ダンジョン・ホテルへようこそ！ ダンジョンマスターとリゾート経営に乗り出します！

第五章 進むリゾート計画

大人の遊び場

　この層のコンセプトは、ズバリ夜の街！

　あ、って言っても性的な意味でいかがわしいお店は出してないよ？
　そしてそっちの産業には今後とも一切手を出す気はない。

　けどね？

　やっぱりカジノとか劇場とかはさ？　夜の雰囲気が合うと思うのよ！

　特にカジノね。どうしたってラスベガスのイメージが強いもの、ネオンとイルミネーションで飾って。

　カジノ程派手じゃないけれど、劇場も看板のライトアップなんかで雰囲気を出して。

　この層で出す飲食は、バーの様な落ち着いた大人の店。
　ガヤガヤ騒がしい大衆酒場的な店は一切排除した。
　勿論キャバクラやらホストクラブなんてのは論外！

　代わりに、カジノで稼いだお金を落としていってくれそうな、高級武具屋やアイテム屋、宝石店を出店している。

　そして、カジノでは遊び方の分からない初心者に限り、初日は初心者専用チップを無料で渡して遊んでもらう。

　チップのレートは通常チップの半額だけど、元金ゼロだから、負けさえしなければ確実に儲かる仕組み。

　賭け事自体はこの世界にもあるみたいだけど、せいぜい半か丁かのサイコロ遊びが主だったらしく。

　ルーレットにスロット、カードもポーカーにブラックジャック他、麻雀に、競馬・競艇と、ゲーム性の高い遊びに人々はあっという間に夢中になった。

　高級店にだした商品もまた、彼らを駆り立てる一要素としての役割をキッチリ果たしていた。

　遊びと言えば、これまで貴族の道楽と思われていた観劇や音楽鑑賞が楽しめるとあって、劇場の方も盛況だった。

　早速イケメン俳優と美人女優にファンがついたらしい。

　え、物販？
　勿論抜かりはありませんとも！

　「お客さん、ブロマイド買わない？」

　……ブロマイドって言ったって写真じゃなくて肖像画に近いものなんだけどさ。勿論絵師はうちの子ですよ！

　とはいえ、カジノなんて場所柄、やっぱり警備隊は必要不可欠で。

　「あぁん？　テメェいかさましたんじゃねぇだろうな！」

　なぁんて怒鳴り声は日常茶飯事ですが、他のお客様の御迷惑なならないよう、速やかに別室へとご案内し、じっくりお話を聞いて。
　必要ならばポイとダンジョンの外へ捨ててくる。

　あ、役者のストーカーの取締りも彼らのお仕事です。

　お店も繁盛してるし、この層も大当たりだね！

　お金もザックザックと儲かって、もう笑いが止まらない。

　そんな状況の中。
　ついに、ダンジョンの外に動きがあった。

　ダンジョンに入らず、ダンジョン近くに居座る人数が最近やけに増えてきた。

　かなり安めに設定しているとはいえ、宿に泊まる金の惜しい客かと初めは思ってたんだけどね……。

　なーんか違うみたいですよ？