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転校初日と衝撃的な出会い!
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桃花が一人でやってきた都会の街。
学園に登校した後に寮へと案内してもらえるという事で、昨日は一人で飛行機に乗ってホテルに泊まった。
今日はそのホテルからの登校だ。
本来なら入学式に合わせたいところだったが、自分と学園の都合で一週間後の転校生になってしまった。
「もうお友達って出来上がってそうだよね……馴染めるかなぁ」
両親に言われたままに地味子になった桃花は、都会を歩く。
昨日からの一人旅も心底疲れたし、ホテルから学園までは徒歩で行けると言われてもキョロキョロしてしまう。
「都会だな……はぁ……さびしい」
住んでいた田舎は家と家の間も畑や田んぼに囲まれて自然がいっぱいだった。
今は、マンションや店が連なる大きな街だ。
アスファルトの道路に沢山の車。
そこを歩くだけでも不思議な感じがするし、空気の悪さがまた気持ちを不安にさせる。
初日なので、まずは職員室へ行かなければならない。
田舎の少人数に慣れていた桃花は、初めての転校で巨大な学園に通うのはやはり不安が大きい。
「朱雀桃花です……朱雀桃花です……趣味は読書です……はぁ緊張するよ」
ぶつぶつ言いながら歩いている。
もうすぐ学園だ。
巨大な学園なので大きな門が見える。
学ランと紅いセーラー服で歩く生徒達。
これだけ人がいるのに一人ぼっちなのが、ますます寂しい。
しかし巨大な門に入る道路の前に、何やら犬の鳴き声のようなものが聞こえる。
「……なんの音?」
でも門の入り口で生徒に挨拶をする先生は何も気付いていない。
犬は門を通り越して、こっちへ走ってくる!?
飼い主はいない、野放しだ。
しかも、普通の犬じゃない!!
「ガルルルル……」
「えっ……?」
頭が巨大すぎて腐ってる!?
口には大きな牙があって、よだれがダラダラ。
恐ろしい化け物だ!?
桃花は後ずさるが、他のみんなはキャッキャ笑いながら校門へ向かう。
「えっ!? み、みんな……化け物だよ!! 逃げて!!」
みんなが桃花を見て、何を言ってるんだ? という顔をしている。
「(どうして、みんな平気な顔してるの!? あんな化け犬に噛まれたら死んじゃうよ!?)」
化け物犬はタタタタッと軽く走るように、こちらへ向かっていたのに桃花が存在に気付いた事を察知したのか、突然大きく吠えて走り出す……!
「きゃあ!?」
「ガルルル! ぎゃおおおおおおおお!!」
「いやぁ!!」
恐怖で足がガクガクして桃花は後ろにひっくり返る。
周りの生徒はまた笑ってるだけだ。
「ガルルルル!!」
「いやぁ!」
化け物犬が桃花に襲いかかった!
牙で引きちぎられ、血が吹き出す……ことはなく、目の前を紅い閃光が走った
「えっ……!?」
「朝からうるさいぞ……このワンコ野郎が!!」
なんと化け物犬の方が切り刻まれたのだ。
桃花の目の前に現れた少年が、手に持った刀で化け物犬を一瞬で十字に斬った!
少年の持つ刀がギラリと光り、化け物犬は黒い霧のようになって消えていく。
「きゃあ……ひっ」
振り返った少年は茶色の長めの前髪に、炎のように赤いメッシュがところどころ入っていた。
そして黒い瞳が一瞬、金色に光った。
桃花は震えが止まらない。
「大丈夫か?」
「ひぃい……」
少年は学ランを着ている。
でも、なんだか裾が異常に長い。
裾の裏地は派手な紅色。
「ほら、女子がひっくり返ってると……見えてっから」
「はっ!」
少年が少し目を背けて話しているのに気付いて、スカートを慌てて押さえる。
少年が刀を腰に差している鞘にしまうと不思議な事に刀自体が紅い霧のように飛散して消えてしまった。
「さ、起きろ」
同じ中学生? いや、そんな事より御礼を……と思っても声が出ない。
周りのみんなはやっぱり、誰も気づかない。
「あ、あ……ありあり……」
ありがとうと言いたいのに声にならない。
「あぁ災難だったな」
すごく強い力で引っ張られて、桃花は飛ぶようにして立ち上がる。
その時、繋いだ手が熱くなる!?
