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「ベイビーロマンチカ-01」
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純情 ただそれだけが僕の愛情
心に嘘つけない
受け止めてくれよ
「フェス、決まったよ。8月21日。サマソニ」
竹田雅が、藤原隆平に告げる。ウッドベースのチューニングをしていた手を、止めた。
「サマソニか・・・有難いけど、夏ーって感じの曲、少ないんだよね俺らって」
「確かに・・・夏っぽい曲、少ないな。前のバンドの持ち曲もそうだし。夏っぽい新曲、作るかなー」
「竹田は岩手出身だからな。しっとりした曲、俺、好きだよ」
藤原が笑顔で、言う。一流ミュージシャンだと認める藤原に褒められるのは、嬉しかった。誰もを夢中にさせる甘いハンサムな頬を、緩める。
「そんなん言われたら、頑張るしかないよな。ありがと藤原、モチベーションアップした」
じゃ、リハやるか。ツアーの為のリハーサルを、今回は多めに入れておいた。リッケンバッカーを抱え、マイクスタンドの前に、立った。
「昔の竹田のバンドの音源、買ったよ」
マンションのリビングでコーヒーを出してくれながら、藤原が言う。今日も、呼び出しを受けていた。いきなり脱がされるかと思ったが、ソファにとおされコーヒーのマグカップが、置かれたのには少し驚いた。
「それはどうも、ありがとう。前のバンドはちょこっとだけどヒット曲もあったし、ホールツアーとかもやったんだよね。前乗バンドの時も藤原、誘ったけどダメだったんだよなぁ。あの時来てくれたら、ずっと前のバンドのままでいられたのに」
「本当に目立つの、嫌いなんだよ。今もまだアイドルグループのベースの吹き替え、やってるから目立ったらまずいっていうのもあるし」
「あ、あれまだやってるんだ?」
「うん。ライブの時は本人の演奏だから、なんか違うって2ちゃんねるで囁かれてる」
ははっ。竹田が、笑う。口止め料もかねて、結構な額を貰っているらしい。竹田だけが、それを知っていた。
「あ、それでな。前のバンドの音源から、サマソニで使えそうな曲、ピックアップしといた。前のバンドの曲も、やっていいんじゃないかって、思ってさ。竹田が作詞作曲した曲なら、いいんじゃないか?」
「おー、サンキュ。その手があったか。ユーリピオンズならユーリピオンズの曲しかダメなんだと思ってたけど、昔のヒット曲くらいなら許されるよな?」
「多分、昔のヒット曲なんて、聞きたがる人の方が多いと思うけど。時間帯的に昼だから、あのCMソングも使えるだろうし」
アルバムを3枚、ローテーブルに出して、曲をセレクトする。単純に、尊敬するミュージシャンである藤原が曲を聞きこんでくれることも嬉しいし、色々アドバイスをくれることも、有難かった。スタジオミュージシャン歴の長い藤原は、冷静な目線と公平なジャッジメントのできるクレバーな頭を、持っていた。つくづく表舞台に引っ張り出して、よかったと思う。
「降り積もる雪の中、このまま抱き合っていよう・・・」
思わず懐かしいシングルカット曲を、口ずさむ。藤原が、にやりと笑った。
「いい声だな、竹田。さ、もっとイイ声、聞かせてもらおうかな・・・?」
8畳ほどの、楽器部屋。所狭しとベース、ウッドベースが並んでいる。本格的なコントラバスまで、用意があった。
「イイもん、買ったんだよ」
麻縄を、取り出す。きちんと鞣された麻縄は、それなりに高い。7メートルの物を、2組。
「手首とか、痕が残って困るところは、豆絞りの手拭いで巻いてから、やるから安心していいよ。・・・脱いで、全部」
「ああ・・・」
言われるがままに服を脱ぎ、全裸になる。既に勃起、していた。それを見ると、藤原の片頬が、上がる。
「何、期待しちゃってんの?」
「ち、違う・・・」
「まぁいいけど、そこ叩きのめすだけだから。フェスが終わったら、チンチンの根元にピアス、入れてやるからな」
最近になって、乱暴に刺したピアスをいくつか、外されていた。最初勢いで入れていた部分をやめ、美しく仕上げるのだという。されるがままになっているから、どういう仕上がりになるかは、藤原の頭の中にしかなかった。
「手、前に出して」
豆絞りのタオルで養生してから、麻縄を回す。今まではすべて代用品だったが、先日SMバーにいってから、本物の使い勝手の良さに、気づいたらしい。そのままうつ伏せにさせ、足首も縛り上げた。ベーススタンドを補強したものに、弓なりの姿勢になった竹田を、吊り下げた。
