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死病
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4人は森の奥へ奥へと入っていくとだんだんと違和感を感じ始めていた。
見た目と違って奥が深いのだ。違う、感覚が鈍ってきているのだ。
迷わないように確認して印を刻みながら進んでいるのに、全く進んだ気がしない。
先ほど仲間の一人が休憩中に一人で先を見に行ったがそれ以降帰ってこない。
離れるべきじゃなかったか?軽く舌打ちをすると残りの2人と共に先へ進んでいく。
「いい香りがしますねー」
「確かに、花の香りですね」
「何の事だ?」
正嗣には全くわからない。ただの森の臭いにしては余りにも籠ったような嫌な雰囲気しかなく、2人のいう香りはさっぱりわからなかった。
「ちょっと用を足してきます」
そう言って一人が茂みに入っていった。
「あまり離れるなよ!」
「わかってやすよ」
そして10分たっても、戻っては来なかった。
「一体どうなってるんだ?ここは。」
イライラしだしていた。こんなはずではなかったと思っても後の祭りである。
「悪かったな」
「いやだな。謝らないでください。俺達が選んだ事っすから」
「それにしてもどうなってるんだ❗くそっ。」
怒鳴り付けた時、微かに銃声の音がした。
これは寛貴に間違いない。音をたどろうと立ち上がった。すると連れの男は なかなか立ち上がらない。
不思議に思って覗き込むと顔面蒼白になって震えだした。
「いったいどうしっ、、、!!」
「すいません。俺、ダメかもしれないです」
腕を見つめて硬直する仲間を見てあぜんとなった。そこには黒い痣が出来ていたのだ。それも、少しずつ侵食されていっている。こんなに早くに進行するなど聞いたことがなかった。目の前で起きていることが悪い夢であってほしいと願った。理不尽な現実に憤りを感じた。
「一思いにお願いします」
「しかし、まだ、、、」
「もう、助かりません。それに進行が聞いていたより速いんです。正嗣さんが無事でよかったっす」
「すまん。巻き込んでしまって」
正嗣は一思いに、苦しまずに済むように一瞬で楽にしたのだった。
「いったいどうなってやがるんだ❗ちゃんと説明してもらうぞ寛貴ぁー」
見た目と違って奥が深いのだ。違う、感覚が鈍ってきているのだ。
迷わないように確認して印を刻みながら進んでいるのに、全く進んだ気がしない。
先ほど仲間の一人が休憩中に一人で先を見に行ったがそれ以降帰ってこない。
離れるべきじゃなかったか?軽く舌打ちをすると残りの2人と共に先へ進んでいく。
「いい香りがしますねー」
「確かに、花の香りですね」
「何の事だ?」
正嗣には全くわからない。ただの森の臭いにしては余りにも籠ったような嫌な雰囲気しかなく、2人のいう香りはさっぱりわからなかった。
「ちょっと用を足してきます」
そう言って一人が茂みに入っていった。
「あまり離れるなよ!」
「わかってやすよ」
そして10分たっても、戻っては来なかった。
「一体どうなってるんだ?ここは。」
イライラしだしていた。こんなはずではなかったと思っても後の祭りである。
「悪かったな」
「いやだな。謝らないでください。俺達が選んだ事っすから」
「それにしてもどうなってるんだ❗くそっ。」
怒鳴り付けた時、微かに銃声の音がした。
これは寛貴に間違いない。音をたどろうと立ち上がった。すると連れの男は なかなか立ち上がらない。
不思議に思って覗き込むと顔面蒼白になって震えだした。
「いったいどうしっ、、、!!」
「すいません。俺、ダメかもしれないです」
腕を見つめて硬直する仲間を見てあぜんとなった。そこには黒い痣が出来ていたのだ。それも、少しずつ侵食されていっている。こんなに早くに進行するなど聞いたことがなかった。目の前で起きていることが悪い夢であってほしいと願った。理不尽な現実に憤りを感じた。
「一思いにお願いします」
「しかし、まだ、、、」
「もう、助かりません。それに進行が聞いていたより速いんです。正嗣さんが無事でよかったっす」
「すまん。巻き込んでしまって」
正嗣は一思いに、苦しまずに済むように一瞬で楽にしたのだった。
「いったいどうなってやがるんだ❗ちゃんと説明してもらうぞ寛貴ぁー」
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