54 / 148
弱くても一緒に戦いたい
第九話 宝箱
しおりを挟む
戦闘が始まってからどのくらいが経ったのだろう。
ナルサスは体内時間から計算して、もうかれこれ
60分ほどは戦っている感覚だった。
この疲れを知らない無限の力は常に回復をかけら
れているような感覚だった。
強さも段々増していく。
あきらかに有利になっていくように思えた。
ボスの硬い装甲は傷だらけになりところどころに
傷が残る。
そこを集中的に攻撃して体力を削る。
一気にトドメに入ると、ボスの方も一気に決めに
来たのだろう、護る事はせず正面からぶつかって
きた。
今のナルサスに敵うものなどいない。
そう思えるほど、強かった。
一刀両断にすると、やっと剣を拭い鞘にしまった。
「奏…終わったぞ……」
さっきまで隅でシールドを張ったままでいるご主人
へと駆け寄った。
バフが効いているせいでこの暗闇の中もはっきり見
える。
近くに行くと、自然とシールドが解けていた。
「奏……?かなで!!」
声をかけて触れると、前に倒れ込んでいく。
奏の身体を抱き止めると予想以上に疲労していた
ようだった。
レベルは1だと聞いていた。
だから戦いから遠ざけて、安全な場所にいてもら
ったはずだった。
だが、バフをかけるのも神崎のスキルなのだ。
スキルの乱用で一時的に体力と気力を消耗して気
を失っているのだと気づく。
ボスが倒された事で、奥に進む道が現れた。
このまま奥に行くべきか、それとも引き返すべき
か?
何度も戦闘時に危ない場面はあった。
その度に立て直せたのは奏のおかげだった。
引き返すにも、転送罠でこの場所へと来たので帰
り道が分からないのだった。
せめて、エリーゼがいてくれたら違っていたのか
もしれないが、そんな事を言ってはいられなかっ
た。
神崎を抱きかかえるとそのまま奥へと進む事にし
た。
戻れないなら先へと進むしかない。
そして奥の部屋に金色の宝箱を見つけたのだった。
バフが効いているのはあと少しだろう。
もし、バフが切れれば、視界もチートな力も全部
失ってしまう。
ナルサスとて、剣には自信がないわけではないが、
誰かを護りながらのダンジョン攻略はかなり難易度
が高くなる。
宝箱に手を伸ばすと開けてみる。
そこから出てきたのは、帰還のスクロールだった。
どこであろうと、自分の帰還したい場所へと帰還さ
せてくれる。
ダンジョンで使えば入り口へ飛ばされる。
まだ、この場所を全部探索はできていないが、奏の
この状態を見るに、一旦帰って仕切り直しにした方
が良さそうだった。
「しかし……俺たちだけで帰っていいものか……」
他に入っていたアイテムと言えば……。
ナルサスは体内時間から計算して、もうかれこれ
60分ほどは戦っている感覚だった。
この疲れを知らない無限の力は常に回復をかけら
れているような感覚だった。
強さも段々増していく。
あきらかに有利になっていくように思えた。
ボスの硬い装甲は傷だらけになりところどころに
傷が残る。
そこを集中的に攻撃して体力を削る。
一気にトドメに入ると、ボスの方も一気に決めに
来たのだろう、護る事はせず正面からぶつかって
きた。
今のナルサスに敵うものなどいない。
そう思えるほど、強かった。
一刀両断にすると、やっと剣を拭い鞘にしまった。
「奏…終わったぞ……」
さっきまで隅でシールドを張ったままでいるご主人
へと駆け寄った。
バフが効いているせいでこの暗闇の中もはっきり見
える。
近くに行くと、自然とシールドが解けていた。
「奏……?かなで!!」
声をかけて触れると、前に倒れ込んでいく。
奏の身体を抱き止めると予想以上に疲労していた
ようだった。
レベルは1だと聞いていた。
だから戦いから遠ざけて、安全な場所にいてもら
ったはずだった。
だが、バフをかけるのも神崎のスキルなのだ。
スキルの乱用で一時的に体力と気力を消耗して気
を失っているのだと気づく。
ボスが倒された事で、奥に進む道が現れた。
このまま奥に行くべきか、それとも引き返すべき
か?
何度も戦闘時に危ない場面はあった。
その度に立て直せたのは奏のおかげだった。
引き返すにも、転送罠でこの場所へと来たので帰
り道が分からないのだった。
せめて、エリーゼがいてくれたら違っていたのか
もしれないが、そんな事を言ってはいられなかっ
た。
神崎を抱きかかえるとそのまま奥へと進む事にし
た。
戻れないなら先へと進むしかない。
そして奥の部屋に金色の宝箱を見つけたのだった。
バフが効いているのはあと少しだろう。
もし、バフが切れれば、視界もチートな力も全部
失ってしまう。
ナルサスとて、剣には自信がないわけではないが、
誰かを護りながらのダンジョン攻略はかなり難易度
が高くなる。
宝箱に手を伸ばすと開けてみる。
そこから出てきたのは、帰還のスクロールだった。
どこであろうと、自分の帰還したい場所へと帰還さ
せてくれる。
ダンジョンで使えば入り口へ飛ばされる。
まだ、この場所を全部探索はできていないが、奏の
この状態を見るに、一旦帰って仕切り直しにした方
が良さそうだった。
「しかし……俺たちだけで帰っていいものか……」
他に入っていたアイテムと言えば……。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。

異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。
原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。
気が付けば異世界。10歳の少年に!
女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。
お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。
寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる!
勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう!
六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる!
カクヨムでも公開しました。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる