婚約破棄され国外追放された悪役令嬢、砂漠の真ん中に国を創る。え、移住させてほしい? いや、あんた等なんざお断りだよ!

前も後ろも右も左も延々砂丘しかない砂漠と、雲一つなくカンカン照りに照りつけるお日様元気な青空と。

そんな地に放り出されたカナンは、ニヤリと笑う。

「あー、馬鹿な婚約者のお守りも、毒親の機嫌伺いも、アホ兄弟の尻拭いももうしなくて良いなんて最高!」

そう、この日の為に重ねてきた努力を、ようやく自分のためだけに使える。

……そのはずだった。

「のんびり趣味に費やす毎日、ぷりーず!」
そう叫ぶ日々が来るなど、その時の彼女は思いもしなかったのだ……
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