7 / 61
初めての殺人
しおりを挟む
一人、車を取りに来た金子亮太(かねこりょうた)はとにかく後悔していた。
なぜかというと、屋上から見た時はあれほど近くに見えていたはずなのだが、行けども行けども車が見当たらないのだ。
無理にでも行くつもりで言った事だったがあっさりと受け入れられて張り切って来ただけに『やっぱりやめた~』なんて恥ずかしくて言えない。
「チキショーなんで無いんだよ~」
丘を登りきったところで車を見つけた。
「やったー。俺ってついてる~。」
車まで走っていき、乗り込もうとした時、茂みの方から声が聞こえた。
「ヤバッ。誰か来た!」
あわてて乗り込むとドアをゆっくりと閉めるとロックをする。
鍵は差しっぱなしのためエンジンさえかければ動き出せる。
それから外の様子をこっそりと眺めているとこちらに気付いたのか近寄ってきた。
車内にあった毛布をすっぽり被ってやり過ごそうと考えていた。
「ラッキー。こんなところに車があんじゃん。乗ってこーぜ?」
「いいね~。あれ?開かねーぞ?」
「鍵かってあんじゃねー?」
外では3人の声がする。クラスメートではない。ということは知らない人間ということだ。
もし、知っている人なら今出ていってもいいのだが、知らない人間となると話は違ってくる。
中を覗きこんでいるのか窓が激しく叩かれている。
「おい、鍵は中にあるみてーだし窓を叩き割るか?」
「一回こういうこと、やってみたかったんだ~」
「それじゃーさー。車で人を轢くのもありなんじゃねー?」
「いいねー、ここならなにやっても犯罪にならねーしな?」
「俺もやらせろよ~」
「まずはこれを割るか!」
「拳銃で撃てばいいだろ?」
「ちげーねー」
雲行きが怪しくなってきた。このままだとここにいることがばれると危険な気がしてきた金子亮太はこっそりと腕を伸ばし鍵をひねってエンジンをつける。
エンジンがついた瞬間周りでどよめきが漏れたがそんな事気にしてられない。
一気に毛布をはねのけると一気にアクセルを踏んで前に前進した。
「このまま皆のところに・・・」
さっき拳銃って言ってなかったか?このまま皆のところにあいつらを誘き寄せていいのか?
迷ったあげく金子亮太はUターンをしてやつらに向かって突撃した。
武器は持ってない。でも車は鉄の塊である。
突進されて無事でいられる訳がない。前から銃声が鳴り響くが カキーン。
という音がしてボディに跳ね返っている。
これなら行ける。心はドキドキが止まらずそれでもハンドルをしっかりと握りしめ、まずは一人目に体当たりをかました。ドンッ。 っという鈍い音とハンドルに衝撃が伝わる。
引いただけでなく引きずっている!!
その現実に怖くなってきた。でも、まだ二人いる。
もし、ここで車を止めようものなら復讐される。
殺さなきゃ。と頭の中で声が聞こえた気がした。
何度も追い回して、二人目を突き飛ばすと、今度は動かなくなった。
あと一人。するとその一人は、もと来た茂みの方へ逃げていってしまった。
さすがに車で追う気にはなれなかった。
一旦車を降りると殺したであろう二人を見に行った。
一人は引きずられたせいか体が千切れていた。
金子亮太はその場で吐き気を催して胃液と共に吐き出した。
もう一人はまだ生きていた。動けないが生きてはいる。
腰には拳銃がホルダーにぶら下がっていた。
「苦しませてごめん。きっと死ねば元の世界に帰れるから」
ホルダーごとはずすと拳銃の引き金を引いた。
高い音がその場にこだました。
車に乗り込むと皆のところにいそいだ。
見られているとも知らずに、まっすぐにショッピングモールへと。
なぜかというと、屋上から見た時はあれほど近くに見えていたはずなのだが、行けども行けども車が見当たらないのだ。
無理にでも行くつもりで言った事だったがあっさりと受け入れられて張り切って来ただけに『やっぱりやめた~』なんて恥ずかしくて言えない。
「チキショーなんで無いんだよ~」
丘を登りきったところで車を見つけた。
「やったー。俺ってついてる~。」
車まで走っていき、乗り込もうとした時、茂みの方から声が聞こえた。
「ヤバッ。誰か来た!」
あわてて乗り込むとドアをゆっくりと閉めるとロックをする。
鍵は差しっぱなしのためエンジンさえかければ動き出せる。
それから外の様子をこっそりと眺めているとこちらに気付いたのか近寄ってきた。
