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第五章 進むリゾート計画
プロ召喚
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「よ、よろしくお願いしますっ!」
私に取って食われるのではとでも思っていそうに、彼らは震えていた。
「あのね、私一応ただの人間だから。共食いとかする様なおかしな趣味はないから」
そういう私の顔は多分チベットスナギツネみたいな顔になってたと思うの。
なのに。彼らは戸惑う。
「え、何言ってるの?」とばかりに。
「え、その……夜、は?」
「夜? いや、基本8時間労働よ? ああ、夜の方がお仕事が捗るなら勤務時間を夜にしてもいいけど、その場合はその分昼に休みを取ってもらうわよ?」
「いえ、そうではなく……、あの、枕営業とかは……」
「は!? ななななな、無い! 何言ってるのよ、そんなのあるわけないじゃない!」
あまりに想定外の言葉に私は思わず叫んだ。
けど、何故かびっくりした顔をされる。
なに、私ってそんなビッチに見えるの? 日本じゃ地味な方だと思ってたのに?
「あー、その、だな。パトロンになるのは大概貴族でな。
愛人と言って堂々と囲えば正妻がキレるだろ?
それを抑えられる亭主関白な男が旦那なら気にせず好きに遊ぶんだろうが、尻に敷かれるタイプの男は、パトロンの名目で囲う事もあるんだよ……」
と、ヴォルティスが歯切れ悪く言った。
……にしても随分と詳しいな。
思う所はあるけど、今はそれより、だ。
「私は貴方達に仕事を頼みたくて呼んだの。……皆新人だって事だけど、最低限の専門知識はあるのよね?」
「それは、勿論」
「なら、しっかり仕事してくれればちゃんと給料も払うし衣食住は保証する。仕事の成果次第ではボーナスや給料アップも考えるわ。よろしくね」
「は、はい!」
新人と言えどもプロが入った事で、仕事がグンと専門的になり、とても捗るようになった。
時折私がアイディアを出し、それを形にしてもらう。
あ、勿論魔物の調教は私メインでやりましたとも!
けど、警備や誘導スタッフ、清掃スタッフはともかく、メインのアーティスト達を育成するのはそれなりの時間を要した。
効率の良い稽古の仕方や、より良い見せ方を教わっても、最低限の練習期間は必要だしね。
結局準備に一年近くかけ、その一年の間についでにもう一つ思いついて始めた企画があった。
それは、ラスベガスやドバイを成り立たせるある観光資源。
そう、カジノ。
さらなる従業員の労働環境改善に向けての予算を稼ぐため。
アーティスト達とは別に、ディーラー役の魔物も育ててたんだよね。
カジノとショービジネスの夜のネオン街をイメージして層を改装し。
そして――
私に取って食われるのではとでも思っていそうに、彼らは震えていた。
「あのね、私一応ただの人間だから。共食いとかする様なおかしな趣味はないから」
そういう私の顔は多分チベットスナギツネみたいな顔になってたと思うの。
なのに。彼らは戸惑う。
「え、何言ってるの?」とばかりに。
「え、その……夜、は?」
「夜? いや、基本8時間労働よ? ああ、夜の方がお仕事が捗るなら勤務時間を夜にしてもいいけど、その場合はその分昼に休みを取ってもらうわよ?」
「いえ、そうではなく……、あの、枕営業とかは……」
「は!? ななななな、無い! 何言ってるのよ、そんなのあるわけないじゃない!」
あまりに想定外の言葉に私は思わず叫んだ。
けど、何故かびっくりした顔をされる。
なに、私ってそんなビッチに見えるの? 日本じゃ地味な方だと思ってたのに?
「あー、その、だな。パトロンになるのは大概貴族でな。
愛人と言って堂々と囲えば正妻がキレるだろ?
それを抑えられる亭主関白な男が旦那なら気にせず好きに遊ぶんだろうが、尻に敷かれるタイプの男は、パトロンの名目で囲う事もあるんだよ……」
と、ヴォルティスが歯切れ悪く言った。
……にしても随分と詳しいな。
思う所はあるけど、今はそれより、だ。
「私は貴方達に仕事を頼みたくて呼んだの。……皆新人だって事だけど、最低限の専門知識はあるのよね?」
「それは、勿論」
「なら、しっかり仕事してくれればちゃんと給料も払うし衣食住は保証する。仕事の成果次第ではボーナスや給料アップも考えるわ。よろしくね」
「は、はい!」
新人と言えどもプロが入った事で、仕事がグンと専門的になり、とても捗るようになった。
時折私がアイディアを出し、それを形にしてもらう。
あ、勿論魔物の調教は私メインでやりましたとも!
けど、警備や誘導スタッフ、清掃スタッフはともかく、メインのアーティスト達を育成するのはそれなりの時間を要した。
効率の良い稽古の仕方や、より良い見せ方を教わっても、最低限の練習期間は必要だしね。
結局準備に一年近くかけ、その一年の間についでにもう一つ思いついて始めた企画があった。
それは、ラスベガスやドバイを成り立たせるある観光資源。
そう、カジノ。
さらなる従業員の労働環境改善に向けての予算を稼ぐため。
アーティスト達とは別に、ディーラー役の魔物も育ててたんだよね。
カジノとショービジネスの夜のネオン街をイメージして層を改装し。
そして――
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