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第十二章
何のドッキリですか!?
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「ちょっとここで待っててね~」
と。ノアと別れた後、影教師に連れられて王宮を歩く。
……相変わらず案内がなければ迷いそうな王宮の、とある部屋に通され、私はそのまま一人でその部屋に残される事になった。
部屋は――どうやら客間の様だ。
ただし、要人用の貴賓室ではなく、そのお付きの人用の、使用人室に比べれば格段に良い設えではあるが、貴賓室のそれとは比べるまでもない。そういうグレードの部屋。
続きの間は一部屋のみで、居間と寝室の二部屋。
寝室は、掃除は行き届いているものの、客人を迎え入れる支度が整っているとは言えず。
あくまで急遽で用意した部屋らしい。
ソファとテーブル、後はドレッサーや書物机があるだけで、何か暇潰しが出来るような気の利いた物もない。
……服に付いたノアの血が気になってソファに座る事も出来ずに部屋をうろついていると。
「失礼致します」
ノックの後、わらわらとメイドさんが団体さんでやって来た。
え、何、お掃除か何か? と戸惑う私の服を寄って集ってあっという間に奪い去り、私はすっぽんぽんにされ。
部屋付きのバスルームに放り込まれた。
「え、え!?」
本人の承諾もなく、当の本人が混乱しているのを良い事に、用意されたアレコレできっちり磨き上げられて、ドレッサーの前に座らされた。
そこからもまた寄って集って、着せ替え人形にされた挙げ句、ばっちりメイクを施され、さっきまでは庶民の学校にも溶け込めるシンプルな装いだった私が、どこからどう見ても貴族のお嬢様に見える仕上りに。
……ちょっと、コレはどう言う事?
いやまぁ、着替えさせられたのは百歩譲ってまだ分かる。
そりゃ王のお膝元で何時までも血で汚れた服でうろちょろするのは良くないよね、分かりますとも。
けど。
ここまで徹底的に仕上げる必要はあったのか……?
今から夜会にでも出るかの様に本格的に着飾らされている。
王宮を歩くのにみすぼらしい恰好なのは、それは失礼に当たるが、ここまで徹底的に装う必要は――何か正式な式典に出席するのでもなければ必要は無い筈で。
私の身繕いを終わらせたメイドさん達は満足げな顔で、
「失礼致しました」
と、あっさりと部屋を出ていく。
訳の分からない私は再び一人部屋に残された。
もう服は汚れていないし、と、ソファにだらりともたれる。
「疲れた……」
「いやいや、これからが本番だからね。今から疲れてちゃ困るよー。あっちの準備も整ったって連絡あったから、ほら行くよ」
しかし、しばらくして戻って来た影教師に連れ出され。
また何処とも知れぬ場所へと連れて行かれるのだった。
と。ノアと別れた後、影教師に連れられて王宮を歩く。
……相変わらず案内がなければ迷いそうな王宮の、とある部屋に通され、私はそのまま一人でその部屋に残される事になった。
部屋は――どうやら客間の様だ。
ただし、要人用の貴賓室ではなく、そのお付きの人用の、使用人室に比べれば格段に良い設えではあるが、貴賓室のそれとは比べるまでもない。そういうグレードの部屋。
続きの間は一部屋のみで、居間と寝室の二部屋。
寝室は、掃除は行き届いているものの、客人を迎え入れる支度が整っているとは言えず。
あくまで急遽で用意した部屋らしい。
ソファとテーブル、後はドレッサーや書物机があるだけで、何か暇潰しが出来るような気の利いた物もない。
……服に付いたノアの血が気になってソファに座る事も出来ずに部屋をうろついていると。
「失礼致します」
ノックの後、わらわらとメイドさんが団体さんでやって来た。
え、何、お掃除か何か? と戸惑う私の服を寄って集ってあっという間に奪い去り、私はすっぽんぽんにされ。
部屋付きのバスルームに放り込まれた。
「え、え!?」
本人の承諾もなく、当の本人が混乱しているのを良い事に、用意されたアレコレできっちり磨き上げられて、ドレッサーの前に座らされた。
そこからもまた寄って集って、着せ替え人形にされた挙げ句、ばっちりメイクを施され、さっきまでは庶民の学校にも溶け込めるシンプルな装いだった私が、どこからどう見ても貴族のお嬢様に見える仕上りに。
……ちょっと、コレはどう言う事?
いやまぁ、着替えさせられたのは百歩譲ってまだ分かる。
そりゃ王のお膝元で何時までも血で汚れた服でうろちょろするのは良くないよね、分かりますとも。
けど。
ここまで徹底的に仕上げる必要はあったのか……?
今から夜会にでも出るかの様に本格的に着飾らされている。
王宮を歩くのにみすぼらしい恰好なのは、それは失礼に当たるが、ここまで徹底的に装う必要は――何か正式な式典に出席するのでもなければ必要は無い筈で。
私の身繕いを終わらせたメイドさん達は満足げな顔で、
「失礼致しました」
と、あっさりと部屋を出ていく。
訳の分からない私は再び一人部屋に残された。
もう服は汚れていないし、と、ソファにだらりともたれる。
「疲れた……」
「いやいや、これからが本番だからね。今から疲れてちゃ困るよー。あっちの準備も整ったって連絡あったから、ほら行くよ」
しかし、しばらくして戻って来た影教師に連れ出され。
また何処とも知れぬ場所へと連れて行かれるのだった。
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