「う・・・」
「色々な縛り方があるけど、俺はやっぱこの体勢が好きだな。エロく苦しそうな顔、見えるし。こうやって」
足を乗せる。重しになって辛いらしく、吐息が、漏れた。既に頬に汗を、かいている。
「背骨、折れそうだろ?声、あげていいんだよ?」
「や・・・ぁぁ・・・」
「今日はこれ、載せようかな」
音楽理論の、分厚い教則本。1冊、1冊増やしていくと、ぎしぎしとベーススタンドが、揺れた。載せる度に、苦悶の表情がきつくなっていく様を、しゃがみ込んで、覗き込んだ。
「ふふ、いい顔。こんな超絶美形を苦しませられるって、最高だな」
「きっ・・・きつい・・・」
「重石を乗せてぐるぐる回転させると、拷問の『駿河問い』になるんだけど、回転はさせられないからなぁ。それは、残念」
叩かれるのには、慣れた。陰茎を打ちのめされて射精する事も、出来るようになった。けれどこれは別ベクトルの、辛さがある。
「げ、限界・・・」
思わず、呟いてしまっていた。顔を覗き込んでいた藤原が、にっこり笑う。
「ダメ」
「そんな笑顔で、言うなよ・・・」
「ほら、増やすぞ」
全く容赦が、なかった。5冊もの分厚い教本を載せられ、おそらく10キロ以上、負荷がかかっているはずだ。長い手足がぎしぎしと、しなる。
「ふじっ、わらっ・・・つ、辛い・・・」
「ふふっ」
頬をつまみ、笑顔を作る。よだれがつつっと、竹田の顎を伝った。
「これをさらに、こう」
足が、本の上に乗る。ぐいぐいと押されて、あっ、あっ、と声を上げた。
「こんなエロい声、誰にも聞かせてやれないのは残念だな」
「こっ、こないだ、ハッテンバ行ったじゃないか・・・」
「あれは、顔見せてないから。天才ヴォーカリスト、ヴェルヴェットヴォイスの竹田雅様の、極上の叫び声、って言ってないだろ?」
ぐっ。思い切り強く踏みつけて来る。
「うっ、うぁぁぁっ」
「あぁ、いいな、その叫び声。もっと聞かせてくれよ」
何度も何度も、踏みつぶす。がはっと音がして、竹田がコーヒーを、吐いた。気にせず、続ける。
「次はこれも、どうかな?」
下から思い切り、蹴り上げる。上と下から同時に刺激されて、また、コーヒー交じりの胃液を、吐いた。藤原の足に大量にかかったが、気にも留めていなかった。
「あー、気が済んだ」
心に嘘つけない
受け止めてくれよ
「フェス、決まったよ。8月21日。サマソニ」
竹田雅が、藤原隆平に告げる。ウッドベースのチューニングをしていた手を、止めた。
「サマソニか・・・有難いけど、夏ーって感じの曲、少ないんだよね俺らって」
「確かに・・・夏っぽい曲、少ないな。前のバンドの持ち曲もそうだし。夏っぽい新曲、作るかなー」
「竹田は岩手出身だからな。しっとりした曲、俺、好きだよ」
藤原が笑顔で、言う。一流ミュージシャンだと認める藤原に褒められるのは、嬉しかった。誰もを夢中にさせる甘いハンサムな頬を、緩める。
「そんなん言われたら、頑張るしかないよな。ありがと藤原、モチベーションアップした」
じゃ、リハやるか。ツアーの為のリハーサルを、今回は多めに入れておいた。リッケンバッカーを抱え、マイクスタンドの前に、立った。
「昔の竹田のバンドの音源、買ったよ」
マンションのリビングでコーヒーを出してくれながら、藤原が言う。今日も、呼び出しを受けていた。いきなり脱がされるかと思ったが、ソファにとおされコーヒーのマグカップが、置かれたのには少し驚いた。
「それはどうも、ありがとう。前のバンドはちょこっとだけどヒット曲もあったし、ホールツアーとかもやったんだよね。前乗バンドの時も藤原、誘ったけどダメだったんだよなぁ。あの時来てくれたら、ずっと前のバンドのままでいられたのに」
「本当に目立つの、嫌いなんだよ。今もまだアイドルグループのベースの吹き替え、やってるから目立ったらまずいっていうのもあるし」
「あ、あれまだやってるんだ?」
「うん。ライブの時は本人の演奏だから、なんか違うって2ちゃんねるで囁かれてる」
ははっ。竹田が、笑う。口止め料もかねて、結構な額を貰っているらしい。竹田だけが、それを知っていた。
「あ、それでな。前のバンドの音源から、サマソニで使えそうな曲、ピックアップしといた。前のバンドの曲も、やっていいんじゃないかって、思ってさ。竹田が作詞作曲した曲なら、いいんじゃないか?」
「おー、サンキュ。その手があったか。ユーリピオンズならユーリピオンズの曲しかダメなんだと思ってたけど、昔のヒット曲くらいなら許されるよな?」
