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寮はじめての朝と桃花のスマホ
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朝陽で目が覚める。
引っ越してきて二日目の朝。
寮では初めての朝だ。
「ん……」
疲れていたので、すぐ眠りについたけど何か男の子と遊ぶ夢を見た気がする。
部屋のシャワーを浴びて、制服に着替えてヘルメット前髪、陰キャメガネをかける。
「シャンプー、いい香り。これでよし!」
セーラー服のリボンを整えて完成!
ダイニングへ行くと、大きな窓から太陽に照らされた朝の学園と街が見えた。
すごい景色に圧倒される。
「おはようございます。桃花お嬢様」
夕子がダイニングテーブルに、朝食を用意してくれていた。
朝食は和食か洋食どちらを選ぶか聞かれていたのだ。
桃花は和食を選んだ。
良いお味噌汁の香りがする。
「夕子さん、おはようございます。わぁいい香り! あの私は桃花で呼び捨てでいいですから……!」
お嬢様なんて呼ばれては困ってしまう!
「ふふ、何度も気にされて。承知しました。では桃花さんとお呼びいたします」
「はい! 私も何かお手伝いします!」
「ありがとうございます。でも朝は私にお任せください。さぁお席についてください。お味噌汁の味がお口に合うといいのですが」
「ありがとうございます! いただきます!」
「おっはよー桃、夕子さん。わぁい朝から美味しそう~!」
次に茜がダイニングに現れた。
茜にはクロワッサンやハムエッグが用意されている。
ニコニコ笑顔で桃花の隣に座った。
朝から友達と会えるなんて、修学旅行のようで嬉しい。
男子はまだ、誰も起きてこない。
「おはよ。ふわ~……ねむ……腹減った」
ワイシャツが半分はだけたような格好で、紅緒が現れた。
「うはよーーだりぃ~~」
ジャージ姿の柘榴も寝ぼけ眼だ。
「おはようございます」
辰砂はもう学ランをしっかり着ているが、やはり眠そうだ。
「おっはよ~~~やば……無理……休もうかな」
珊瑚はまだシルクのパジャマ姿。
苺はまだ眠っているとのことで、夕子が起こしに行った。
「みんな、おはよう」
「おはよう。桃花はしっかり起きてえらいな」
紅緒は用意されたポットからコーヒーを自分で注ぐ。
「えへへ昨日はぐっすり寝ちゃった」
「地味子に戻ってる! そっちの方がやっぱいいな。地味子は地味じゃねーと」
柘榴が笑いながら、トーストの用意された椅子へ座った。
「柘榴は少し女性の心理を学んだ方がいいな。姫、おはようございます」
辰砂は桃花をまっすぐに見つめて、挨拶をしてくれた。
「辰砂さん、おはようございます」
やはり姫呼びは続けるようだ。
辰砂も和食で、姿勢良く食べ始める。
「可愛い桃花ちゃんの顔見たら~~眠気も吹っ飛んだよ」
珊瑚はプロテインドリンクと、ササミとブロッコリーのサラダ。
「もしかして昨日、あれからみんなでゲームしてたの?」
「はは、バレた。俺の部屋でな」
桃花の隣の席に座った紅緒。
その前には和食も洋食も混ざった、山盛りの朝食が用意されていた。
紅緒と四天王達は本当に仲が良いようで、みんなで笑いながらの朝食時間だ。
「桃花これ」
紅緒が食べ始める前に、小さな箱を渡してくれた。
「これって、まさかスマホ?」
「そう、昨日渡せなくてごめん、やっと準備できたってさ」
「これ、私の? 私が使っていいの?」
「そうだ。自由に使ってくれ」
「あっありがとう!! 私、使い方がよくわからなくて」
村にいた時はキッズケータイだったので、スマホは持った事がない。
「まず、電話の掛け方を教えてやるから家に電話したらいい」
「うっ! うん!」
みんなにワイワイ教えてもらう。
「桃の待受け画面、みんなの写真にしよーよ!」
茜の言葉から紅緒と桃花が隣同士、周りに四天王と茜がワイワイする写真を夕子さんに撮ってもらった。
「わぁ、素敵」
そして、桃花は両親に電話をかけに部屋へ行く。
まだ家を出て数日だが、やっぱり嬉しい。
引っ越してきて二日目の朝。
寮では初めての朝だ。
「ん……」
疲れていたので、すぐ眠りについたけど何か男の子と遊ぶ夢を見た気がする。
部屋のシャワーを浴びて、制服に着替えてヘルメット前髪、陰キャメガネをかける。
「シャンプー、いい香り。これでよし!」
セーラー服のリボンを整えて完成!
