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第二章 ダンジョン生活

新“層”開店

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 あれから。

 朝起きて朝食を食べ、まず一周ダンジョンでレベリングをし。
 昼食を食べて部屋の工事をし。
 夕食と、場合によりヴォルティスに血を与えて。
 暫し寛ぎの時間を過ごし、就寝。

 そんなサイクルが出来上がりつつあった。
 休日は基本十日に一度、一日。

 そのルーチンワークを何周かこなした頃。

 「……いよいよ、だな」
 ヴォルティスがある日ドヤ顔で言い出した。

 「何がよ」

 既にキッチンも風呂もトイレも無事設置終了し、自室もヴォルティスの部屋と同様にベッドとソファ、申し訳程度の小さな飾り気のないテーブルというシンプル過ぎるコーディネートとは言え、最低限の衣食住の確保は完了していた。

 モンスタードロップも、一階層のスライムからは食料品、ニ階層のゴブリンからは木材や金属等の加工材料、三層のボスからは装備品やポーションと言った冒険必需品と言う事で確定していた。

 よって、既にスライム相手では大して経験値は稼げないものの、馬鹿にして素通りと言う対応はあり得ない。律儀に遭遇した魔物とはしっかり戦闘し、ドロップアイテムをいただく。

 そんな毎日の中での、ヴォルティスのこの発言。

 「新しい層を作る。いい加減暗い洞窟ばかりで飽きたからな。、水辺ゾーンの4層、密林ゾーンの五層、そして6層はボス部屋。それによって三層のボスは中ボス扱いになる」

 基本、1~3層は基本変わらず、3層のボスのみ呼称が中ボスとなるが、他に変化は皆無。

 しかし、そこで入口帰還か次層へ進むか選択出来るようにするらしい。

 「お前の場合は入り口にとんでも困るだろ?」
 ……そりゃ、ね、

 「だから、お前は常にこれを身に着けていろ。」

 渡されたのは金の指輪。
 少し太めのしっかりしたデザインで、中央に赤い魔石が埋まっている。

 「……これは?」

 「装備者にサブマスター権限を与えるアイテムだ」
 「さぶ、ますたー?」

 「おう。コアがレベルアップしたんでな。新しくサブマスター権限が開放されたんだよ。今の所このダンジョンにゃ俺とカナデしか居ないんだし、お前が直に魔力をコアに注ぐことも――」

 「ちょーっと待った!」

 魔力、なんて。地球産の人間の私にそんなものある訳……

 「いや、だってステータスに普通にMPの表示あるだろう」

 え、そりゃありますけどスキルを使うのに必要な数値で、これの残りが少なくなると気絶したりするんで気をつけているけど、私はヴォルティスが使う様な魔法の類は使えない。

 「だが、MPとは魔力数値のことだ。……ちなみに俺のMP最大値は10万あるが、このダンジョンコアに囚われてから5万以上回復した事は無ぇ。因みに1万切ると血の渇きを覚える。5千を切れば自我が危うくなり、0に限りなく近づけば本能のみで血を欲するようになる」

 ……そして私はMPの大半をスキルに消費している。まぁ、常に5万近く強制で魔力をコアに吸われてるヴォルティスとは比較にもならないが。

 ヴォルティスの魔力残量がヤバい時位は強力してやっても良いかな、と思う今日この頃……。
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