「多分、昔のヒット曲なんて、聞きたがる人の方が多いと思うけど。時間帯的に昼だから、あのCMソングも使えるだろうし」
アルバムを3枚、ローテーブルに出して、曲をセレクトする。単純に、尊敬するミュージシャンである藤原が曲を聞きこんでくれることも嬉しいし、色々アドバイスをくれることも、有難かった。スタジオミュージシャン歴の長い藤原は、冷静な目線と公平なジャッジメントのできるクレバーな頭を、持っていた。つくづく表舞台に引っ張り出して、よかったと思う。
「降り積もる雪の中、このまま抱き合っていよう・・・」
思わず懐かしいシングルカット曲を、口ずさむ。藤原が、にやりと笑った。
「いい声だな、竹田。さ、もっとイイ声、聞かせてもらおうかな・・・?」
8畳ほどの、楽器部屋。所狭しとベース、ウッドベースが並んでいる。本格的なコントラバスまで、用意があった。
「イイもん、買ったんだよ」
麻縄を、取り出す。きちんと鞣された麻縄は、それなりに高い。7メートルの物を、2組。
「手首とか、痕が残って困るところは、豆絞りの手拭いで巻いてから、やるから安心していいよ。・・・脱いで、全部」
「ああ・・・」
言われるがままに服を脱ぎ、全裸になる。既に勃起、していた。それを見ると、藤原の片頬が、上がる。
「何、期待しちゃってんの?」
「ち、違う・・・」
「まぁいいけど、そこ叩きのめすだけだから。フェスが終わったら、チンチンの根元にピアス、入れてやるからな」
最近になって、乱暴に刺したピアスをいくつか、外されていた。最初勢いで入れていた部分をやめ、美しく仕上げるのだという。されるがままになっているから、どういう仕上がりになるかは、藤原の頭の中にしかなかった。
「手、前に出して」
豆絞りのタオルで養生してから、麻縄を回す。今まではすべて代用品だったが、先日SMバーにいってから、本物の使い勝手の良さに、気づいたらしい。そのままうつ伏せにさせ、足首も縛り上げた。ベーススタンドを補強したものに、弓なりの姿勢になった竹田を、吊り下げた。
「う・・・」
「色々な縛り方があるけど、俺はやっぱこの体勢が好きだな。エロく苦しそうな顔、見えるし。こうやって」
足を乗せる。重しになって辛いらしく、吐息が、漏れた。既に頬に汗を、かいている。
「背骨、折れそうだろ?声、あげていいんだよ?」
「や・・・ぁぁ・・・」
「今日はこれ、載せようかな」
音楽理論の、分厚い教則本。1冊、1冊増やしていくと、ぎしぎしとベーススタンドが、揺れた。載せる度に、苦悶の表情がきつくなっていく様を、しゃがみ込んで、覗き込んだ。
「ふふ、いい顔。こんな超絶美形を苦しませられるって、最高だな」
「きっ・・・きつい・・・」
「重石を乗せてぐるぐる回転させると、拷問の『駿河問い』になるんだけど、回転はさせられないからなぁ。それは、残念」
叩かれるのには、慣れた。陰茎を打ちのめされて射精する事も、出来るようになった。けれどこれは別ベクトルの、辛さがある。
「げ、限界・・・」
思わず、呟いてしまっていた。顔を覗き込んでいた藤原が、にっこり笑う。
「ダメ」
「そんな笑顔で、言うなよ・・・」
「ほら、増やすぞ」
全く容赦が、なかった。5冊もの分厚い教本を載せられ、おそらく10キロ以上、負荷がかかっているはずだ。長い手足がぎしぎしと、しなる。
「ふじっ、わらっ・・・つ、辛い・・・」
「ふふっ」
頬をつまみ、笑顔を作る。よだれがつつっと、竹田の顎を伝った。
「これをさらに、こう」
足が、本の上に乗る。ぐいぐいと押されて、あっ、あっ、と声を上げた。
「こんなエロい声、誰にも聞かせてやれないのは残念だな」
「こっ、こないだ、ハッテンバ行ったじゃないか・・・」
「あれは、顔見せてないから。天才ヴォーカリスト、ヴェルヴェットヴォイスの竹田雅様の、極上の叫び声、って言ってないだろ?」
ぐっ。思い切り強く踏みつけて来る。
「うっ、うぁぁぁっ」
「あぁ、いいな、その叫び声。もっと聞かせてくれよ」
何度も何度も、踏みつぶす。がはっと音がして、竹田がコーヒーを、吐いた。気にせず、続ける。
「次はこれも、どうかな?」
下から思い切り、蹴り上げる。上と下から同時に刺激されて、また、コーヒー交じりの胃液を、吐いた。藤原の足に大量にかかったが、気にも留めていなかった。
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