「熱っ……!」
「あっ……!?」
それと同時に桃花の左肩も燃えるように熱くなった。
「……つっ……」
熱いのは痣だ! と桃花は思う。
「……おまえ……」
じっと少年に見つめられる。
吸い込まれそうな大きな瞳がまた金色に見えた。
睫毛が長く、鼻筋も通って、美少年だ。
雄々しく、そして美しい。
強さのオーラが滲み出るような……。
あまりに眩しくて、目をそらした。
「えっ……? あ、あの……」
「……まぁいっか。これが偶然じゃなかったらまた縁もあるだろう」
少年は何もなかったように、背を向けて歩き出した。
「えっ……あっ……」
一瞬の出来事が、まるで夢のように思える。
「あなた、大丈夫~?」
後ろから、知らない女子に声をかけられた。
「え? あ、だ、大丈夫です」
「総長飛鳥様に話しかけられてたでしょ!?」
「そ、総長……!?」
「そうよ、この学園で知らない人はいない! 総長飛鳥! 総長の飛鳥様! 彼から話しかけられるなんてどういう関係なの!?」
「そうちょうあすか……?」
それが桃花と総長飛鳥との出逢いだった。
学園に登校した後に寮へと案内してもらえるという事で、昨日は一人で飛行機に乗ってホテルに泊まった。
今日はそのホテルからの登校だ。
本来なら入学式に合わせたいところだったが、自分と学園の都合で一週間後の転校生になってしまった。
「もうお友達って出来上がってそうだよね……馴染めるかなぁ」
両親に言われたままに地味子になった桃花は、都会を歩く。
昨日からの一人旅も心底疲れたし、ホテルから学園までは徒歩で行けると言われてもキョロキョロしてしまう。
「都会だな……はぁ……さびしい」
住んでいた田舎は家と家の間も畑や田んぼに囲まれて自然がいっぱいだった。
今は、マンションや店が連なる大きな街だ。
アスファルトの道路に沢山の車。
そこを歩くだけでも不思議な感じがするし、空気の悪さがまた気持ちを不安にさせる。
初日なので、まずは職員室へ行かなければならない。
田舎の少人数に慣れていた桃花は、初めての転校で巨大な学園に通うのはやはり不安が大きい。
「朱雀桃花です……朱雀桃花です……趣味は読書です……はぁ緊張するよ」
ぶつぶつ言いながら歩いている。
もうすぐ学園だ。
巨大な学園なので大きな門が見える。
学ランと紅いセーラー服で歩く生徒達。
これだけ人がいるのに一人ぼっちなのが、ますます寂しい。
しかし巨大な門に入る道路の前に、何やら犬の鳴き声のようなものが聞こえる。
「……なんの音?」
でも門の入り口で生徒に挨拶をする先生は何も気付いていない。
犬は門を通り越して、こっちへ走ってくる!?
飼い主はいない、野放しだ。
しかも、普通の犬じゃない!!
「ガルルルル……」
「えっ……?」
頭が巨大すぎて腐ってる!?
口には大きな牙があって、よだれがダラダラ。
恐ろしい化け物だ!?
桃花は後ずさるが、他のみんなはキャッキャ笑いながら校門へ向かう。
「えっ!? み、みんな……化け物だよ!! 逃げて!!」
みんなが桃花を見て、何を言ってるんだ? という顔をしている。
「(どうして、みんな平気な顔してるの!? あんな化け犬に噛まれたら死んじゃうよ!?)」
化け物犬はタタタタッと軽く走るように、こちらへ向かっていたのに桃花が存在に気付いた事を察知したのか、突然大きく吠えて走り出す……!
「きゃあ!?」
「ガルルル! ぎゃおおおおおおおお!!」
「いやぁ!!」
恐怖で足がガクガクして桃花は後ろにひっくり返る。
周りの生徒はまた笑ってるだけだ。
「ガルルルル!!」
「いやぁ!」
化け物犬が桃花に襲いかかった!
牙で引きちぎられ、血が吹き出す……ことはなく、目の前を紅い閃光が走った
「えっ……!?」
「朝からうるさいぞ……このワンコ野郎が!!」
なんと化け物犬の方が切り刻まれたのだ。
桃花の目の前に現れた少年が、手に持った刀で化け物犬を一瞬で十字に斬った!
少年の持つ刀がギラリと光り、化け物犬は黒い霧のようになって消えていく。
「きゃあ……ひっ」
振り返った少年は茶色の長めの前髪に、炎のように赤いメッシュがところどころ入っていた。
そして黒い瞳が一瞬、金色に光った。
桃花は震えが止まらない。
「大丈夫か?」
「ひぃい……」
少年は学ランを着ている。
でも、なんだか裾が異常に長い。
裾の裏地は派手な紅色。
「ほら、女子がひっくり返ってると……見えてっから」
「はっ!」
少年が少し目を背けて話しているのに気付いて、スカートを慌てて押さえる。
少年が刀を腰に差している鞘にしまうと不思議な事に刀自体が紅い霧のように飛散して消えてしまった。
「さ、起きろ」
同じ中学生? いや、そんな事より御礼を……と思っても声が出ない。
周りのみんなはやっぱり、誰も気づかない。
「あ、あ……ありあり……」
ありがとうと言いたいのに声にならない。
「あぁ災難だったな」
すごく強い力で引っ張られて、桃花は飛ぶようにして立ち上がる。
その時、繋いだ手が熱くなる!?
「熱っ……!」
「あっ……!?」
それと同時に桃花の左肩も燃えるように熱くなった。
「……つっ……」
熱いのは痣だ! と桃花は思う。
「……おまえ……」
じっと少年に見つめられる。
吸い込まれそうな大きな瞳がまた金色に見えた。
睫毛が長く、鼻筋も通って、美少年だ。
雄々しく、そして美しい。
強さのオーラが滲み出るような……。
あまりに眩しくて、目をそらした。
「えっ……? あ、あの……」
「……まぁいっか。これが偶然じゃなかったらまた縁もあるだろう」
少年は何もなかったように、背を向けて歩き出した。
「えっ……あっ……」
一瞬の出来事が、まるで夢のように思える。
「あなた、大丈夫~?」
後ろから、知らない女子に声をかけられた。
「え? あ、だ、大丈夫です」
「総長飛鳥様に話しかけられてたでしょ!?」
「そ、総長……!?」
「そうよ、この学園で知らない人はいない! 総長飛鳥! 総長の飛鳥様! 彼から話しかけられるなんてどういう関係なの!?」
「そうちょうあすか……?」
それが桃花と総長飛鳥との出逢いだった。
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