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嫌な予感
凍り付く
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俺は結局飯田さんに頭を下げて椿ちゃんの居場所を教えてもらった。
だが教えてもらえたのは結局「辺り」だけで、椿ちゃんが実際いる所はにやりと笑って流されてしまった。
「俺が教えちゃうとね...ミスミ頑張れー」
気の抜けるような言葉とともにもちろん俺も付いてってあげるよ。なんて巫山戯た事を言う。
流石にここで意地を張ってしまうと、張った文だけ椿ちゃんに全て帰ると思うと意地も張ってられずため息をついた。
俺は教えられた場所へと全く頼りにならない仲間を連れて走っていった。
結局不良共は桃を迎え撃つことにしたらしく、そこら辺に落ちていた武器を各々拾い、ピリリとした空気を纏っている。こうなったら俺はもうなるようになるだけだと苦笑していると
ギィっと錆びた扉を開く音がして、また律儀に締める音がして桃が現れた。
流石に守ってきた存在にこんなふうに助けられるのは屈辱すら感じるが、それ以上に誇らしい気持ちで笑った。
「椿ちゃん!」
脇目も振らずにこちらにかけてこようとする桃を止めたのは、俺にとって意外な人物だった。
「飯田ァてめぇ...」
「まぁまぁ、落ち着いたら?
俺は味方。ヤバイ状況に陥った友達のためにやってきた正義の味方、好青年」
「どの口が抜かしやがる」
「あはは、どういう状態の人がそれを言っているんだい」
きりがなさそうな会話を舌打ちで適当に畳むと、不良がガーンっと柱を叩き睨みをきかせた。
「お前ら随分楽しそうだなぁ!?」
こういうことに慣れていない桃はびくつきながらも、俺の見様見真似だろうファイティングポーズを取っている。
飯田がそのドロドロした熱い闘気をすべて覚ますような冷たい声で喋り始めた。
「まぁ落ち着きたまえよ君たち。ナガシマもそう思うよねぇ?」
「あ?」
「ねぇー?」
もはや当人以外は何も出来ない。
不良共は張り詰めた空気を少しずつ緩め戸惑っている。桃は桃で不安そうにこちらを見やっている。
そんな桃に少し笑いかけ、また当人達に目を戻すと随分近い距離にいた。
「もう、俺の友達こんなふうにしちゃってー
すこしはその品のない手下共手懐けたらァ?俺が体くらい貸すよ?」
「てめぇが全部やったんだろうが」
「体に関しては何も無いの?」
「...てめぇが抱かれるようなタマかよ」
飯田に服を整えられているため、俺を挟んでこんな会話が続けられる。
「...?ナガシマ、抱いて欲しいの?」
ちょっと待ってほしいと級友を見やると、飯田はまたいつものような人を喰った笑みを浮かべた。
だが教えてもらえたのは結局「辺り」だけで、椿ちゃんが実際いる所はにやりと笑って流されてしまった。
「俺が教えちゃうとね...ミスミ頑張れー」
気の抜けるような言葉とともにもちろん俺も付いてってあげるよ。なんて巫山戯た事を言う。
流石にここで意地を張ってしまうと、張った文だけ椿ちゃんに全て帰ると思うと意地も張ってられずため息をついた。
俺は教えられた場所へと全く頼りにならない仲間を連れて走っていった。
結局不良共は桃を迎え撃つことにしたらしく、そこら辺に落ちていた武器を各々拾い、ピリリとした空気を纏っている。こうなったら俺はもうなるようになるだけだと苦笑していると
ギィっと錆びた扉を開く音がして、また律儀に締める音がして桃が現れた。
流石に守ってきた存在にこんなふうに助けられるのは屈辱すら感じるが、それ以上に誇らしい気持ちで笑った。
「椿ちゃん!」
脇目も振らずにこちらにかけてこようとする桃を止めたのは、俺にとって意外な人物だった。
「飯田ァてめぇ...」
「まぁまぁ、落ち着いたら?
俺は味方。ヤバイ状況に陥った友達のためにやってきた正義の味方、好青年」
「どの口が抜かしやがる」
「あはは、どういう状態の人がそれを言っているんだい」
きりがなさそうな会話を舌打ちで適当に畳むと、不良がガーンっと柱を叩き睨みをきかせた。
「お前ら随分楽しそうだなぁ!?」
こういうことに慣れていない桃はびくつきながらも、俺の見様見真似だろうファイティングポーズを取っている。
飯田がそのドロドロした熱い闘気をすべて覚ますような冷たい声で喋り始めた。
「まぁ落ち着きたまえよ君たち。ナガシマもそう思うよねぇ?」
「あ?」
「ねぇー?」
もはや当人以外は何も出来ない。
不良共は張り詰めた空気を少しずつ緩め戸惑っている。桃は桃で不安そうにこちらを見やっている。
そんな桃に少し笑いかけ、また当人達に目を戻すと随分近い距離にいた。
「もう、俺の友達こんなふうにしちゃってー
すこしはその品のない手下共手懐けたらァ?俺が体くらい貸すよ?」
「てめぇが全部やったんだろうが」
「体に関しては何も無いの?」
「...てめぇが抱かれるようなタマかよ」
飯田に服を整えられているため、俺を挟んでこんな会話が続けられる。
「...?ナガシマ、抱いて欲しいの?」
ちょっと待ってほしいと級友を見やると、飯田はまたいつものような人を喰った笑みを浮かべた。
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