追放を言い渡された。  この物語は、この事件をきっかけにその余波がミッドランド王国中に広がりとてつもない騒動を巻き起こす物語。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

断罪された商才令嬢は隣国を満喫中

水空 葵
ファンタジー
 伯爵令嬢で王国一の商会の長でもあるルシアナ・アストライアはある日のパーティーで王太子の婚約者──聖女候補を虐めたという冤罪で国外追放を言い渡されてしまう。  そんな王太子と聖女候補はルシアナが絶望感する様子を楽しみにしている様子。  けれども、今いるグレール王国には未来が無いと考えていたルシアナは追放を喜んだ。 「国外追放になって悔しいか?」 「いいえ、感謝していますわ。国外追放に処してくださってありがとうございます!」  悔しがる王太子達とは違って、ルシアナは隣国での商人生活に期待を膨らませていて、隣国を拠点に人々の役に立つ魔道具を作って広めることを決意する。  その一方で、彼女が去った後の王国は破滅へと向かっていて……。  断罪された令嬢が皆から愛され、幸せになるお話。 ※他サイトでも連載中です。  毎日18時頃の更新を予定しています。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です

結城芙由奈 
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】 私には婚約中の王子がいた。 ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。 そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。 次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。 目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。 名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。 ※他サイトでも投稿中

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

処理中です...