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甥視点

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「ああ……やっと叔父さんと一緒に暮らせる! 嬉しい、最高だ……!」

 一人になった部屋で、オレは悶絶していた。


 小さい頃から大好きな、貴治たかはる叔父さん。
 背が高くて筋肉ムキムキで、いつも優しい叔父さんに対して、性的な欲求を抱いていると自覚したのは、中学を卒業する年のことだった。
 正月に帰省してきたという叔父さんは、爺ちゃんや父さんたちとドンチャン騒ぎをして疲れたのか、コタツで眠ってしまっていた。
 起こさないと風邪をひいてしまうと思い、身体を揺すろうと肩に触れようとした瞬間。
「あちぃ……」と寝言を言いながら、寝返りを打った叔父さんが、シャツの中に手を入れて、ボリボリとお腹を掻きはじめた。
 シャツが大胆に捲れたせいで、バキバキに割れた腹筋が丸見えになっている。
 広い襟ぐりの隙間からは、逞しい胸筋も見えていて、腕を動かすたびに寄ったり離れたりしている。まるで谷間を作っているみたいだった。
 お酒を飲んだ上に、コタツで暖まったからか、少し汗ばんだ叔父さんの頬っぺたは赤くなっている。それがとてつもなくエロいものに見えてしまった。
 オレは叔父さんを起こせないまま、自分の部屋へ急いで戻り、叔父さんのエロい姿を妄想して抜いてしまった。
 それ以来、叔父さんに会うのが気まずくなってしまった。
 翌年から、叔父さんが帰省してきても、何かしら理由をつけて一緒に過ごさないようにしてきた。

 だが、オレが高三になった春のこと。
 叔父さんは三十五歳を過ぎて、結婚相手はおろか、恋人もいないという。
 それを心配した爺ちゃんと婆ちゃんが、叔父さんの見合い話を検討しているみたいだと、父さんと母さんが話しているのを聞いてしまった。
 大好きな貴治叔父さんが、どこの誰とも知れない女の人と一緒になるなんて耐えられない。
 そう思ったオレは、東京の大学に進学することを決めて、少しでも叔父さんの近くにいられるようにしたいと思ったのだ。
 授業を聞いていれば、テストなど問題ないくらいの成績であるため、受験も難なくクリアした。
 初めての一人暮らしは不安だと、最もらしい理由をつけて、父さんと母さんの説得にも成功した。
 それとほぼ同時期に、大学側の手違いで、学生寮の部屋が用意できなかったという連絡が入る。
 本当ならミスが起こってショックを受けるところだろうが、この時のオレにとっては好都合だ。
 こうして、貴治叔父さんとの同居生活が始まった。





「叔父さん、もう寝ちゃったかな? ちょっとだけ覗いちゃお」

 叔父さんの部屋のドアを少し開けると、ベッド脇に置いてある間接照明の淡い灯りに照らされた、叔父さんの寝顔が見えた。
 電気を消し忘れたのか、それとも明るくないと寝られないのか、どちらにしても可愛らしい。
 寝ていることを確認して、そのままそっと部屋に入る。さらに近い距離で、叔父さんの寝顔を見ることにした。

「くぅ……! 叔父さんかわいい……っ」

 普段より少し若く見える寝顔は、とても可愛らしい。大きな声を出さなかった自分を褒めてやりたい。
 人間というものは欲が深い。
 起きないなら、もっと大胆になってもいいのでは?と思ってしまい、掛け布団をそっと捲る。

「うああ叔父さん、これはエロいって……!」

 叔父さんは、ピチピチのTシャツに、ボクサーパンツ一枚という姿で寝ていた。
 胸も、ちんこも、くっきりはっきり見えてしまっている。むしろ裸よりもエロい気さえしてくる。

 何だこれ何なんだこれ!もうこれは触ってくれって言ってるようなもんだろう!と、理性を手放してしまったオレは、両手で逞しい胸筋を思いきり鷲掴みにしてしまった。

「ん……、っ、んん? 聡二……?」
「おおおおじさん!! あの、そのこれは……!」

 鷲掴みにしてしまった振動で、叔父さんが目を覚ましてしまった。
 言い逃れのできない状況で、慌てふためく俺に、叔父さんは予想外の言葉を投げかけてきた。

「はは~……さてはホームシックにでもなったか? でももう大学生になるんだし、さすがにおっぱいは無いだろ」

 はははと笑う叔父さんは、今の俺の行動が、実家を出た寂しさからくるものだと思ったらしい。
 オレのことどれだけ子どもだと思ってるんだと思いつつも、とりあえず今は何とかやり過ごせそうだ。

「そ、そうかもしれない! 叔父さんごめん! オレもう寝るね、おやすみ!」
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