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目指せ勝ち組!~君と歩む花道~
適性試験
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さあ、お待ちかね魔法実技の授業のお時間がやって参りました!
まず第一の課題。お約束の魔力測定と魔法属性の鑑定です。
ここで魔法の才能なしと鑑定されてしまうとこの授業への参加資格を取り消される。……魔法実技しか授業をとっていなかった場合は一応他の授業への変更が認められる事にはなっているけれど。
大抵は二つは選択するのが当然らしく、あまり例はないらしい……はず、だったんだけど。
私の婚約者は――
「なっ、適性がないだと!? 魔道具は使えたのにか?」
「ええ、僅かながら魔力はあるようですが、その魔力を魔法として使うスキルはお持ちではないようですね」
あれは、ギルドの受け付けにあるカードリーダーと似たようなもので、教会での正式な鑑定のようにスキル名までは表示されないけれど、どういう魔法に適性があるのかが分かるようになっている。
……私は全属性使えるんだけど、未だに光と闇魔法以外はスキル表示に現れない。
あれにどう表示されるのか……。
「馬鹿なっ!」
「……残念ですが、別の科目で単位を取って下さい」
「なっ……!」
「魔法理論を学べば、より効率的に魔道具を扱えるようにもなりますよ」
騒ぐ彼を助手の一人がその場から離し隅で彼の説得に当たり始めた。……お疲れ様です、とその男性教師に心の中で合掌しましたよ、ええ。
続いてヒロインちゃん。
「おお! 光魔法ですか、これは珍しい!」
ああ、うん、ヒロインだもんね。
順番としては下のクラスの子からの測定になっているから、私達Sクラスは最後となる。
鑑定が終わった子からその適正に沿ったグループに組み分けられ、それぞれ次の課題を与えられている。
この学校のクラス分け基準は成績だから、まあ大抵の場合下のクラスのこの方が習熟に時間がかかるからこそのこの順番なのだ。
「殿下は……流石の魔力量です。使える属性も多い」
「だが、光魔法は得られなかったか……。兄上は得ていたから少し期待をしていたのだが」
「まだ、殿下は12歳であらせられますからな。今後の努力次第では神の祝福が授けられるやもしれませぬ」
「うん、努力を怠る気はない。頑張るとしよう」
そして、私の番がやって来る。
緊張の一瞬……。
ラノベだと鑑定用の水晶玉が壊れるイベントがよくあったりしたけど……大丈夫だよね? 今までカードリーダー壊したことは無いし、そんな嫌なお約束イベントばかり続かなくていいんだからね!
そう心の中でひたすら祈りながら、いつものように神眼石をカードリーダーにかざした。
まず第一の課題。お約束の魔力測定と魔法属性の鑑定です。
ここで魔法の才能なしと鑑定されてしまうとこの授業への参加資格を取り消される。……魔法実技しか授業をとっていなかった場合は一応他の授業への変更が認められる事にはなっているけれど。
大抵は二つは選択するのが当然らしく、あまり例はないらしい……はず、だったんだけど。
私の婚約者は――
「なっ、適性がないだと!? 魔道具は使えたのにか?」
「ええ、僅かながら魔力はあるようですが、その魔力を魔法として使うスキルはお持ちではないようですね」
あれは、ギルドの受け付けにあるカードリーダーと似たようなもので、教会での正式な鑑定のようにスキル名までは表示されないけれど、どういう魔法に適性があるのかが分かるようになっている。
……私は全属性使えるんだけど、未だに光と闇魔法以外はスキル表示に現れない。
あれにどう表示されるのか……。
「馬鹿なっ!」
「……残念ですが、別の科目で単位を取って下さい」
「なっ……!」
「魔法理論を学べば、より効率的に魔道具を扱えるようにもなりますよ」
騒ぐ彼を助手の一人がその場から離し隅で彼の説得に当たり始めた。……お疲れ様です、とその男性教師に心の中で合掌しましたよ、ええ。
続いてヒロインちゃん。
「おお! 光魔法ですか、これは珍しい!」
ああ、うん、ヒロインだもんね。
順番としては下のクラスの子からの測定になっているから、私達Sクラスは最後となる。
鑑定が終わった子からその適正に沿ったグループに組み分けられ、それぞれ次の課題を与えられている。
この学校のクラス分け基準は成績だから、まあ大抵の場合下のクラスのこの方が習熟に時間がかかるからこそのこの順番なのだ。
「殿下は……流石の魔力量です。使える属性も多い」
「だが、光魔法は得られなかったか……。兄上は得ていたから少し期待をしていたのだが」
「まだ、殿下は12歳であらせられますからな。今後の努力次第では神の祝福が授けられるやもしれませぬ」
「うん、努力を怠る気はない。頑張るとしよう」
そして、私の番がやって来る。
緊張の一瞬……。
ラノベだと鑑定用の水晶玉が壊れるイベントがよくあったりしたけど……大丈夫だよね? 今までカードリーダー壊したことは無いし、そんな嫌なお約束イベントばかり続かなくていいんだからね!
そう心の中でひたすら祈りながら、いつものように神眼石をカードリーダーにかざした。
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