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11話 事後承諾
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少し勉強に集中するつもりで部屋に篭ったが、気づいたら
9時を過ぎていた。
小腹も空いてきたのでそのままキッチンへと降りると、そ
こにはまどかさんと、父がいた。
「やっと降りてきたか?」
「……別に」
横を通り過ぎて冷蔵庫へといく。
飲み物を出すとおかずをレンジにかけた。
心配そうなまどかさんの視線に、このままではいけない事
を知ると、向き合う事にする。
「僕は二人の再婚に反対はないよ。好きにしていいと思う
よ。母さんが死んでもう5年も経ってるしね…」
「歩夢くん……」
「歩夢、お前……」
「あとは郁也兄さんと美咲に聞けば?」
「郁也くんと美咲にも了解はもらっているんだ。それとだな
……」
「ん?」
「もう、婚姻届け出して来たんだ…」
「はぁ?」
「ごめんなさいね。もちろん了解を得てからって思ったのよ?」
「そうだぞ、一応紹介して印象がわるければ、何度でも説得す
るつもりだったんだ」
「結局は僕らの意見は必要なかったってわけ?」
「そんな事はないぞ。ただ、説得するつもりでいたんだ」
隣でこくこくと頷くまどかさんに、我が父ながら呆れる。
まぁ、本気だって事はわかってたし、反対する気はなかった。
ただ、気になる事といえば……美咲の兄へと感情と郁也兄さん
のあの言葉だった。
「まぁ、いいよ。」
「食べ終わったら片付けて置くから流しにおいておいて」
まどかさんの気遣いは嬉しいけど、そうもいかない。
やっぱりやれる事は自分でやるのが歩夢なのだ。
「食べた分は自分で洗うからいいよ。風呂は終わったの?」
「あぁ、あとは歩夢と郁也くんだけだ」
「そう、なら、先に入らせてもらおっかな」
食事を終えて片付け終わると、着替えを持って風呂場へ
と向かった。
今日は出かけていたせいで洗濯物も畳んでいなかった。
多分美咲も勝手に自分の分を持って行ったのだろう。
中に入るとシャンプーが下に置きっぱなしになっている。
所定の棚に置くと、自分の使う分だけ取る。
前に入ったのはきっと美咲だろう。
やりっぱなしの上に、下に置いてあるので危なっかしい。
「あいつまた出しっぱなしか……」
兄が一人増えたわけだけど、女らしくなるわけでもなさ
そうだった。
日曜日には引っ越し業者が来て、荷物を運び込んだ。
父とまどかさんの部屋は一階の仏陀の部屋の横に。
そして2階の空き部屋に郁也兄さんが入る事になった。
一番奥が美咲の部屋でその手前が空き部屋、そして階段
のそばが歩夢の部屋となっていた。
「ねぇ、ちょっといい?」
「なんですか?」
「なんで2階の真ん中の部屋は使わなかったの?一番広い
みたいだけど?」
郁也兄さんの言いたい事はわからなくもない。
最初は広い部屋で美咲と揉めたが、すぐに二人とも両端
の部屋がいいとなったからだ。
「それは……ちょっと…」
「郁也お兄ちゃん、どうしたの?何か聞きたい事あるの?