ダイニングへ行くと、大きな窓から太陽に照らされた朝の学園と街が見えた。
すごい景色に圧倒される。
「おはようございます。桃花お嬢様」
夕子がダイニングテーブルに、朝食を用意してくれていた。
朝食は和食か洋食どちらを選ぶか聞かれていたのだ。
桃花は和食を選んだ。
良いお味噌汁の香りがする。
「夕子さん、おはようございます。わぁいい香り! あの私は桃花で呼び捨てでいいですから……!」
お嬢様なんて呼ばれては困ってしまう!
「ふふ、何度も気にされて。承知しました。では桃花さんとお呼びいたします」
「はい! 私も何かお手伝いします!」
「ありがとうございます。でも朝は私にお任せください。さぁお席についてください。お味噌汁の味がお口に合うといいのですが」
「ありがとうございます! いただきます!」
「おっはよー桃、夕子さん。わぁい朝から美味しそう~!」
次に茜がダイニングに現れた。
茜にはクロワッサンやハムエッグが用意されている。
ニコニコ笑顔で桃花の隣に座った。
朝から友達と会えるなんて、修学旅行のようで嬉しい。
男子はまだ、誰も起きてこない。
「おはよ。ふわ~……ねむ……腹減った」
ワイシャツが半分はだけたような格好で、紅緒が現れた。
「うはよーーだりぃ~~」
ジャージ姿の柘榴も寝ぼけ眼だ。
「おはようございます」
辰砂はもう学ランをしっかり着ているが、やはり眠そうだ。
「おっはよ~~~やば……無理……休もうかな」
珊瑚はまだシルクのパジャマ姿。
苺はまだ眠っているとのことで、夕子が起こしに行った。
「みんな、おはよう」
「おはよう。桃花はしっかり起きてえらいな」
紅緒は用意されたポットからコーヒーを自分で注ぐ。
「えへへ昨日はぐっすり寝ちゃった」
「地味子に戻ってる! そっちの方がやっぱいいな。地味子は地味じゃねーと」
柘榴が笑いながら、トーストの用意された椅子へ座った。
「柘榴は少し女性の心理を学んだ方がいいな。姫、おはようございます」
辰砂は桃花をまっすぐに見つめて、挨拶をしてくれた。
「辰砂さん、おはようございます」
やはり姫呼びは続けるようだ。
辰砂も和食で、姿勢良く食べ始める。
「可愛い桃花ちゃんの顔見たら~~眠気も吹っ飛んだよ」
珊瑚はプロテインドリンクと、ササミとブロッコリーのサラダ。
「もしかして昨日、あれからみんなでゲームしてたの?」
「はは、バレた。俺の部屋でな」
桃花の隣の席に座った紅緒。
その前には和食も洋食も混ざった、山盛りの朝食が用意されていた。
紅緒と四天王達は本当に仲が良いようで、みんなで笑いながらの朝食時間だ。
「桃花これ」
紅緒が食べ始める前に、小さな箱を渡してくれた。
「これって、まさかスマホ?」
「そう、昨日渡せなくてごめん、やっと準備できたってさ」
「これ、私の? 私が使っていいの?」
「そうだ。自由に使ってくれ」
「あっありがとう!! 私、使い方がよくわからなくて」
村にいた時はキッズケータイだったので、スマホは持った事がない。
「まず、電話の掛け方を教えてやるから家に電話したらいい」
「うっ! うん!」
みんなにワイワイ教えてもらう。
「桃の待受け画面、みんなの写真にしよーよ!」
茜の言葉から紅緒と桃花が隣同士、周りに四天王と茜がワイワイする写真を夕子さんに撮ってもらった。
「わぁ、素敵」
そして、桃花は両親に電話をかけに部屋へ行く。
まだ家を出て数日だが、やっぱり嬉しい。
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