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第三十話 本音

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女の身体は男と違ってちんこもなければ前立腺などない。
だがどう言うわけかは分からないが尻の奥にしこりがあった。

元は男だったからか、そこを擦ってやると色っぽく乱れた。
そこにはかつての姿が重なって見えてきた。

細いがちゃんと筋肉のついた男の春樹の姿が…。
触ると柔らかい女性の身体なのに、椎名には重なって見えていたのだ。

「春ッ…ごめん、許さなくてもいい。だから…愛してるんだ…」
「しい…なっ…あぁ、やめっ…んっ、あんっ!」

何度も突き上げると激しく揺さぶられ胸が揺れる。
舐めてやると感じるのかナカが一気に締め付けてきた。
数回繰り返すと、中に果てていた。
さっきまでの震えも治まり、落ち着いたようにベッドに寝転がっている。
桶に水を張ると部屋へと持ってきた。

「春…身体拭こうか?ごめん、中のも掻き出すからッ…」
「…」

何も言わない春の身体を優しく拭いていく。
拭かれても、逃げようとしないしされるがままになっていた。

「どこか痛い?起き上がれそう?」
「…」

何を聞いても返事は返ってこなかった。

「ごめん…でも、他の男にあんな事言わせたくないんだけど?」
「椎名…さっきのほんと?」
「さっきのって…どう言う事?俺は…」
「ッ…それは…」

気まずそうな顔でベッドの横に座ると俯いた。

「俺さ~椎名と一緒にいてすっごく楽しかったんだ…ここに来て余計に
 思うようになってさ~…俺も椎名の事好きだよ。きっとそのせいでこ
 っちの世界来た時に性別変わっちゃったのかな~?/////」
「春…本当に?俺は春の初めて貰っていいの?」
「もう、後ろの初めて奪ったくせにッ…いいよ。全部椎名で埋め尽くし
 てよ…俺を椎名のモノにして…」

抱きつくと腰が痛いのを我慢して身体を預ける。
少し意識を失っていた時間はあったが、それでも連続での交わりは体力
を要する。

椎名は抱きしめるとそのまま横になり、ただ抱きしめたまま瞼を閉じた。

「今はこのままいさせて…ずっと抱きたかったんだ…男とか女とか関係
 ない…春だから抱きたいんだ。」
「っ…恥ずかしい奴。もう離すなよ…俺はどんな戦場でも椎名の横にい
 たいんだ。置いていかれるのは御免だよ」
「あぁ、もう絶対に置いていかない。春が居なくなって後悔したんだ。
 側に置いておけばよかたって…」

互いの熱を感じると疲れた身体はすぐに眠りへとついた。
裸のままくっつくように眠っていた。

朝になるとドアを何度もノックする音が響いた。

「おーーぃ!春樹~椎名くーん!」
「…んっ?」

眠そうに起き上がる春樹にシーツをかぶせたまま椎名はズボンだけ履くと鍵を
開けた。

「何のようだ?」
「昨日はお楽しみだったかなって?春樹いる?」
「今は無理だ。後にしてくれ。それともう春の事は俺が何とかするから帰っ
 て貰っていいから…」
「いやいやいや、俺も一緒に入れて欲しいんだ。」
「は?」

天野の話では、獣王国で召喚されて戦争へと何度も駆り出されたらしい。
でも、実際は人を殺してばかりで帰れる見込みがないところに、たまたま春樹
を見つけたらしい。
同じ日本から来た人間なので連れ帰ったと言っていた。

「あんたらはさ~魔王を討伐する為に呼ばれたんだろ?なら俺もそれを手伝っ
 たら帰れるんじゃねーかなって…もう人殺しばっかりは嫌なんだよ」
「それはこっちも分からん。だが、皇女がそう言っていたからってだけで…」
「それでも、希望があるなら連れてってくれよ!春樹とも仲良いんだぜ?俺…」

椎名は少しむっとすると了承したらしい。

春樹が出てくると天野は嬉しそうに春樹を抱きしめていた。
すぐに椎名が引き剥がすと油断も隙もなかった。

「椎名って結構嫉妬深い?」
「ははっ、そうかもね~。」
「もう椎名のお手つきって事かぁ~、処女消失おめでとう」
「あ…いやっ…それが…」
「ん?」

天野のニヤけた顔が一瞬で呆れた顔へと変わった。

媚薬を盛られて、ヤったと思っていたが、尻を使ったと言うのだ。
それは男同士でやる時はそれでいいが、女なら入れる場所がもう一個あるだろう
に、なぜか椎名は使わなかったと言う。

それと不思議な事に前立腺で感じたと言うのだ。
中はもしかしたら男の部分もあるのかもしれなかった。

「だからおっぱい小さいのかなぁ~?」
「それは…残念だったな?でも、椎名なら気にしないだろ?尻使うって事は男でもい
 いって事だろ?」
「なんで知ってるんだ?俺ら、両思いだったらしいんだ」
「そっか、よかったな?俺は聖女様でも落とそっかな~」

ニヤッと笑うと天野は春樹にドヤ顔を見せた。
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