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42話
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夜に何度もすすり泣く声が何度も漏れていた。
逃げないようにと病室の前に立っていても外からも聞こえる声に
流石に可哀想になってくる。
そっとドアを開けるとビクッと震えながら見て来た。
「なぁ~あんたさ、身内とかいねーの?もし逃げても庇ってくれ
るやつとかいるのか?」
「…」
「もしだぞ…もし逃げれてもさ…行く場所なかったらすぐに逆戻り
なんだぞ?そしたら本当に…」
「俺には…いない……孤児院で育ってるから………」
「そっか……、なんかごめんな?」
「…」
謝られると余計に申し訳なく思える。
最初の時はあんなにめちゃくちゃ抱いたくせに…
それも指示だと言えば、そうなのだろう。
至る所にあったカメラで見られていたのだろう。
「騙される方が悪い…そういう世の中だったよな…」
「それは…そうだな……」
「うん…」
「…」
ただ黙っているのでそれ以上は何も言わなかった。
たまに一人でいる時にぎゅっと握り締めているキーホルダーを
手渡すと嬉しそうに受け取った。
「誰かの贈り物か?」
「うん…すごくいい人だったんだ…多分俺に幻滅してるだろう
なぁ~もう話してもくれないかも…」
「好きだったのか?」
「分からない…顔も見た事ないし…向こうにとってはただの知
り合い程度だよ…きっと」
「そっか…」
出て行く際に一言付け加える。
「明日、社長んところに戻る事になったから」
「うん…」
今にも泣きそうな顔に一人にしておくのが忍びなくなる。
咄嗟に引き返すと有栖川を抱きしめていた。
「絶対に諦めるなよ…しっかり自分を保っていないとすぐに壊
されるからな」
「もう…いいよ、いっそ壊れた方が楽になれる…そうでしょ?」
有栖川の自分を諦めたような発言に胸が締め付けられるようだ
った。
矢崎だってここから逃してやりたい。
昔惚れた女もそうやって壊れて、気づいた時には意識すらない
重体で運ばれて…帰らぬ人となった。
彼も、そんな風になって欲しくなかった。
数人に連れられるように車に乗り込むと病院を後にした。
向かった先はいつものマンションではなかった。
まるで豪邸かと思えるほどの大きな屋敷だった。
ラビットこと、倉沢社長と合流するとすぐに首に金属の首輪を
嵌められた。
屋敷の中に入るとそこで警備に人間に止められた。
「倉沢様、こちらは?」
「今日の犬だ」
「でしたら身体検査とそれなりの格好が必要です」
「あぁ、わかっている。奥に連れて行け」
「かしこまりました」
返事など求められていない。
ただ従うだけだった。
奥の部屋に入るとすぐに、この屋敷で行われる事を理解した。
目の前には数人の男性がいたが全員全裸のままロープで身体を
緊縛されている。
「おい、お前も服をぬげ、ご主人様達にしっかり見えるように
縛ってやるからな」
「…」
ここで口答えはしない方がいい。
嫌と言うほど、身体に染みついた習慣でもあった。
全裸になるとすぐに係の人に連れられて肌に食い込むくらいの強
さで縛りつけられた。
手足の自由はある。
だが、身体に巻き付いたロープのせいか動くたびに乳首は擦れ固
くなるし、揺れるちんこもゆっくりと勃ち上がって来てしまう。
歩くとその度に擦れる。
睾丸にもロープが締め付けるせいか徐々に溜まって行く。
何人も同じ格好をさせられている中に放り込まれると一つの部屋に
放り込まれた。
壁にかけらえた鞭や、拘束具、バイブなどが卑猥さをだ醸し出して
いた。
中央の机に置かれた透明な箱には畳二畳分の広さがあった。
鎖が垂れ下がっており、まるでそこで何かが行われるような気さえ
して嫌な予感しかしなかった。
逃げないようにと病室の前に立っていても外からも聞こえる声に
流石に可哀想になってくる。
そっとドアを開けるとビクッと震えながら見て来た。
「なぁ~あんたさ、身内とかいねーの?もし逃げても庇ってくれ
るやつとかいるのか?」
「…」
「もしだぞ…もし逃げれてもさ…行く場所なかったらすぐに逆戻り
なんだぞ?そしたら本当に…」
「俺には…いない……孤児院で育ってるから………」
「そっか……、なんかごめんな?」
「…」
謝られると余計に申し訳なく思える。
最初の時はあんなにめちゃくちゃ抱いたくせに…
それも指示だと言えば、そうなのだろう。
至る所にあったカメラで見られていたのだろう。
「騙される方が悪い…そういう世の中だったよな…」
「それは…そうだな……」
「うん…」
「…」
ただ黙っているのでそれ以上は何も言わなかった。
たまに一人でいる時にぎゅっと握り締めているキーホルダーを
手渡すと嬉しそうに受け取った。
「誰かの贈り物か?」
「うん…すごくいい人だったんだ…多分俺に幻滅してるだろう
なぁ~もう話してもくれないかも…」
「好きだったのか?」
「分からない…顔も見た事ないし…向こうにとってはただの知
り合い程度だよ…きっと」
「そっか…」
出て行く際に一言付け加える。
「明日、社長んところに戻る事になったから」
「うん…」
今にも泣きそうな顔に一人にしておくのが忍びなくなる。
咄嗟に引き返すと有栖川を抱きしめていた。
「絶対に諦めるなよ…しっかり自分を保っていないとすぐに壊
されるからな」
「もう…いいよ、いっそ壊れた方が楽になれる…そうでしょ?」
有栖川の自分を諦めたような発言に胸が締め付けられるようだ
った。
矢崎だってここから逃してやりたい。
昔惚れた女もそうやって壊れて、気づいた時には意識すらない
重体で運ばれて…帰らぬ人となった。
彼も、そんな風になって欲しくなかった。
数人に連れられるように車に乗り込むと病院を後にした。
向かった先はいつものマンションではなかった。
まるで豪邸かと思えるほどの大きな屋敷だった。
ラビットこと、倉沢社長と合流するとすぐに首に金属の首輪を
嵌められた。
屋敷の中に入るとそこで警備に人間に止められた。
「倉沢様、こちらは?」
「今日の犬だ」
「でしたら身体検査とそれなりの格好が必要です」
「あぁ、わかっている。奥に連れて行け」
「かしこまりました」
返事など求められていない。
ただ従うだけだった。
奥の部屋に入るとすぐに、この屋敷で行われる事を理解した。
目の前には数人の男性がいたが全員全裸のままロープで身体を
緊縛されている。
「おい、お前も服をぬげ、ご主人様達にしっかり見えるように
縛ってやるからな」
「…」
ここで口答えはしない方がいい。
嫌と言うほど、身体に染みついた習慣でもあった。
全裸になるとすぐに係の人に連れられて肌に食い込むくらいの強
さで縛りつけられた。
手足の自由はある。
だが、身体に巻き付いたロープのせいか動くたびに乳首は擦れ固
くなるし、揺れるちんこもゆっくりと勃ち上がって来てしまう。
歩くとその度に擦れる。
睾丸にもロープが締め付けるせいか徐々に溜まって行く。
何人も同じ格好をさせられている中に放り込まれると一つの部屋に
放り込まれた。
壁にかけらえた鞭や、拘束具、バイブなどが卑猥さをだ醸し出して
いた。
中央の机に置かれた透明な箱には畳二畳分の広さがあった。
鎖が垂れ下がっており、まるでそこで何かが行われるような気さえ
して嫌な予感しかしなかった。
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