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11話 愛人の子
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遠くでルイスを呼ぶ声がした。
「ルイスっ!」
ジェイムスの声が聞こえている。
こちらに走ってくるジェイムスは周りの女子達の
注目の的だった。
ジェイムスの手には有名どころのサンドイッチが
握られていた。
「ルイス…これ、お腹減ってないか?」
そう言って渡してくる。
食事が質素だと知ってからは毎日のように夕方に
も食べ物を渡してくれる様になった。
「あの…殿下、こう毎日だと……目立ちます」
「あぁ、すまない。ではどうしたらいい?せめて
ちゃんとした食事だけでも食べれるようにしな
いとな……」
「ジェイムスくんもルイスくんを心配してくれる
の?」
「当たり前だ!こんな痩せ細って、食事が肝心だ
というのに、まともに食べて居なかったと知っ
たら、心配するだろう」
少し怒り気味にいう。
セシリアとの仲はあまりよくないらしい。
物語ではラブラブっぷりが更に上がるのが、この
クッキーを食べる場面だったはずだ。
手作りのお菓子に興味をそそられたジェイムスに
セシリアが見た目は悪いが味は普通のクッキーを
差し出すのだ。
そして、美味いとも言えない味を美味い、美味い
と食べるのだ。
「ジェイムスくんも食べる?」
「なんだそれは……そんな出来損ないはいらん。
というか…まさかルイスに食べさせたわけじゃ
ないだろうな?」
「えー、美味しそうに食べてくれたよ?」
「ジェイムス殿下っ!本当に美味しかったんです。
僕の為に作ってくれた物なんて……これまでなか
ったから…」
ルイスの母親は最近ではずっと伏せっており、弱り
きっているが、昔は活発な方だったと聞く。
ルイスは母の病気を治す為に薬草学科を選んだの
もあると書いてあった。
だが、いまだに母親に会う事すら許されない。
ルイスが城の中に入ると兵士に止められる。
これは王妃の命令だった。
「ルイス、何か欲しいものはあるか?なんでも言
えよ?」
「では、ジェイムス殿下、お願いがあります。母
の様子を見てきて欲しいのです。」
「なぜだ?自分で行けばいいではないか…まさか」
「はい、僕が行くことを禁止されているのです。
もう床から起きれないと聞いているのに………
会いに行くことすら叶わないのです」
「そんな……可哀想……ジェイムスくん、なんと
か会わせてあげられないの?」
これには、ジェイムスも会わせてやりたいと思
うのだった。
弟への仕打ちが酷くなったのは、昔一緒に遊ん
でいた時にジェイムスがルイスを庇って怪我を
したのが原因だった。
兄らしく、弟を庇ったのだが、王妃にはそうは
見えなかったらしい。
卑しい身分の子が、次期皇太子に怪我を負わせ
たと捉えたのだ。
食事に微量な毒を仕込んだり、と嫌がらせは続
いた。
それを守る為にと、ルイスの母親はルイスには
別に質素な食事を与えるように指示した。
代わりに自分が毒の混ざった食事を食べ続け、
ついには倒れたのだった。
王様からは大層心配されて、今も医者が何人
も付き添っていると聞いている。
だが、よくなったとは聞いたことがなかった
のだった。
「ルイスっ!」
ジェイムスの声が聞こえている。
こちらに走ってくるジェイムスは周りの女子達の
注目の的だった。
ジェイムスの手には有名どころのサンドイッチが
握られていた。
「ルイス…これ、お腹減ってないか?」
そう言って渡してくる。
食事が質素だと知ってからは毎日のように夕方に
も食べ物を渡してくれる様になった。
「あの…殿下、こう毎日だと……目立ちます」
「あぁ、すまない。ではどうしたらいい?せめて
ちゃんとした食事だけでも食べれるようにしな
いとな……」
「ジェイムスくんもルイスくんを心配してくれる
の?」
「当たり前だ!こんな痩せ細って、食事が肝心だ
というのに、まともに食べて居なかったと知っ
たら、心配するだろう」
少し怒り気味にいう。
セシリアとの仲はあまりよくないらしい。
物語ではラブラブっぷりが更に上がるのが、この
クッキーを食べる場面だったはずだ。
手作りのお菓子に興味をそそられたジェイムスに
セシリアが見た目は悪いが味は普通のクッキーを
差し出すのだ。
そして、美味いとも言えない味を美味い、美味い
と食べるのだ。
「ジェイムスくんも食べる?」
「なんだそれは……そんな出来損ないはいらん。
というか…まさかルイスに食べさせたわけじゃ
ないだろうな?」
「えー、美味しそうに食べてくれたよ?」
「ジェイムス殿下っ!本当に美味しかったんです。
僕の為に作ってくれた物なんて……これまでなか
ったから…」
ルイスの母親は最近ではずっと伏せっており、弱り
きっているが、昔は活発な方だったと聞く。
ルイスは母の病気を治す為に薬草学科を選んだの
もあると書いてあった。
だが、いまだに母親に会う事すら許されない。
ルイスが城の中に入ると兵士に止められる。
これは王妃の命令だった。
「ルイス、何か欲しいものはあるか?なんでも言
えよ?」
「では、ジェイムス殿下、お願いがあります。母
の様子を見てきて欲しいのです。」
「なぜだ?自分で行けばいいではないか…まさか」
「はい、僕が行くことを禁止されているのです。
もう床から起きれないと聞いているのに………
会いに行くことすら叶わないのです」
「そんな……可哀想……ジェイムスくん、なんと
か会わせてあげられないの?」
これには、ジェイムスも会わせてやりたいと思
うのだった。
弟への仕打ちが酷くなったのは、昔一緒に遊ん
でいた時にジェイムスがルイスを庇って怪我を
したのが原因だった。
兄らしく、弟を庇ったのだが、王妃にはそうは
見えなかったらしい。
卑しい身分の子が、次期皇太子に怪我を負わせ
たと捉えたのだ。
食事に微量な毒を仕込んだり、と嫌がらせは続
いた。
それを守る為にと、ルイスの母親はルイスには
別に質素な食事を与えるように指示した。
代わりに自分が毒の混ざった食事を食べ続け、
ついには倒れたのだった。
王様からは大層心配されて、今も医者が何人
も付き添っていると聞いている。
だが、よくなったとは聞いたことがなかった
のだった。
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