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50話

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次の日、優は家から抜け出すと近くの公園へと来ていた。
気分転換もあったが、あの家にいるのに少し苛立ちを覚えた
からだ。

何を言っても信じてもらえない。

「誠さんなら信じてくれるって思ってたのに…ただ話を聞い
 てくれるって思ったのに…」

なんでも話してくれと言ってたから話しただけなのに、昨日
はすごい剣幕で怒られた。

そのあとすぐに部屋に戻ったので、朝も会っていない。
今日の夜、会うのがすごく気まずかった。

これがもし、本当に親子なら、もっと言い合えたのだろうか?
それとも、もっとちゃんと話を聞いてもらえたのだろうか?

考えても仕方がないけど、それでも不安になった。

「やっぱり俺なんて養子にしなければって思ったかな…」

いつも不安で仕方がない。
素直に聞けない言葉だった。

誠さんの前では絶対に聞けない。
一番知りたい事ではあるのに、言い出す勇気もなかった。

「すいません。ちょっと道を聞きたいんですが?」
「あ、俺、この辺は詳しくなくて……」

いきなり声をかけられると振り向いて答えた。
が、その声をかけた人物を見て一瞬目を見張った。

見たことのある顔、それは倉沢社長のところにいた男だったからだ。
すぐに逃げようとして走り出したが、前にもスーツの男が遮って来た。

捕まるとすぐに近くに止めてある車に押し込められた。

「こんなところでのんびりしてて助かったよ。社長が待ってるから
 今日は楽しみにしてるんだな」
「いやっ…だ、誰か!助けて……」

大声で叫んでももう届かない。
口を抑えられ目の前の景色が急に歪んでいく。

次に目が覚めた時には全裸であの時の部屋に寝転がっていたのだった。

「お前、逃げれなかったんだな……」
「矢崎くんっ!お願い、助けて…」
「そんな事できるわけねーだろ?」
「そんな……だって君は俺に酷い事はしなかったじゃないか」
「お前な~頭湧いてんのか?お前を躾けるように言われてやってるのは
 俺なんだぞ?そんな甘っちょろいからまたここに来る事になるんだ」

見覚えのある部屋から引きずられるように連れ出されると、風呂場で
の洗浄をされた。

もちろん、解す時も、優しく接してくれるし、無理に傷つくような事
はされなかった。

「もっと広げねーと、今日はきついかもな…」
「…」

黙って身を任せると、呆れたように矢崎はため息を漏らした。

「はぁ~、今度逃げれたら絶対に捕まるようなヘマすんなよ。
 まぁー生きてここを逃げれたらだけどな」

前立腺を何度も刺激して、ゆっくりと広げていく。
目一杯まで広げてもまだやめない。

今日はいつも以上に入念に広げていたのだった。
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