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8話
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ガウンを羽織り直すとベッドに腰掛けたままスネークとたわいもない
会話をした。
その間、何も要求してはこなかった。
『両親はどうしたんだい?こんな事しているって知ってるとは思えない
けど…』
「俺には親はいないんです、顔すら覚えてないです」
『なら、今は一人なのかい?』
「はい…学校もお金がないからいけなくて…中学までは施設でいられた
んですけど…追い出されてからはずっと一人です」
『食事はどうしてるんだい?』
「適当にですかね…あははっ…バイトもクビになっちゃったし」
『それは大変だったね。なら毎晩私と話さないか?』
「え…それはどういう…」
『話し相手になってくれたらお小遣いをあげるよ。それならどうだい?』
「それはありがたいけど…スネークさんには得がないんじゃ…」
『可愛いアリスくんと話せるだけで楽しいよ。』
会話は30分程度だったけど、何もしなくていい分身体には負担がなかっ
た。
こんな事でお金を貰ってもいいのかと不安になる。
すごい事を要求されるのではないかとも不安になったが、自分のような
身寄りのない奴に何かしようなんて思わないだろうと考え直したのだっ
た。
『では、そろそろ遅いしここまでにしよう。明日またこの時間にいいか
な?』
「はいっ!」
『いい夢を、おやすみ。』
「おやすみなさい」
何年ぶりだろう。
人に向かっておやすみと言ったのは…施設をでてからそんな言葉を言う
相手なんていなかった。
明日はバイトを探そう。
せめて賄いがある場所がいい。
いっそ身体を売れるならその方が楽かもしれない。
でも、そこまでの度胸はない。
ネットという箱の中だからこそこんなに大胆にしていれるけど、実際
に会って会話するなんて、多分優には無理だった。
求人募集を眺めながら履歴書を持って面接にいく。
それでも中卒を雇ってくれる場所などなかなか見つからなかった。
夕方まで何度も求人広告の店に行ったが、履歴をみてすぐに断られて
しまったのだった。
「俺だって…高校行きたかった…お金さえあれば…」
親もいなければ頼れる親戚もいない。
そんな人間に補助金が降りるわけもなく、主席になるほど頭もよくな
い。
どこまで行っても中途半端なのだ。
ふと、駅に足を向けるとラビットが言っていたコインロッカーへと向
かった。
暗証番号は知っている。
辿り着き中を開くと、そこにはまた色々と入っていた。
荷物を取り出して家に持って帰った。
なぜか服まで入っている。
女性もののようだった。
夜9時にメールがきていた。
[[今日は早く帰れたら、アリスの可愛い姿が見たいな]]
すぐにシャワーを浴びるとガウンを羽織った。
まだ袋の中身は確認してないけど、すぐに会いたくなった。
個人ルームを作ると招待を送る。
返事はあっという間だった。
『やぁ~、アリス。今日のプレゼントは見たかい?』
「あ、いえ…さっき帰っていたので…」
『なら一緒に開けようか?』
「はい」
言われた通りに画面に見えるように持ってくると広げて見せる。
『どうだい?可愛いだろう?着てみてくれるかい?今度配信で着てみ
るといい、いい反応が返ってくると思うよ?』
「そうですか!すぐに着替えます」
ガウンを目の前で脱ぐと薄いレースの下着を付けた。
短い太ももが丸見えなくらいの丈のスカートを履くとパツパツのTシャツ
を見て手をとめた。
『着ないのかい?』
「これ…小さくないですか?サイズが合ってない気がして…」
『それで合ってるよ。ピッタリ肌に食い込むのがいいんだよ。今からやる
事に必要なんだよ』
そう言われると着ないわけにはいかない。
着てみるとやっぱりパツパツだった。
会話をした。
その間、何も要求してはこなかった。
『両親はどうしたんだい?こんな事しているって知ってるとは思えない
けど…』
「俺には親はいないんです、顔すら覚えてないです」
『なら、今は一人なのかい?』
「はい…学校もお金がないからいけなくて…中学までは施設でいられた
んですけど…追い出されてからはずっと一人です」
『食事はどうしてるんだい?』
「適当にですかね…あははっ…バイトもクビになっちゃったし」
『それは大変だったね。なら毎晩私と話さないか?』
「え…それはどういう…」
『話し相手になってくれたらお小遣いをあげるよ。それならどうだい?』
「それはありがたいけど…スネークさんには得がないんじゃ…」
『可愛いアリスくんと話せるだけで楽しいよ。』
会話は30分程度だったけど、何もしなくていい分身体には負担がなかっ
た。
こんな事でお金を貰ってもいいのかと不安になる。
すごい事を要求されるのではないかとも不安になったが、自分のような
身寄りのない奴に何かしようなんて思わないだろうと考え直したのだっ
た。
『では、そろそろ遅いしここまでにしよう。明日またこの時間にいいか
な?』
「はいっ!」
『いい夢を、おやすみ。』
「おやすみなさい」
何年ぶりだろう。
人に向かっておやすみと言ったのは…施設をでてからそんな言葉を言う
相手なんていなかった。
明日はバイトを探そう。
せめて賄いがある場所がいい。
いっそ身体を売れるならその方が楽かもしれない。
でも、そこまでの度胸はない。
ネットという箱の中だからこそこんなに大胆にしていれるけど、実際
に会って会話するなんて、多分優には無理だった。
求人募集を眺めながら履歴書を持って面接にいく。
それでも中卒を雇ってくれる場所などなかなか見つからなかった。
夕方まで何度も求人広告の店に行ったが、履歴をみてすぐに断られて
しまったのだった。
「俺だって…高校行きたかった…お金さえあれば…」
親もいなければ頼れる親戚もいない。
そんな人間に補助金が降りるわけもなく、主席になるほど頭もよくな
い。
どこまで行っても中途半端なのだ。
ふと、駅に足を向けるとラビットが言っていたコインロッカーへと向
かった。
暗証番号は知っている。
辿り着き中を開くと、そこにはまた色々と入っていた。
荷物を取り出して家に持って帰った。
なぜか服まで入っている。
女性もののようだった。
夜9時にメールがきていた。
[[今日は早く帰れたら、アリスの可愛い姿が見たいな]]
すぐにシャワーを浴びるとガウンを羽織った。
まだ袋の中身は確認してないけど、すぐに会いたくなった。
個人ルームを作ると招待を送る。
返事はあっという間だった。
『やぁ~、アリス。今日のプレゼントは見たかい?』
「あ、いえ…さっき帰っていたので…」
『なら一緒に開けようか?』
「はい」
言われた通りに画面に見えるように持ってくると広げて見せる。
『どうだい?可愛いだろう?着てみてくれるかい?今度配信で着てみ
るといい、いい反応が返ってくると思うよ?』
「そうですか!すぐに着替えます」
ガウンを目の前で脱ぐと薄いレースの下着を付けた。
短い太ももが丸見えなくらいの丈のスカートを履くとパツパツのTシャツ
を見て手をとめた。
『着ないのかい?』
「これ…小さくないですか?サイズが合ってない気がして…」
『それで合ってるよ。ピッタリ肌に食い込むのがいいんだよ。今からやる
事に必要なんだよ』
そう言われると着ないわけにはいかない。
着てみるとやっぱりパツパツだった。
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