君と共に在りたい

秋元智也

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俺は誰?

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体を起こすとポンッと人の姿になる。
寛貴の頬に手を当ててじっと見つめる。
「拓実ってやつのこと本気で好きだったのか?」
「・・・・・」
沈黙で何となくわかる。ずっと見てきたから。
「なんで俺にその名前をつけたんだよ」
「拓実だから?」
「意味わかんねーよ」
そっと寛貴に抱き締められると寛貴の匂いに包まれて安心している自分がいた。
どうしてだろう?初めての時もそうだったように思える。
「信じないかも知れないけど。拓実を見つけたと思ったから」
「間違っててもかよ」
「間違ってないよ。間違えるはずがないんだ」
「俺は人間じゃねーし」
フッと笑われた気がした。
「俺の直感がそういった気がしたんだよ。でも、今でも間違ってないって思ってる。魂は拓実のものだよ」
「昔から男に走るなんて、変態としか思えねーぞ」
「やだなー拓実だけだよ」
チュッと額にキスを落とすと首筋に伝っていく。体も大分回復してそろそろお腹が空いてきていた。
「変なやつ。あの時。奥の部屋見たんだろ?」
「見たよ。四人共に亡くなってたね。あんなに幸せそうに死ねるなら俺もそうして欲しいなー」
起き上がり殴りつけた。
「ばっかじゃねーの。俺をまた一人にすんのかよ」
涙が溢れてくる。どうして泣いてるんだろう?でも、止まらない。
こんなに寛貴の事が大事に思えるようになっていたなんて思わなかった。
これはホントに俺の感情なんだろうか?
たまに他の、誰かの感情に引っ張られるときがある。
それがなんなのかはわからないが、今は自分の素直な感情だと信じたい。
「俺は、寛貴のこと殺したくはない」
「わかってるよ。拓実を置いて死なないよ。死ぬときは、、、、今度こそ一緒だ」
頭を抱き寄せられ口づけされる。優しくて、切ない味。
体を重ねるとその温もりに身を任せ目を瞑った。
自分は一体なんなのだろう?
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