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温室……と言うか冷室を作れ!

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 サンドワームは並列存在達に任せ。
 小屋に戻った翌日、私は自分で作った洞窟の前、小屋の玄関先に立っていた。

 先にモヤシとキノコを栽培する算段はつけたけど、その二つだけじゃ……ね?
 確実に飽きるし栄養面でも偏りが出る。

 「いや、一通りの作物は空間で育てられるんだけど……」

 ないとは思うが百万が一人でも来た日にゃ……
 てなわけで、もう少しレパートリーを増やすべく、改めて耕地を整えるべく私はスタンバイさせられている、という訳。

 しかしこの遮る物のない炎天下に畑を直に作っても、殆の野菜はこの強烈な日光と暑さにやられて育つまい。
 暑さに強い作物を植えても、今度は夜の寒さにやられる。
 水は……こちらで撒くとしても、だ。

 少なくとも露地栽培はどう考えても不可能。
 とくれば、やはりハウスは必須だろう。
 だけど、温室としてハウスを建てればこの砂漠の中、ハウスの中が一体気温何度まで上がるのか。
 真夏の車の暑さのヤバさを、日本のマスコミは夏になるとよく実験映像流してたけど。
 下手しなくともあれ以上になる可能性が……

 うん、温室じゃ無く冷室を作る位のつもりで作らないとね。

 ついでに下は砂地。
 畑にするなら腐葉土なりを空間から運んで入れなきゃならないんだけど……

 「んー、メンドイし、水はあるんだし。ここは水耕栽培といこうか」
 ちょうどハウスも用意するんだし。

 「取りあえずまずは区画割からかな」
 ハウスを6棟建てるとして……、

 ハウスを建てる長方形の土地を軽く掘り、隣との境を盛り上げ固める。
 田んぼのあぜ道みたいだ。……周りは普通に砂だけど。

 水路を引き、あぜ道に草の種を植える。
 地球のサバンナの様な、砂漠程ではないにしろ、過酷な環境でも育つ種類の雑草達だ。
 ついでに低木の苗も植える。

 「じゃーん、錬金術担当の自信作、《萌え萌えパワー最強 植物栄養剤》の効果やいかに……」

 アンプルに入った、黄色味の強い黄緑色の半透明な薬剤を、一滴一滴間を空けて垂らしていく。

 すると、小学生の理科の時間に見せられた早回しの植物の成長の様子がビデオではなくリアルに目の前で……
 思わずノリでト○ロの舞を踊っちゃうくらいには驚いた。
 ……スゲェ。砂漠に緑が一瞬で芽吹く様子は結構感動的だった。

 せっかくなので用水路にも簡易の屋根を設置し、ついでに水草を追加。
 水草が根付いた頃に小魚を放した。
 いずれ食べられるサイズの川魚に成長する奴が出てくると良いな、と願いつつ。

 それより先にハウスだ。
 布を日除けに使い、換気も可能な冷暖房付きハウスを建て、中に水路を巡らせる。

 ここに植えるのは、イチゴとトマトと……あと何が良いかな……?
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