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第二章 ダンジョン生活

より良いダンジョン目指して

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 「……と言うかね、カスタマイズ可能なのなら、そろそろどうすれば外から“お客”が来るのか考えるべきだと思う訳よ」

 そう。
 ヴォルティスが自らの身を自分でむ様な生活をせざるを得なかった、そんな状況からは脱却し、少しずつとはいえダンジョンも成長を始めはしたけれど。

 ダンジョン本来のあり方とは未だ程遠く。

 「人気ダンジョンは無理でも、せめて10日に1人……もとい1パーティは欲しい」

 これまでここに“客”が来なかった理由はここが初心者ダンジョンだったから。
 ならこの辺りに出る魔物と同等クラスのダンジョンにすればいいのか。

 けど、この辺人里からも距離があるんだよね?

 だとすると……

 「ダンジョン内、魔力さえ足りれば自由自在にカスタマイズ可能、それこそ森でも湖でも作り放題。私のスキルがあればモンスターを従えることも可能……」

 なら。

 「いっそこの周辺の荒野を旅する冒険者向け――最終的にはみんなのリゾート地にするのはどうかしら?」

 「はぁ? リゾート?」

 ふふふ、ダンジョン内なら層さえ違えば春夏秋冬も思いのまま、夏の海でマリンスポーツと、冬の雪山でスキーやスノボ、スケートが同日に可能。

 そんなリゾート、他じゃ作れないよね?

 勿論それだけじゃダンジョンの稼ぎにはならないから、普通のダンジョン層も要るか……。

 カスタマイズの画面見たら、モンスターの出ないいわゆる安全地帯や休憩所をプラスする事も出来そう。……勿論魔力という対価ありきではあるんだけど。

 「ふむ、ダンジョン内の棲み分けが必要ね。ダンジョン全層を100%として……、上層50%は普通にダンジョン、中層25%はリゾート層、下層20%は畑その他リゾート付属の関連産業、残りの最下層がダンジョンマスター専用と」

 ダンジョンマスター及びサブマスターのレベルが上がればチョイスできる設備も増える。

 例えばセーブ&ワープが可能な魔法陣とかね。

 階層がもっと増えたなら、もっと深い層で戦えるパーティが毎度スライムばかりの一層からってのも……ねぇ、あれだから。

 それにこのシステムを使えばダンジョン攻略でなくリゾートのみが目的の客の誘導が楽になる。

 「よし、魔力を手っ取り早く増やすならレベルアップしなくちゃ!」

 私は張り切ってダンジョン攻略に取り組み。
 コアにコツコツと魔力を注ぐ。

 しかし。
 ダンジョンリゾート計画が正式に指導するより前に。

 「……客、か?」
 「え?」

 それは、その日のダンジョン攻略を終え、二人で夕食を食べていた時の事だった。

 「荒野で迷った勘違い冒険者が……? いやそれにしては……」

 ダンジョンに嵐が、訪れるとは。
 想像もしていなかったんだ。
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