私になんでも聞いて~」
「うん、大丈夫だよ。俺の部屋が一番広いなって思ってね。
歩夢くんの部屋は日当たりも悪いし、いいのかな~って」
「なんで知って……」
「それは、この前美咲ちゃんが…」
「あーーー!!お兄ちゃんはいいじゃん!家族なんだし部
屋ちょっと覗いただけでしょ?別にいいでしょ?いつも
私の部屋に勝手に入ってくるんだし……」
「それは美咲が起きないからだろ?……勝手に入るなって前
にも言っただろ?」
「煩いな~、本当にお母さんみたいに煩い事言わないでよ~
これじゃお兄ちゃんじゃなくて、小姑じゃん!」
「………」
「美咲ちゃん言い過ぎだよ?」
黙ったままの歩夢を見かねたのか、郁也が口を挟む。
けれど美咲は気にもしなかった。
「そうかよ、だったら、朝も自分で起きろよ!もう起こさ
ねーし。それに弁当もまどかさんに頼めばいいだろ?」
歩夢はそう言い放つと部屋に入って鍵を閉めた。
9時を過ぎていた。
小腹も空いてきたのでそのままキッチンへと降りると、そ
こにはまどかさんと、父がいた。
「やっと降りてきたか?」
「……別に」
横を通り過ぎて冷蔵庫へといく。
飲み物を出すとおかずをレンジにかけた。
心配そうなまどかさんの視線に、このままではいけない事
を知ると、向き合う事にする。
「僕は二人の再婚に反対はないよ。好きにしていいと思う
よ。母さんが死んでもう5年も経ってるしね…」
「歩夢くん……」
「歩夢、お前……」
「あとは郁也兄さんと美咲に聞けば?」
「郁也くんと美咲にも了解はもらっているんだ。それとだな
……」
「ん?」
「もう、婚姻届け出して来たんだ…」
「はぁ?」
「ごめんなさいね。もちろん了解を得てからって思ったのよ?」
「そうだぞ、一応紹介して印象がわるければ、何度でも説得す
るつもりだったんだ」
「結局は僕らの意見は必要なかったってわけ?」
「そんな事はないぞ。ただ、説得するつもりでいたんだ」
隣でこくこくと頷くまどかさんに、我が父ながら呆れる。
まぁ、本気だって事はわかってたし、反対する気はなかった。
ただ、気になる事といえば……美咲の兄へと感情と郁也兄さん
のあの言葉だった。
「まぁ、いいよ。」
「食べ終わったら片付けて置くから流しにおいておいて」
まどかさんの気遣いは嬉しいけど、そうもいかない。
やっぱりやれる事は自分でやるのが歩夢なのだ。
「食べた分は自分で洗うからいいよ。風呂は終わったの?」
「あぁ、あとは歩夢と郁也くんだけだ」
「そう、なら、先に入らせてもらおっかな」
食事を終えて片付け終わると、着替えを持って風呂場へ
と向かった。
今日は出かけていたせいで洗濯物も畳んでいなかった。
多分美咲も勝手に自分の分を持って行ったのだろう。
中に入るとシャンプーが下に置きっぱなしになっている。
所定の棚に置くと、自分の使う分だけ取る。
前に入ったのはきっと美咲だろう。
やりっぱなしの上に、下に置いてあるので危なっかしい。
「あいつまた出しっぱなしか……」
兄が一人増えたわけだけど、女らしくなるわけでもなさ
そうだった。
日曜日には引っ越し業者が来て、荷物を運び込んだ。
父とまどかさんの部屋は一階の仏陀の部屋の横に。
そして2階の空き部屋に郁也兄さんが入る事になった。
一番奥が美咲の部屋でその手前が空き部屋、そして階段
のそばが歩夢の部屋となっていた。
「ねぇ、ちょっといい?」
「なんですか?」
「なんで2階の真ん中の部屋は使わなかったの?一番広い
みたいだけど?」
郁也兄さんの言いたい事はわからなくもない。
最初は広い部屋で美咲と揉めたが、すぐに二人とも両端
の部屋がいいとなったからだ。
「それは……ちょっと…」
「郁也お兄ちゃん、どうしたの?何か聞きたい事あるの?
私になんでも聞いて~」
「うん、大丈夫だよ。俺の部屋が一番広いなって思ってね。
歩夢くんの部屋は日当たりも悪いし、いいのかな~って」
「なんで知って……」
「それは、この前美咲ちゃんが…」
「あーーー!!お兄ちゃんはいいじゃん!家族なんだし部
屋ちょっと覗いただけでしょ?別にいいでしょ?いつも
私の部屋に勝手に入ってくるんだし……」
「それは美咲が起きないからだろ?……勝手に入るなって前
にも言っただろ?」
「煩いな~、本当にお母さんみたいに煩い事言わないでよ~
これじゃお兄ちゃんじゃなくて、小姑じゃん!」
「………」
「美咲ちゃん言い過ぎだよ?」
黙ったままの歩夢を見かねたのか、郁也が口を挟む。
けれど美咲は気にもしなかった。
「そうかよ、だったら、朝も自分で起きろよ!もう起こさ
ねーし。それに弁当もまどかさんに頼めばいいだろ?」
歩夢はそう言い放つと部屋に入って鍵を閉めた。
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