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第二章 ダンジョン生活

ヴォルティスの提案

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 ダンジョン攻略、ニ周目、無事終了しましたー!

 ……ん? 攻略?
 だって敵はスライムとゴブリンとオークだよ?
 ボスのオークは流石にまだセイラン頼みだけど、先の攻略を参考に、一階層ははじめからオークの戦斧で挑んで。
 ゴブリンの討伐確率も上がった。

 オーク&ゴブリンパーティも、今回は六匹倒せた!

 ……けど、ねぇ。

 「板切れとインゴットを手に入れたは良いけど……、そう言えば、釘も金槌も無かったよね」

 ダンジョン内に雑貨屋なんてあるはずないし!

 「……土属性の魔物なら作れるかもしれないな」
 なるほど。でも、スライムもゴブリンもオークも、そんなもの作れる様に思えない。
 つまりは……

 「量は必要だが、お前の血があれば……新しい魔物が誕生する。そしてそれをお前が従えれば……」

 やっぱりか!

 けど、例えばドロップアイテムを釘に設定して貰っても、ちまちま周回して集めてたら……一体いつになったら台所が完成するやら……。
 シャワーやトイレなんて夢のまた夢……。

 「そんなの、頷くしかないじゃないの!」

 取り敢えずご飯食べて……寝よう。

 「ああ、そうだ。さっきははぐらかされたが……、俺は諦めてないからな? むしろお前から懇願させてやる」

 え、何、その愉快げで挑戦的な視線は!

 「ほら、ベッドに行くぞ」
 「は? ちょ、あんたと一緒のベッドで寝るくらいなら私はソファで寝るわよ!」

 「ふん、それで風でも引かれたら血が吸えなくなる。それじゃあ俺が困るんでな、許可しない」

 と、お姫様抱っこでベッドに運ばれた。
 「、観念しろ」
 「は? ……え?」
 低い声で囁かれ……うぅ、ナニコレ、何かゾクッとキタ!

 そして。
 手首を掴まれ、口元に運ばれる。

 あれ、首筋じゃないの?
 不思議に思っている間に、ヴォルティスはさっさと私の手首に牙を埋めた。

 ……首筋から吸われると、音ばかり近くてその光景を目にするのは無理だ。
 だから、正面から血を吸う様を目にするのはこれが初めてだった。

 う、うわ。いや、感触でそれは理解してるけど、見た目イケメンなヴォルティスの唇が私の手首に触れている、その画がこんなに破壊力あるとは正直思ってませんでした。
 なんつーか……血を嚥下する度動く喉仏とか。血を吸っている恍惚とした表情とか。

 どれを取ってもとにかくエロい!

 それに加えて……
 「え、ナニコレ……」
 何か、おかしな気分が……。え、気持ちいい?

 いや、確かにヴォルティスがそんな事言ってたけど。
 
 ふと、もっと吸ってほしい、等と思ってしまったのは――絶対にヴォルティスには秘密だ。
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