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この世界に呼ばれた訳

第十三話 戦闘訓練

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他の生徒達19名は2ヶ月という月日を使って雑学から
ダンジョンの仕組み、魔物の特徴と習性を学んだのだ 
った。


本物のダンジョンへと潜る時が来た。
準備万端で装備も揃えて貰うと、相性のいい攻撃、遠
距離武器、回復、荷物持ちというようにパーティーを
組む事になったのだった。

まだ前衛に不安は残るものの、実践経験も大事だと言
われ、ダンジョンへと入る事を決意したのだった。

まずは長野達の攻略したダンジョンへと挑む事にした。


壁に張り付いているスライムを見つけると槍などの長
物で攻撃して地面に落とした。
それから魔法で焼き殺す。

順調に見つけては落下させてと繰り返して倒してゆく。

上から落ちてくるのが一番厄介だった。

鼻と口を塞がれてはもう、どうにもならない。
だからその前に地面に落として倒しておく。

これが安全な攻略方法なのだ。

そして、次に現れたのはきのこの群れだった。

「行くわよ~」
「おう!」

壁役の盾を構えた前衛がシールドバッシュで突き飛ば
す。
そこへ盾の間から槍を前に突き出して致命傷を狙う。

すると死ぬ間際に胞子を吐き出すので、そこに風魔法
で一気に空気ごと奥へと押し返したのだった。

これで幻覚を見せる胞子を吸い込まなくても済む。

連携すれば、誰一人として犠牲を出さずに通る事が出
来るのだった。

ゴブリンも、身体が小さくすばしっこいが、力はなく
シールドバッシュで転ばしてからトドメを刺せば難な
く倒せる魔物だった。

戦い方を教えたのは戦略担当の者だった。
フードを深く被ったまだ若い青年だった。

終始顔を見せず黙々と、戦い方から逃げ方。
魔物の特徴とやってはいけない行動などを教えて行っ
た。

この講義のおかげでまだ無傷のまま奥のボス部屋まで
辿りついたのだった。

ここからが問題でもあった。
ミノタウロスは、生半可な火力で倒せるボスではない。
高火力で押し切るならまだしも、中途半端な攻撃は硬
い皮膚に阻まれ攻撃が効かないのだ。

一応一緒について来た賢者という立場上誰も死なせる
わけにはいかなかった。

土魔法で足元を緩ませる。
それからバランスを崩したところを一成攻撃。

そして再び足元を崩すという作戦は考えたが……。
問題もあった。

3つに分けたパーティーが上手く機能しなかったの
だった。

ゲームならやり直しがきく。
だが、現実は違う。
怪我をすれば動きは鈍るし。前に出れば怪我のリスク
だってある。

イジメすら見て見ぬふりをするようなクラスメイトが
好んで前に出るはずがなかったのだ。

前衛のはずが、前に出なければ流石にどうしようもな
いし、土魔法が使える生徒も実際にボスを見てビビっ
てしまって動け無くなっていた。

「はぁ~、これでは全滅ではないですか……全く仕方
 ないですね………今回だけはこちらで対処しましょ
 うかね」

そう言うと、賢者の魔法が一気に周りを満たす。

氷の礫が体重のかかった足へと連続で攻撃を繰り返す。
体勢を崩したところで、大きな氷柱が一気に向かって
いく。

何本も突き刺すと硬い皮膚をも貫く。

ぐぉぉぉおーーーーーーー!

咆哮を上げて絶命するまでひたすらに攻撃を繰り出し
た。

「さぁ、皆さん。帰りますよ~」

パンパンッと手を叩くと先導する。
今回の事で知識だけではどうにもならない事を知った
のだった。
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