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独りで立てる様に
プレゼン開始
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「まずはお手元の資料をご覧下さい」
カラーコピーされた資料を配り、まずのっけから私達の技術力をアピールしにかかる。
この世界、活版印刷まではあるけど、パソコンもワープロも無ければコピー技術もない。
グラフ、というもの自体はあるけど、それをこのようにカラフルに見易く資料に添付しそれを複数枚用意するには、ここでは印刷所に特注をかけなきゃいけない。
こんな会議程度でそこまでするなんて普通ではあり得ない。
でも、その手元の資料と寸分違わぬ、けれどそれより大きく壁に映し出された資料に、カーライル商会の幹部だけでなくこちら側のギルマス達もギラギラした目で注目する。
「これらは未発表の魔道具で作成したものですわ。今後も一般に売り出す予定はありませんが……企業単位のご注文には対応していきたいと、既にルクスドで話が纏まりつつある物です」
ルクスド、と聞いてギルマス達が揃って渋い顔をした。
「では、まず表紙をめくり、一頁目をご覧下さいませ。こちらは先月の〆日付けで、私の管理下にある総資産とその内訳の資料で御座います」
それは、ヒューリア帝国内に留まらず、シュミエルやマルクニア帝国内の資産も含まれている。
各国で展開する事業や取引先。
既に登録済の特許一覧と、そこから得られた収入。
魔道具を売って得ている利益。
特記事項として、私が冒険者活動で得ている個人資産も併記してある。
いつぞや「伯爵家の屋敷が建つ」とか「庶民暮らしをするならもう一生働く必要なし」とシリカさんに言われた頃より倍以上に増えた資産に、カーライル商会幹部は目を剥いて、指差し確認しながら桁の数を何度も数え直している。
その内、シレイドで契約した分の売上なんてパーセンテージとしては二桁に届かない。でも、カーライル商会ではその売上収入は全体売上の内訳でかなりのシェアを占めているのだから幹部が目を疑いたくなる気持ちはまあ分からないではない。
第一線で働いてきたベテランが、未成年の小娘に負けたなんて、認めたくないよね。
「では、次のページへ。先の内訳の詳細についてご説明します」
こうして回転寿司チェーンを始め、妖精国のカフェや吸血鬼国の拠点、ルクスドでの納品を始め、今手掛けている商売について、儲けの根幹をなす企業秘密以外のあれこれを説明し、時折質疑応答タイムを設けつつプレゼンを進めていく。
「では次のページへ。ここからは何故これらの事業をカーライル商会から分け、疾風の牙商会として独立させる必要があるのかという件についてご説明させていただきます」
現状で出ている各国皇帝陛下から下された勅命について、レイフレッドの将来についても含めて丁寧に説明していく。
そして。
「つまり、独立についてはほぼ決定事項なのです。故に、詳細について話を詰めるための話し合いをこれから始めたいのです」
カラーコピーされた資料を配り、まずのっけから私達の技術力をアピールしにかかる。
この世界、活版印刷まではあるけど、パソコンもワープロも無ければコピー技術もない。
グラフ、というもの自体はあるけど、それをこのようにカラフルに見易く資料に添付しそれを複数枚用意するには、ここでは印刷所に特注をかけなきゃいけない。
こんな会議程度でそこまでするなんて普通ではあり得ない。
でも、その手元の資料と寸分違わぬ、けれどそれより大きく壁に映し出された資料に、カーライル商会の幹部だけでなくこちら側のギルマス達もギラギラした目で注目する。
「これらは未発表の魔道具で作成したものですわ。今後も一般に売り出す予定はありませんが……企業単位のご注文には対応していきたいと、既にルクスドで話が纏まりつつある物です」
ルクスド、と聞いてギルマス達が揃って渋い顔をした。
「では、まず表紙をめくり、一頁目をご覧下さいませ。こちらは先月の〆日付けで、私の管理下にある総資産とその内訳の資料で御座います」
それは、ヒューリア帝国内に留まらず、シュミエルやマルクニア帝国内の資産も含まれている。
各国で展開する事業や取引先。
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魔道具を売って得ている利益。
特記事項として、私が冒険者活動で得ている個人資産も併記してある。
いつぞや「伯爵家の屋敷が建つ」とか「庶民暮らしをするならもう一生働く必要なし」とシリカさんに言われた頃より倍以上に増えた資産に、カーライル商会幹部は目を剥いて、指差し確認しながら桁の数を何度も数え直している。
その内、シレイドで契約した分の売上なんてパーセンテージとしては二桁に届かない。でも、カーライル商会ではその売上収入は全体売上の内訳でかなりのシェアを占めているのだから幹部が目を疑いたくなる気持ちはまあ分からないではない。
第一線で働いてきたベテランが、未成年の小娘に負けたなんて、認めたくないよね。
「では、次のページへ。先の内訳の詳細についてご説明します」
こうして回転寿司チェーンを始め、妖精国のカフェや吸血鬼国の拠点、ルクスドでの納品を始め、今手掛けている商売について、儲けの根幹をなす企業秘密以外のあれこれを説明し、時折質疑応答タイムを設けつつプレゼンを進めていく。
「では次のページへ。ここからは何故これらの事業をカーライル商会から分け、疾風の牙商会として独立させる必要があるのかという件についてご説明させていただきます」
現状で出ている各国皇帝陛下から下された勅命について、レイフレッドの将来についても含めて丁寧に説明していく。
そして。
「つまり、独立についてはほぼ決定事項なのです。故に、詳細について話を詰めるための話し合いをこれから始めたいのです」
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