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第六章
侍女になります!
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「後ろで立っていなさい!」
……なんて。サ○エさん家のカ○オ君やドラ○もんのの○太君とか、アニメの世界ではあっても、ここ最近の学校じゃ体罰だ何だで、こんな事があったらニュースになるレベルの大問題だけど。
騎士、及び侍女侍従にとってこれは必要な訓練の一環なのです。
騎士の基本のお仕事――特に近衛隊に配属された騎士は立ち番や歩哨がメインの任務になります。
侍女や侍従も主人に仕事を言いつけられない限りは部屋の隅で目立たず気配を消して立って待機がデフォルトです。
これが出来ないと、いくらお茶を淹れるのが上手くても、主人の着付けや髪のセットや化粧が出来ても傍付きにはなれません。
と、言う訳で。
運動部ではないけれど、部活初日、私達一年生には「取り敢えず立ってろ!」と命じられ、上級生のお茶淹れ講習の見学をしました。
ですが、これまで侍女・侍従に世話されるのが当たり前だった貴族の坊っちゃんやお嬢様にはこれが結構な苦行だった模様で。
私?
私は昔からアクアと一緒に船に乗ってましたからね。漁には加われなくても揺れる船の甲板に立って毎日見学してましたから。
揺れない平らな床の上で立つ位は楽勝ですよ?
「まぁ、流石騎士様と決闘をなさる野猿は体力だけはある様ですわ」
「『精霊姫』と言っても、要はど田舎の森の中を猿のように駆け回るお仕事なのでしょう?」
「第三とはいえよくその様な立場で王子と婚約等出来ましたこと……」
おいおい、あの決闘騒ぎを見て尚言うかい、君ら?
あんな男、いつでもアンタ達にノシ付けて差し上げますのにね?
まだ当分、新入生の私達はひたすら姿勢良く立つ訓練の繰り返しらしい。そしてそれに音を上げて別の部に移っていくリタイア組は毎年そこそこ出るらしい。
……厳しい部あるあるだな。
あの子達、初回から私の嫌みを言って満足してるようじゃ、続かないんじゃないの?
なんて。私の心配する事じゃないか。
それより私は図書館で勉強がしたいんだ。
煩い椋鳥みたいなご令嬢達を尻目に、私は静かな図書館へ移動する。
「個室を借りたいんですけど」
「はい、では2番の部屋へどうぞ」
鍵を借りて部屋に入る。
二畳程の部屋に机が一つ。足元に屑籠と空調の吹出口。机の上には卓上ランプ。
窓の外の景色はグリーンが主となり色とりどりの花が目を楽しませてくれる。
早速書棚から本を借りてきて机に積み上げる。
ただでさえ静かな図書館は、個室の扉を閉めれば本をめくる音すら大きく聞こえる程に静かで。
この贅沢な空間だけは、あちらの学校には無いものだ。勉強に集中するにはもってこいの環境で、私は勉強に没頭するのだった。
……なんて。サ○エさん家のカ○オ君やドラ○もんのの○太君とか、アニメの世界ではあっても、ここ最近の学校じゃ体罰だ何だで、こんな事があったらニュースになるレベルの大問題だけど。
騎士、及び侍女侍従にとってこれは必要な訓練の一環なのです。
騎士の基本のお仕事――特に近衛隊に配属された騎士は立ち番や歩哨がメインの任務になります。
侍女や侍従も主人に仕事を言いつけられない限りは部屋の隅で目立たず気配を消して立って待機がデフォルトです。
これが出来ないと、いくらお茶を淹れるのが上手くても、主人の着付けや髪のセットや化粧が出来ても傍付きにはなれません。
と、言う訳で。
運動部ではないけれど、部活初日、私達一年生には「取り敢えず立ってろ!」と命じられ、上級生のお茶淹れ講習の見学をしました。
ですが、これまで侍女・侍従に世話されるのが当たり前だった貴族の坊っちゃんやお嬢様にはこれが結構な苦行だった模様で。
私?
私は昔からアクアと一緒に船に乗ってましたからね。漁には加われなくても揺れる船の甲板に立って毎日見学してましたから。
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「まぁ、流石騎士様と決闘をなさる野猿は体力だけはある様ですわ」
「『精霊姫』と言っても、要はど田舎の森の中を猿のように駆け回るお仕事なのでしょう?」
「第三とはいえよくその様な立場で王子と婚約等出来ましたこと……」
おいおい、あの決闘騒ぎを見て尚言うかい、君ら?
あんな男、いつでもアンタ達にノシ付けて差し上げますのにね?
まだ当分、新入生の私達はひたすら姿勢良く立つ訓練の繰り返しらしい。そしてそれに音を上げて別の部に移っていくリタイア組は毎年そこそこ出るらしい。
……厳しい部あるあるだな。
あの子達、初回から私の嫌みを言って満足してるようじゃ、続かないんじゃないの?
なんて。私の心配する事じゃないか。
それより私は図書館で勉強がしたいんだ。
煩い椋鳥みたいなご令嬢達を尻目に、私は静かな図書館へ移動する。
「個室を借りたいんですけど」
「はい、では2番の部屋へどうぞ」
鍵を借りて部屋に入る。
二畳程の部屋に机が一つ。足元に屑籠と空調の吹出口。机の上には卓上ランプ。
窓の外の景色はグリーンが主となり色とりどりの花が目を楽しませてくれる。
早速書棚から本を借りてきて机に積み上げる。
ただでさえ静かな図書館は、個室の扉を閉めれば本をめくる音すら大きく聞こえる程に静かで。
この贅沢な空間だけは、あちらの学校には無いものだ。勉強に集中するにはもってこいの環境で、私は勉強に没頭するのだった。
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