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弱くても一緒に戦いたい
第七話 ボス前
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いきなり転送罠で飛ばされた神崎とナルサスは真っ暗
な中にいた。
「うっ………」
「奏、大丈夫か?」
「んっ……ここは?」
「分からない、だが俺たちは転送陣で飛ばされたよう
だな……あまり俺から離れないでくれ」
「うん……ごめん、不用心だった……かも」
「いや、俺も気づけなかった。それよりここがどこか
だな、早く合流できればいいが……」
暗い中を壁を伝って歩き出す。
手探りながらも前を歩くナルサスがすごく心強く感じ
る。
「ナルサス……君を奴隷から解放するって言ったら、
どうする?やっぱり国に帰るの?」
心配そうに聞く神崎に、ナルサスは息を呑む。
「それは……この国にいる限り俺はまた役人に捕まっ
て死罪か奴隷にされるだろうな…」
「どうして?だって……戦争はもう終わったでしょ?」
「それでも……国のお偉いさんはそうじゃないんだ。
だから俺は奏に買ってもらってよかったって思って
るよ」
「……」
「自由に動けるし、行動に規制もない。それに戦うの
は嫌いじゃないし……人間らしい生活をさせてもら
ってるしな」
人間なのに…一国の皇子だったはずの人が人間以下の
生活をさせられて居たと思うと心が痛い。
それに比べれば、神崎との生活はなんの義務も、責任
もない。
自由なものだった。
国民を守る責務もない。
たった一人の主人さえ護れればいい。
周りにはエリーゼという強い騎士もいる。
いい励みにもなった。
「俺は今の生活も悪くないって思ってるんだがな…」
「そう……なの?」
「あぁ、可愛い主人でやり甲斐があるなっ!」
そう言ってウインクされると、勘違いしそうになる。
やっぱり顔がいいと、羨ましい。
俺もそうやってかっこよく決めたい~~~。
同じ男なのに、まだ幼い見た目のせいもあって、男と
思われて居ない。
いつか成人したら男っぽく、かっこよくなるはず……。
と心に決めると、拳を握り締めたのだった。
壁を伝って歩いて行くと、やっと広い場所へと出た。
「やっぱり視界が悪いな……」
「ちょっと待ってて……視界強化、熱感知追加、防御
力上昇、スピード上昇、攻撃力強化………」
「すごいな、これはよく見える……遠くまでも見える
し生き物の熱も感知できるのか……」
そう言うと、神崎の手を引くと、ぐいぐいと先に進む。
見える見えないでは足取りも全く違う。
手探りといえどまた、違って見える。
だが神崎には、全く見えないので不安ではあった。
ナルサスだけが頼りだ。
「ここだな……中に大きな何かがいるようだな」
大きなドアの前に来ると足を止めたのだった。
な中にいた。
「うっ………」
「奏、大丈夫か?」
「んっ……ここは?」
「分からない、だが俺たちは転送陣で飛ばされたよう
だな……あまり俺から離れないでくれ」
「うん……ごめん、不用心だった……かも」
「いや、俺も気づけなかった。それよりここがどこか
だな、早く合流できればいいが……」
暗い中を壁を伝って歩き出す。
手探りながらも前を歩くナルサスがすごく心強く感じ
る。
「ナルサス……君を奴隷から解放するって言ったら、
どうする?やっぱり国に帰るの?」
心配そうに聞く神崎に、ナルサスは息を呑む。
「それは……この国にいる限り俺はまた役人に捕まっ
て死罪か奴隷にされるだろうな…」
「どうして?だって……戦争はもう終わったでしょ?」
「それでも……国のお偉いさんはそうじゃないんだ。
だから俺は奏に買ってもらってよかったって思って
るよ」
「……」
「自由に動けるし、行動に規制もない。それに戦うの
は嫌いじゃないし……人間らしい生活をさせてもら
ってるしな」
人間なのに…一国の皇子だったはずの人が人間以下の
生活をさせられて居たと思うと心が痛い。
それに比べれば、神崎との生活はなんの義務も、責任
もない。
自由なものだった。
国民を守る責務もない。
たった一人の主人さえ護れればいい。
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「俺は今の生活も悪くないって思ってるんだがな…」
「そう……なの?」
「あぁ、可愛い主人でやり甲斐があるなっ!」
そう言ってウインクされると、勘違いしそうになる。
やっぱり顔がいいと、羨ましい。
俺もそうやってかっこよく決めたい~~~。
同じ男なのに、まだ幼い見た目のせいもあって、男と
思われて居ない。
いつか成人したら男っぽく、かっこよくなるはず……。
と心に決めると、拳を握り締めたのだった。
壁を伝って歩いて行くと、やっと広い場所へと出た。
「やっぱり視界が悪いな……」
「ちょっと待ってて……視界強化、熱感知追加、防御
力上昇、スピード上昇、攻撃力強化………」
「すごいな、これはよく見える……遠くまでも見える
し生き物の熱も感知できるのか……」
そう言うと、神崎の手を引くと、ぐいぐいと先に進む。
見える見えないでは足取りも全く違う。
手探りといえどまた、違って見える。
だが神崎には、全く見えないので不安ではあった。
ナルサスだけが頼りだ。
「ここだな……中に大きな何かがいるようだな」
大きなドアの前に来ると足を止めたのだった。
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