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第七章 元凶様がやって来た

ダンジョン村到着

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 「ようこそいらっしゃいました」

 ダンジョン到着前夜。

 一行が寄ったのは、ギルマスのホームである、ダンジョン村手前の旗艦ギルドのある街だった。

 「明日には馬車にてダンジョン村へとお送り致します。朝イチで出発すれば、昼前には村へ到着可能でございますが、出発時間はいかほどになさいますかな?」

 「うむ。では朝食後、食休めの後出発するとしよう」

 「かしこまりました、ではそのように手配させていただきますので、今宵はこちらの宿でごゆるりとお過ごしくださいませ」

 そう言って坊ちゃんを宿に放り込んだギルマスは、
 「明日行く。ギルマスは数日はギルドに張り付いてろ。そこにいる連中にもきっちり情報を回しとけ」
 と早馬を出し、明日の護衛メンバーの最終確認を行う。

 痛む胃に手を添えながら、眠れない夜を過ごした翌朝。

 ついに、ダンジョン村への最終行程の第一歩を踏み出す。

 かつて村を作る為の第一歩を踏み出したときには荒野しかなく、護衛の冒険者も数を雇ったが、街道整備を終えた道は、馬車の車輪との相性もよく、馬も快適に進む。

 街道警備の兵士もいるので、冒険者の護衛も一チーム居れば事足りる。

 時折兵の詰め所で休憩を取りながら、予定通り昼前には村に辿り着いた。

 村の前ではギルド員が揃って出迎えていた。

 「ようこそ、ガルディアダンジョンへ」

 ガルディアダンジョンギルドのギルマスが頭を下げる。

 「早速参られますか? ギルド員の案内役は必要でしょうか?」

 「うん、まずは宿をとらないとな。念の為、宿の話だけもう一度聞かせてよ。あとはこっちでどうにでもするからさ」

 「……かしこまりました。えー、こちらにあります通り、宿は数種類揃っておりまして――」

 早速ダンジョンギルマスが、営業スマイル浮かべて説明を始めた隙に、護衛についてきたギルマスがそっと彼の部下に指示を出す。

 「おい、誰か人を出して、ダンジョン内の客らに改めて注意と警告をして来い。一応係員の魔物にもな。そっちはどれほど効果があるかは知らないが、後で責任追求されない様、情報提供して来るんだ」

 「は、はいっ!」

 ニコニコ微笑みながら、ここのギルマスも必死に説明を、そうと悟られないよう最新の注意を払いながら、話を長引かせている。

 「よし、それじゃ、待ちに待ったお楽しみの時間だ。行くぞお前達」

 そのかいあって、坊ちゃんがそう侍従達に言い出す頃には何とかアナウンスも行き渡っていた。
 ……それでも問題起こすような奴は自業自得、むしろ坊ちゃんが余計な事を言い出す前にこちらで始末をつけるつもりであった。

 そして。

 ついに王孫子様の足が、ダンジョンの洞窟内に入った――。
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