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77話

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優がパクッと口を開くとそれに合わせるように
長谷部は食べ物を口に入れていく。

ほかっておいたらきっと、食べる事を諦めそう
な気がしたから、余計に何がなんでも食べさせ
た。

わざと口に運べば一応は咀嚼して飲み込んでく
れた。

「私は優の事を嫌った事などないよ。可愛いと
 思っているし、前に見た時から愛おしくと思
 っているんだよ」
「じゃ…なんで…俺じゃ……ないんですか……」
「優…?」
「俺で性処理しても…いいじゃないですか……
 俺の身体では嫌ですか?」

いきなり何を言い出すかと長谷部は驚きを隠せ
なかった。
大事な家族だと言っているのに、そんな家族を
性処理に使えと言うのだ。

「優、ちょっと勘違いをしてないか?私は優を
 性処理なんかに使うわけがないだろう?」
「どうしてですか?俺なら…そのくらい構わな
 い……そんな事しかできなから…」
「違うっ…優はそんな事っていうが、性的被害
 を受けたせいでそんな考えになってしまって
 いるんだ。優はそんな事をする必要はないん
 だ。普通に当たり前の楽しみを覚えるべきだ
 よ」
「違う……俺は……誠さんに抱かれたいだけだ
 から…それがダメなら誰に抱かれたって一緒
 だから……」

必死に涙を堪えるのを間近で見ていると長谷部
自身もこの細い身体を抱きしめたくなった。

いっその事、優の言う通りに抱いてしまうか?
密かに毎晩のおかずにして抜いているのだから、
抱けない事はない。
男であっても、勃つのだから問題はない。

ただ、ここで優を抱いてしまって本当にいいのだ
ろうか?
こんな事をする為に引き取ったのではないし、
ちゃんとした教育を受けさせて、平穏な生活、
普通の恋愛をさせてやりたいと思ったからじゃ 
ないのか?

性的被害を受けるともう、普通の暮らしなど望め
ない。
精神的に病んでしまうからだ。

でも、優は違った。
普通に笑えるし、何も変わらなかった。
最初こそ怯える事もあったが、すぐに慣れた。

そんな直向きな優に惹かれて行ったのも事実だ。

「優…お前…、分かって言ってるのか?」

こくりっと頷くと、そっと長谷部の股間に触れて
来た。

「わかった。この後一緒に風呂に入るか!それか
 らベッドに行こう」
「それじゃ……」
「あぁ、だが…本当にいいんだな?」
「うん…」

控えめに頷くと長谷部に抱きついてきたのだった。

沸かした風呂場は蒸気がたっており暖かかった。
さっき暖房が入れてあったおかげもあってか裸で
も寒くはない。

「こっちに来なさい。ナカを洗ってあげよう」
「自分で……ひゃっ……」
「大丈夫。今日は私にさせなさい」

腰を引き寄せると、手で温め泡立てたボディーソ
ープをゆっくりと身体の隅々まで塗っていく。
Tシャツでは目立ってしまう乳首にも入念に塗り
つけると乳輪に沿って円を書くように指を動かす。

それも優しく、丁寧に…まるで壊れ物にでも触れ
るかのような手つきで触られるともどかしくなっ
てくる。
もっと乱暴に扱って欲しい。
強くつねって欲しい。

中途半端な刺激は身体を火照らせるだけで、その
先の快楽には程遠かった。

壁に手をつくかたちで立たされると尻たぶを覆う
手の感触にゾワッとした。

普通ならグイッと開かされ中央の蕾に押し込まれ
る異物に有無を言わせてはもらえない。
が、今はゆっくりと周りを触るだけで核心に触れ
てこない。

洗うと言うのだから、蕾を開き、広げられるとば
かり思っていたのでなかなか触れてこないのがも
どかしかった。

優は自分の指を這わせるとナカにツプッと入れる。
すると、すぐに引き戻されてしまった。

「優…何をしてるんだい?君は何もしなくていい。
 そう言わなかったかい?」
「でも…洗うなら……」
「無理に広げたら傷がついてしまうだろ?そんな
 事はしたくないんだ」
「でも………」

ここを使うんでしょ?
と言いたげな顔で見上げるとにっこりと微笑まれ
たのだった。
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