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第一章
精霊との戯れ
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「――と言う訳でね、中々大変なのよ私も」
今日も私は一人精霊の浜辺で精霊達と戯れる。
流石にこの時間だけはウチの使用人も私に王子様のお世話を押し付ける事は無い。
ウチの使用人の優先順位は
精霊>>>>(越えられない壁)>>>>王子>>>>私
な模様です。
……確かに間違ってはいない、むしろ正しい順位ではあるんだけどさ。
彼ら本来の主である当主も息子も島に帰って来ない以上代行権を持ってるの、私なんだけどな……。まぁまだ子供だからって理由で代行権の代行権を執事に渡しているけどさ。
いずれ一度はよぉくお話する必要がありそうです。
けど、そんなしち面倒くさい事、精霊様は興味を示さない。だからそこはさらっと流して、お手伝いしたお礼とお土産に、とアクアの家で貰ったクッキーを分ける。
甘いお菓子は精霊達も大好きだ。
「ふふふ、精霊様のご加護があってこそ美味しい小麦や卵を得る事が出来ます。その美味しい材料で作っているから美味しいクッキーになるんですよ」
だからこれからもよろしくお願いします、と言外に願う。
「うふふ! 私達えらい!」
「頑張ったのよ! これ美味しいから、もっと頑張るの!」
と、得意気な精霊達が可愛い。
「そういえばー、沖に嵐が来てるって海の子が言ってたよー」
……おっと、重要な情報ゲット。
この子達と戯れるのは楽しいけど、幼い精霊達は脈絡無くこうした事を呟くから、油断出来ないんだよね……。
帰ったらお役所に一報を入れて農家や漁師さんに早々に対処して貰わなきゃ。
ここは本国の大陸から離れた海の上の小島。
嵐は珍しい事じゃない。
事前に準備出来ていれば大抵の被害は防げるし、万が一の対処も慣れている。
私は少しだけ早くに精霊達と別れて屋敷に戻る。
役所に嵐の事を伝えに言って貰いつつ、お風呂に入る。
……この世界、精霊が居るだけあって魔法という概念が存在する。
だけどそれは精霊が使う特別な力であり、本来人間が扱えるものではない。ごく稀に精霊と契約出来た者だけが精霊を通じて扱える特殊な力だ。
そして、私は「精霊姫」だ。
お湯を沸かして持ってきて、それが冷めないうちに入らなきゃいけない、そういう文明レベルの中、私は小精霊達に頼んでバスタブをお湯で満たしてもらう。
お礼に蜂蜜入りのミルクを与えて、私は湯船に浸かった。
……私のもう一つの野望がある。
「いつか絶対、温泉を掘り当てて温泉リゾートを作ってやる……!」
元日本人としては、精霊の力を無駄遣いしていると言われかねないこの世界では贅沢な毎日の入浴でも満足いくものじゃない。
「精霊魔法の練習、頑張らなきゃ……」
今日も私は一人精霊の浜辺で精霊達と戯れる。
流石にこの時間だけはウチの使用人も私に王子様のお世話を押し付ける事は無い。
ウチの使用人の優先順位は
精霊>>>>(越えられない壁)>>>>王子>>>>私
な模様です。
……確かに間違ってはいない、むしろ正しい順位ではあるんだけどさ。
彼ら本来の主である当主も息子も島に帰って来ない以上代行権を持ってるの、私なんだけどな……。まぁまだ子供だからって理由で代行権の代行権を執事に渡しているけどさ。
いずれ一度はよぉくお話する必要がありそうです。
けど、そんなしち面倒くさい事、精霊様は興味を示さない。だからそこはさらっと流して、お手伝いしたお礼とお土産に、とアクアの家で貰ったクッキーを分ける。
甘いお菓子は精霊達も大好きだ。
「ふふふ、精霊様のご加護があってこそ美味しい小麦や卵を得る事が出来ます。その美味しい材料で作っているから美味しいクッキーになるんですよ」
だからこれからもよろしくお願いします、と言外に願う。
「うふふ! 私達えらい!」
「頑張ったのよ! これ美味しいから、もっと頑張るの!」
と、得意気な精霊達が可愛い。
「そういえばー、沖に嵐が来てるって海の子が言ってたよー」
……おっと、重要な情報ゲット。
この子達と戯れるのは楽しいけど、幼い精霊達は脈絡無くこうした事を呟くから、油断出来ないんだよね……。
帰ったらお役所に一報を入れて農家や漁師さんに早々に対処して貰わなきゃ。
ここは本国の大陸から離れた海の上の小島。
嵐は珍しい事じゃない。
事前に準備出来ていれば大抵の被害は防げるし、万が一の対処も慣れている。
私は少しだけ早くに精霊達と別れて屋敷に戻る。
役所に嵐の事を伝えに言って貰いつつ、お風呂に入る。
……この世界、精霊が居るだけあって魔法という概念が存在する。
だけどそれは精霊が使う特別な力であり、本来人間が扱えるものではない。ごく稀に精霊と契約出来た者だけが精霊を通じて扱える特殊な力だ。
そして、私は「精霊姫」だ。
お湯を沸かして持ってきて、それが冷めないうちに入らなきゃいけない、そういう文明レベルの中、私は小精霊達に頼んでバスタブをお湯で満たしてもらう。
お礼に蜂蜜入りのミルクを与えて、私は湯船に浸かった。
……私のもう一つの野望がある。
「いつか絶対、温泉を掘り当てて温泉リゾートを作ってやる……!」
元日本人としては、精霊の力を無駄遣いしていると言われかねないこの世界では贅沢な毎日の入浴でも満足いくものじゃない。
「精霊魔法の練習、頑張らなきゃ……」
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