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16話 王への打診
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その日の夜。
晩餐の時に、いきなりジェイムスから意外な申し
出があった。
「父様……ルイスの母君はいつになったら一緒に
食事を取れるようになるのですか?」
「ジェイムス、何を言ってるの?あんな……いえ、
今は病に伏せっているそうよ。息子もその看病
で忙しいのでしょ?」
「お母様、それでは、ルイスだけでもこちらに呼
び戻してはいかがですか?父様は、自分の息子
と一緒に食事をしたくはないのですか?もうず
っとあっていないのでしょう?」
「そうだな……イザベラ、明日はルイスも呼んで
食事をしようか」
「いえ、そんなっ……はい、伝えておきますわ」
「二人とも私の息子だ、同じく愛してやってくれ」
「はい……分かっておりますわ」
ギリリっと握りしめると、何か合図をしていた。
これはルイスが危ないと思うと、ジェイムスはす
ぐに席を立つと、マナーは悪いがトイレに行くと
言って部屋をでた。
そして、ルイスの部屋へと急ぐ。
道中、何人かのメイドとすれ違ったが、そんな事
気にもせず、まっすぐに走った。
部屋の前に来ると、中から叫ぶ声が聞こえて来た。
「離せっ……来るなっ!」
「このっ。言うことを聞けば痛い思いをしないで
済むものを……」
バンッとドアを開くと、床に押さえつけらるルイ
スの姿があった。
「兵の分際で王族に手を出したのか?これがどう
言う事か分かっているのか?」
ジェイムスは激怒すると、腰にかけてある剣を引
き抜いた。
「腕を出せ。今すぐにだ!ルイスの腕を折ったの
はどいつだ?」
いきなりの質問に、兵士が戸惑う。
自分たちは王妃様の命令で動いただけだと……。
「そんな事を聞いてるんじゃない。昨日ルイスの
腕を折ったのは誰かと聞いてるんだ?聞こえな
いなら、全員の腕を落とす事にしようか?」
「違っ、俺じゃない、こいつです。」
仲間がすぐに売ったのだった。
「こいつが腕を踏んだ時に、折れるような鈍い音
がしたんです」
「お前だって、殴ってただろう?動かなくなるま
で殴ったのはこいつで……」
情けない事に、罪の擦り付け合いを始めたのだっ
た。
王族を守る為の兵士が王族を辱め、暴行を加えて
いたなんて、信じられなかった。
「そこに座れ!前に手を出して頭はそのまま下げ
ていろ」
「殿下、おやめください。殿下が王位につけば、
どちらにしても、兵士の慰みものにするのです。
今更普通の暮らしなどさせずとも……」
「煩いっ!」
スパッと剣を抜き去ると、一瞬で首を刎ねたのだ
った。
残りの2人の兵士は口をつぐむと、息を呑んだ。
弁明はかえって逆効果なのだと……。
二人の兵士の両腕を落とすと、止血し、王直属の
兵士を呼びつけたのだった。
「ジェイムス様、お呼びですか?」
「あぁ、こいつらを父様の前に突き出せ」
「かしこまりました。血が……お着替えなさい
ますか?」
「いや、いい。ルイス、一緒に行こう」
今日は珍しく顔を殴られたのか真っ青になって腫
れていた。
慌てて指示を出したせいで、反抗されて言う事を
聞かせる為に手を出したのだろう。
ぎゅっと抱きしめると、そのまま王宮へと向かっ
たのだった。
晩餐の時に、いきなりジェイムスから意外な申し
出があった。
「父様……ルイスの母君はいつになったら一緒に
食事を取れるようになるのですか?」
「ジェイムス、何を言ってるの?あんな……いえ、
今は病に伏せっているそうよ。息子もその看病
で忙しいのでしょ?」
「お母様、それでは、ルイスだけでもこちらに呼
び戻してはいかがですか?父様は、自分の息子
と一緒に食事をしたくはないのですか?もうず
っとあっていないのでしょう?」
「そうだな……イザベラ、明日はルイスも呼んで
食事をしようか」
「いえ、そんなっ……はい、伝えておきますわ」
「二人とも私の息子だ、同じく愛してやってくれ」
「はい……分かっておりますわ」
ギリリっと握りしめると、何か合図をしていた。
これはルイスが危ないと思うと、ジェイムスはす
ぐに席を立つと、マナーは悪いがトイレに行くと
言って部屋をでた。
そして、ルイスの部屋へと急ぐ。
道中、何人かのメイドとすれ違ったが、そんな事
気にもせず、まっすぐに走った。
部屋の前に来ると、中から叫ぶ声が聞こえて来た。
「離せっ……来るなっ!」
「このっ。言うことを聞けば痛い思いをしないで
済むものを……」
バンッとドアを開くと、床に押さえつけらるルイ
スの姿があった。
「兵の分際で王族に手を出したのか?これがどう
言う事か分かっているのか?」
ジェイムスは激怒すると、腰にかけてある剣を引
き抜いた。
「腕を出せ。今すぐにだ!ルイスの腕を折ったの
はどいつだ?」
いきなりの質問に、兵士が戸惑う。
自分たちは王妃様の命令で動いただけだと……。
「そんな事を聞いてるんじゃない。昨日ルイスの
腕を折ったのは誰かと聞いてるんだ?聞こえな
いなら、全員の腕を落とす事にしようか?」
「違っ、俺じゃない、こいつです。」
仲間がすぐに売ったのだった。
「こいつが腕を踏んだ時に、折れるような鈍い音
がしたんです」
「お前だって、殴ってただろう?動かなくなるま
で殴ったのはこいつで……」
情けない事に、罪の擦り付け合いを始めたのだっ
た。
王族を守る為の兵士が王族を辱め、暴行を加えて
いたなんて、信じられなかった。
「そこに座れ!前に手を出して頭はそのまま下げ
ていろ」
「殿下、おやめください。殿下が王位につけば、
どちらにしても、兵士の慰みものにするのです。
今更普通の暮らしなどさせずとも……」
「煩いっ!」
スパッと剣を抜き去ると、一瞬で首を刎ねたのだ
った。
残りの2人の兵士は口をつぐむと、息を呑んだ。
弁明はかえって逆効果なのだと……。
二人の兵士の両腕を落とすと、止血し、王直属の
兵士を呼びつけたのだった。
「ジェイムス様、お呼びですか?」
「あぁ、こいつらを父様の前に突き出せ」
「かしこまりました。血が……お着替えなさい
ますか?」
「いや、いい。ルイス、一緒に行こう」
今日は珍しく顔を殴られたのか真っ青になって腫
れていた。
慌てて指示を出したせいで、反抗されて言う事を
聞かせる為に手を出したのだろう。
ぎゅっと抱きしめると、そのまま王宮へと向かっ
たのだった。
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