車内にあった毛布をすっぽり被ってやり過ごそうと考えていた。
「ラッキー。こんなところに車があんじゃん。乗ってこーぜ?」
「いいね~。あれ?開かねーぞ?」
「鍵かってあんじゃねー?」
外では3人の声がする。クラスメートではない。ということは知らない人間ということだ。
もし、知っている人なら今出ていってもいいのだが、知らない人間となると話は違ってくる。
中を覗きこんでいるのか窓が激しく叩かれている。
「おい、鍵は中にあるみてーだし窓を叩き割るか?」
「一回こういうこと、やってみたかったんだ~」
「それじゃーさー。車で人を轢くのもありなんじゃねー?」
「いいねー、ここならなにやっても犯罪にならねーしな?」
「俺もやらせろよ~」
「まずはこれを割るか!」
「拳銃で撃てばいいだろ?」
「ちげーねー」
雲行きが怪しくなってきた。このままだとここにいることがばれると危険な気がしてきた金子亮太はこっそりと腕を伸ばし鍵をひねってエンジンをつける。
エンジンがついた瞬間周りでどよめきが漏れたがそんな事気にしてられない。
一気に毛布をはねのけると一気にアクセルを踏んで前に前進した。
「このまま皆のところに・・・」
さっき拳銃って言ってなかったか?このまま皆のところにあいつらを誘き寄せていいのか?
迷ったあげく金子亮太はUターンをしてやつらに向かって突撃した。
武器は持ってない。でも車は鉄の塊である。
突進されて無事でいられる訳がない。前から銃声が鳴り響くが カキーン。
という音がしてボディに跳ね返っている。
これなら行ける。心はドキドキが止まらずそれでもハンドルをしっかりと握りしめ、まずは一人目に体当たりをかました。ドンッ。 っという鈍い音とハンドルに衝撃が伝わる。
引いただけでなく引きずっている!!
その現実に怖くなってきた。でも、まだ二人いる。
もし、ここで車を止めようものなら復讐される。
殺さなきゃ。と頭の中で声が聞こえた気がした。
何度も追い回して、二人目を突き飛ばすと、今度は動かなくなった。
あと一人。するとその一人は、もと来た茂みの方へ逃げていってしまった。
さすがに車で追う気にはなれなかった。
一旦車を降りると殺したであろう二人を見に行った。
一人は引きずられたせいか体が千切れていた。
金子亮太はその場で吐き気を催して胃液と共に吐き出した。
もう一人はまだ生きていた。動けないが生きてはいる。
腰には拳銃がホルダーにぶら下がっていた。
「苦しませてごめん。きっと死ねば元の世界に帰れるから」
ホルダーごとはずすと拳銃の引き金を引いた。
高い音がその場にこだました。
車に乗り込むと皆のところにいそいだ。
見られているとも知らずに、まっすぐにショッピングモールへと。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
異世界×お嬢様×巨大ロボ=世界最強ですわ!?
風見星治
SF
題名そのまま、異世界ファンタジーにお嬢様と巨大ロボを混ぜ合わせた危険な代物です。
一応短編という設定ですが、100%思い付きでほぼプロット同然なので拙作作品共通の世界観に関する設定以外が殆ど決まっておらず、
SFという大雑把なカテゴリに拙作短編特有の思い付き要素というスパイスを振りかけたジャンクフード的な作品です。
サイバーパンクの日常
いのうえもろ
SF
サイバーパンクな世界の日常を書いています。
派手なアクションもどんでん返しもない、サイバーパンクな世界ならではの日常。
楽しめたところがあったら、感想お願いします。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
冬に鳴く蝉
橋本洋一
SF
時は幕末。東北地方の小さな藩、天道藩の下級武士である青葉蝶次郎は怠惰な生活を送っていた。上司に叱責されながらも自分の現状を変えようとしなかった。そんなある日、酒場からの帰り道で閃光と共に現れた女性、瀬美と出会う。彼女はロボットで青葉蝶次郎を守るために六百四十年後の未来からやってきたと言う。蝶次郎は自身を守るため、彼女と一緒に暮らすことを決意する。しかし天道藩には『二十年前の物の怪』という事件があって――
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる