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第五章 進むリゾート計画

ビーチエリアオープン!

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 青い海、青い空!
 さんさんと輝く2つのお日様。
 白くきめ細かい砂浜に、打ち寄せる白い波。

 お日様が2つ、という点を除けば、「これぞリゾート!」と、旅行パンフレットの表紙になってそうな美しい景色だ。

 その中に、今日から赤や青のパラソルが並び、色とりどりの水着を着たお客が賑やかに海を楽しんでいる。

 軽食の屋台も盛況だし、海の家ではビーチボール等の売れ行きも悪くない。

 マリンスポーツの方も、最初こそ戸惑いから敬遠する人も多く、他エリアに比べて閑散としていたのだけど、新しいもの好きな挑戦者達の遊ぶ姿を見て誘われた人なんかが徐々に集まり、今では他と変わらぬ人気ぶりを見せていた。


 そして。
 賑わう浜辺のお約束、と言えば。

 「ピンポンパンポーン! “黄色の水着を着て、髪を2つに結わえた、3歳位の女の子が、お連れ様を探しています。お心当たりの方は、迷子センターまでお越し下さい”」

 そう、迷子対応だ。

 ナンパ師取締と違ってお子様対応になるこちらの警備に、強面なオーガ達を充てる訳には行かず、迷子対応エキスパートとして、他の警備隊とは別の訓練を受けたカワイイゴブリン隊に任せている。

 そして、改めて聞けばこのガルディアダンジョンは、大陸の内陸部にある国に位置するらしく、この近隣の住人にとって、海なんてのは絵本の中にしか出て来ないものだったりする訳で。

 それをこうして身近で楽しめる、と言う事で更に話題は沸騰した。

 海釣りレジャーについても、人を雇ってまでも大量に釣って売ろうと企む人まで出る程に。

 一応レジャーとして売ってるわけで。
 企んだ人には一先ずよぉく、よぉぉぉくお話した後で、改めて正式な商売として、こちらが商品として用意した物を売りさばいてもらうという契約を交わしたりもした。

 そうしてビーチが安定した頃。

 「次はスキー場かしらね」

 と、新たな計画を練り始めていた私。

 こちらもスキー場その物を用意するのはそんなに難しくない。

 むしろビーチを作るよりよほど容易い。
 雪山エリアってのもダンジョンあるあるだものね?

 なのにまさか。

 その計画の最中にしょうもない横槍が入ろうとは予想していなかったんだよね。

 そう、ある時からピタリとお客が一人も来なくなったんだ。

 あんなに賑わっていた宿も、スポーツ施設も、テーマパークもビーチも。
 それどころか海産物の販売で取引していた商人さんまでも、誰一人。

 何事かと思うよね?

 最初こそ付近で自然災害でもあったか、それとも近くの街からここまで来る途中の道に危険な魔物でも突如湧いたか。と、心配していたんだけど。

 どうやら私はこの世界の貴族と言うものへの理解が足りていなかったらしいです。
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