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聖剣と聖女と聖木と
15話 善意ではない何か
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ハイドはアスラに依頼した体液を受け取ると早速
実験に没頭した。
そして、日が昇った頃、やっと手をとめた。
「これは………すごい成果だ」
魔力が薄かったルイスに魔力を補助する為の魔道
具を渡した。
それがただの善意からではない。
魔力が全身に回れば体液にも微量だが聖なる力が
宿るはずだと仮説を立てた。
それをこの前作ったキメラに与えてみる。
成長度合いを調べるつもりでハイド自身の魔力も
与えてみたのだ。
すると、一気に成長が加速してそれだけじゃなか
った。
姿、形さえもミニだった時より、凛々しくなった。
これ以上成長してしまうと学校の校舎の中では飼
えなくなるほどに急成長を遂げてしまうのだった。
裏の山奥に場所を移動すると取って来てもらった
ルイスの体液を与え続けた。
たったそれだけで、今まで立てていた仮説が完全
に現実のものとなった。
キメラを使って古代生きていたドラゴンを再現す
る。
それがハイドの実験だった。
その為にどれほどの年月を費やしてきたか。
昔に生きていたとされるドラゴンの骨の化石から
血肉を再現する為にどれほど苦労したことか。
里の皆には変人と罵られ、家族からも軽蔑された。
そして里を捨てて人間達に紛れながら実験を繰り
返した。
その成果がやっと出たのだ。
「ルイス、君は最高だ。これは誰もなし得なかっ
た功績だ!」
ドラゴンが死滅してから、もう何百年も経つ。
昔はドラゴンの脅威から、人間達も他の種族と手
を取る事もあったと聞く。
が、最後のドラゴンが死滅してから今度は種族間
で争うようになった。
そして、万能薬として用いられていた奇跡の霊薬
が作れなくなったのはこの頃からだという。
そもそも、ドラゴンの素材をもとに作られていた
のだから、死滅させれば取れんくなるのは必死だ
った。
そんな事も考えられない人間達は実に愚かな種族
と言えた。
だが、そんな種族にも一つだけ褒められる事があ
った。
それが聖女という存在だった。
人を慈しみ、愛する心がなければ覚醒すらしない
と言われる職業だった。
短命で、短くて数ヶ月、長くて10年。
だが、その存在は国をも揺るがすほどと言われて
いた。
瘴気が溜まり、聖なる木とされる世界樹が汚染さ
れた時それを浄化できるのは聖女とその仲間の聖
剣持ちだと言われていた。
そして、今ハイドの生徒に聖剣持ちのジェイムス
と聖女のルイスが現れたのだ。
今ハイドは王都から少し離れた山の頂きでキメラ
を飼う事にした。
冒険者にでも見つかったりでもしたら大変だった。
まだ産まれたてなので戦う術を知らない。
大きな結界を張ると今日はアカデミーへと戻って
授業の準備に取り掛かった。
「あぁ、早くルイスに見せてやりたい」
そう独り言を呟くとぶつぶつと呟きながら不敵に
笑ったのだった。
実験に没頭した。
そして、日が昇った頃、やっと手をとめた。
「これは………すごい成果だ」
魔力が薄かったルイスに魔力を補助する為の魔道
具を渡した。
それがただの善意からではない。
魔力が全身に回れば体液にも微量だが聖なる力が
宿るはずだと仮説を立てた。
それをこの前作ったキメラに与えてみる。
成長度合いを調べるつもりでハイド自身の魔力も
与えてみたのだ。
すると、一気に成長が加速してそれだけじゃなか
った。
姿、形さえもミニだった時より、凛々しくなった。
これ以上成長してしまうと学校の校舎の中では飼
えなくなるほどに急成長を遂げてしまうのだった。
裏の山奥に場所を移動すると取って来てもらった
ルイスの体液を与え続けた。
たったそれだけで、今まで立てていた仮説が完全
に現実のものとなった。
キメラを使って古代生きていたドラゴンを再現す
る。
それがハイドの実験だった。
その為にどれほどの年月を費やしてきたか。
昔に生きていたとされるドラゴンの骨の化石から
血肉を再現する為にどれほど苦労したことか。
里の皆には変人と罵られ、家族からも軽蔑された。
そして里を捨てて人間達に紛れながら実験を繰り
返した。
その成果がやっと出たのだ。
「ルイス、君は最高だ。これは誰もなし得なかっ
た功績だ!」
ドラゴンが死滅してから、もう何百年も経つ。
昔はドラゴンの脅威から、人間達も他の種族と手
を取る事もあったと聞く。
が、最後のドラゴンが死滅してから今度は種族間
で争うようになった。
そして、万能薬として用いられていた奇跡の霊薬
が作れなくなったのはこの頃からだという。
そもそも、ドラゴンの素材をもとに作られていた
のだから、死滅させれば取れんくなるのは必死だ
った。
そんな事も考えられない人間達は実に愚かな種族
と言えた。
だが、そんな種族にも一つだけ褒められる事があ
った。
それが聖女という存在だった。
人を慈しみ、愛する心がなければ覚醒すらしない
と言われる職業だった。
短命で、短くて数ヶ月、長くて10年。
だが、その存在は国をも揺るがすほどと言われて
いた。
瘴気が溜まり、聖なる木とされる世界樹が汚染さ
れた時それを浄化できるのは聖女とその仲間の聖
剣持ちだと言われていた。
そして、今ハイドの生徒に聖剣持ちのジェイムス
と聖女のルイスが現れたのだ。
今ハイドは王都から少し離れた山の頂きでキメラ
を飼う事にした。
冒険者にでも見つかったりでもしたら大変だった。
まだ産まれたてなので戦う術を知らない。
大きな結界を張ると今日はアカデミーへと戻って
授業の準備に取り掛かった。
「あぁ、早くルイスに見せてやりたい」
そう独り言を呟くとぶつぶつと呟きながら不敵に
笑ったのだった。
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