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念願の旅路で

五ヵ年計画のその一

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    約五年。レイフレッドが学校へ行ってしまうまでのリミットはもっと短く、あと二年しかない。
    ――レイフレッドと旅が出来るのはたった二年だけ。
    だから、私はこの二年は冒険の旅に費やすことにした。
    ……魔道具の定期納品はしなくちゃならないから、シレイドには倉庫を一つ借りてそこに空間の出口を新たに繋げた。
    また、いずれレイフレッドのものになる領地だけど、こっそり皇帝様がたから、たまの間引きと開拓の下準備の許可を得たため、小屋を作ってここにも空間の出口を繋いでいる。
    この旅は、各地を回って冒険者活動をしつつ、必要に応じて拠点を確保。空間移動可能な地点を増やしつつ、各地でその地に必要な物を商う店を作ること。
    それによって知名度と信頼度を上げ、将来に繋げるのだ。
    ――二年後の事はまたその時考える。……というか支店を増やせばその分仕事も増えるから、その辺効率的に回してくシステム構築も必須だな。
    そんなこんなで馬車を進めているのは、魔帝国。
    本当なら――子爵対策するなら人間の国を回んなきゃ意味無い?
    けどね、営業許可とか通行証とか、人間の国の分だけ無いのよ。いやまあ、無いのが普通なんだけどさ。
    うん、移動と出入国は銀級冒険者となった今はそう面倒ではないけど、そこで商売をするとなったらまた別だ。
    いくら商業ギルドの一員でも、商売やってる者は特に縄張り意識が強いから、単なるギルド員と言うだけでは余所者扱いされる。一時的な行商でもその地の顔役への挨拶は欠かせない。
    まして、そこで半永久的に――となると、こつこつ積み上げなきゃならないものがあるから。
    ……だから、お父様もの事も責めきれない部分があるんだよね。
    ――少し話が逸れた。
    それが、皇帝様直々にいただいた許可証があれば、コツコツ積み上げなきゃならないモノの半分位は補ってくれちゃう。そう言うある種のチートアイテム。
    本来ならカーライル商会以上の政商レベルの大商会に与えられるものだから、それと同等の信頼を最初から得られる。
    これは、大きい。
    そして、実家や故郷を離れ、しかもしばらく鑑定式もないから、これまでみたいにスキルの使用を自重しなくていい。
    「……してたんですか?    自重――」
    ……してたよ!
    お陰でスキルツリー用ポイント貯まりっ放しだから!
    クリエイトスキル自体も、ここ最近同じ物のコピーばかり作っていたからちょっと伸び悩んでいたし。
    ちょっと、これから本腰入れて能力磨きをしたいと思います!
    「お嬢様……くれぐれも程々にお願いしますよ?    本当に本気出すのは私が正式に爵位と領地を手に入れた後にお願いしますよ?」
    ――張り切るつもりが早速レイフレッドに釘を刺されたので、程々にガンバリマス……。
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