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第四章 リゾート・ダンジョンオープン

ギルドの調査隊

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 依頼主の名前はシンくんで、ギルドに依頼を出した。

 ダンジョンランクの再設定調査依頼だ。

 ……私が手を入れているこのダンジョンの、成長速度や方向性は異常だと、ヴォルティスのお墨付きをいただきましたが。
 他に数多あるダンジョンも、ゆるやかながら基本は成長していくもの、らしい。

 「俺は魔力の弱り切ったところを囚われたからなかなか魔力も足りずダンジョンを成長させられなかったが、初期魔力がある程度あれば、そこそこのレベルのダンジョンは作れるからな」

 そして、そのダンジョンに潜る冒険者が絶えなければ。
 無謀な弱者がダンジョン内で倒れれば、それはそのままダンジョンの糧となり、更にダンジョンは成長していく。

 故にダンジョン近くにある冒険者ギルドには、定期的にダンジョンランクの見直し調査を行う義務がある。

 しかし、不人気なためダンジョン周りにダンジョン村もなく、近い村にも冒険者ギルドはなく。

 ギルドのある街から馬車で数日もかかるダンジョンを、積極的に管轄に入れようと言うギルドはなく、そもそも初心者ダンジョンだったし、仮にスタンピートが起きても、スライムやゴブリン程度、辺りの魔物が軽く食い尽くすでしょ?

 数の暴力でその魔物も多少減るかもしれないが、いい具合に間引きできてむしろお得感がある、と言う認識なんじゃないかね、ギルドは。

 だから、最近ギルドが急成長したらしいよ、だから念の為調査して! ……と、ギルドに依頼を出したのだ。

 依頼を受けた以上は、ギルドも一先ず重い腰をあげざるを得ない。

 依頼にすれば、ギルドにも報酬が入る。
 誰か適当な人員に仕事を振れば、建前上義務を果たしていると言い訳は立つし、ダンジョンそのもので収入の目処が立たなくても良いなら……と。

 シンくんが戻って一週間、やって来ました、冒険者5人組。

 前衛の剣士と重戦士、中衛と斥候担当の盗賊に、後衛の魔術師と治療士と、典型的なパーティだ。

 ふむふむ。まず入口の看板に気づいて見入っている。

 不審に思いつつも、まずは依頼通りに通常ダンジョンの攻略と調査を優先する事にしたらしい。

 なかなか真面目で律儀なパーティの様だ。

 まあ、当然最初の3層は苦もなくクリアしていた。
 ……この洞窟に到達出来る実力があるなら当然だね。

 6層の森のくまさん軍団も問題なくクリア。

 オークやオーガのパーティも、危なげなくクリアしていく。

 「……Bランクの私らだから問題ないけどさ、どう考えてもコレ初心者ダンジョンじゃないよ。この層の段階でもう、中級でも中堅どころで人気の“ガロン洞窟”と良い勝負よ」

 「ああ。……これを依頼が来るまで放置してたとなると、ギルドも、上から叩かれかねん。近く冒険者村が作られるかもな、勿論専任ギルド付きで」

 「ただし。あの入口の不可解な表示の詳細を精査した後、ですがね」
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