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この世界に呼ばれた訳
第六話 決意
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長野、上島、江口は夏美からそっと目を逸らし
た。
「帰ろうぜ」
「そうだな…」
長野が助ける気がないと言ったので、部外者の
上島や、江口が口を挟む事でもなかった。
先へ進む予定で、荷物を江口が持つと、二人は
前へと進んで行こうとした。
「おい、荷物は持たないのかよ?」
「お前が持ってんじゃん。この中で一番撃退数
が少ないのは洋介だろ?」
「だよな~、俺、結構倒してレベルも結構上が
ってるはずだぜ?」
長野の言葉に、追従するように上島が言う。
確かに、遠距離魔法が使える長野と上島は最後
のトドメを差しやすく、経験値も多く入ってい
るようだった。
だが、江口は近接職のせいか近づいて殴らなけ
ればならない。
一応剣も背中にあるのだが。今はバックラーを
つけている。
江口の筋力増加は3段階に分かれており、筋力を
2倍、4 倍、6倍と上げられる。
だが、それは自分の筋力であって、殴らなければ
なんの効果もないのだ。
剣を持って筋力を上げても剣が耐えられず折れる
恐れがあった。
それに引きかえ長野の火魔法は火力で押し切れる
し、どの魔物にもダメージを与える事ができた。
上島の水魔法は一気に押し流す効果とその場にと
どめておく効果があった。
水を生み出しては魔物ごと包んでしまえば窒息死
すると言うわけだった。
あとは勢いよく発射される水の勢いで切り刻む事
も出来るようになったらしい。
「魔法ってずるいよな~、俺のは直接殴らなきゃ
ダメージでねーしよぉ~」
「それは日頃の行いだろ?能力に文句を言うなよ?」
「そうだぞ~、だからいつまで経っても童貞なんだ
よ」
「ってか。竜だって同じだろ?人の事言えんのか?」
「おい、静かにしろっ……」
「……」
「……」
二人は黙ると、前を見つめる長野に続いたのだった。
高校生といえど、経験者など少ない。
ましてや彼氏彼女持ちでさえも、童貞という事もあ
るのだ。
「仁はやっぱり……」
「当たり前だろ?夏美で卒業してるに決まってる
だろ?」
江口の言葉に上島が嗜める。
さっきの夏美の状況を思い出すと下半身が疼く。
下着も服も破かれて無数のゴブリンに前も後ろも
全部を使われる姿を見たせいで興奮がおさまらな
かった。
悲鳴にならない嗚咽を漏らしながら揺さぶられる
だけの人形のように痛ぶられる姿は、もう人間と
は思えなかった。
あんなプレイ、ドギツイ店でもやっていないと思
うほどに替わる、がわる犯していた。
「早くここ出て街に行きてーな」
「そうだな……そういえばこのダンジョンって何
階層まであるんだっけ?」
「知らねーよ、聞いてねーもん」
「………」
3人は顔を見合わせると、言葉を失った。
勢いよく出て来たはいいが、なんの情報もない。
ただ『星の雫』というものを持って帰ればいいと
言われただけだった。
それがあれば、元の世界に帰れるという事だった。
「俺いっそ、このままここにいてもいーかも…」
「なんだよ…それ」
「だってそうだろ?ここなら無双できそうじゃん?
俺ら」
江口の言葉に、ここなら勉強もないし、強さだけ
が正義なのだ。
城にいれば食事も困らないし、街に行けば女もひ
っかけれる。
もし『星の雫』とやらを見つければ英雄なのでは?
と考え出したのだった。
た。
「帰ろうぜ」
「そうだな…」
長野が助ける気がないと言ったので、部外者の
上島や、江口が口を挟む事でもなかった。
先へ進む予定で、荷物を江口が持つと、二人は
前へと進んで行こうとした。
「おい、荷物は持たないのかよ?」
「お前が持ってんじゃん。この中で一番撃退数
が少ないのは洋介だろ?」
「だよな~、俺、結構倒してレベルも結構上が
ってるはずだぜ?」
長野の言葉に、追従するように上島が言う。
確かに、遠距離魔法が使える長野と上島は最後
のトドメを差しやすく、経験値も多く入ってい
るようだった。
だが、江口は近接職のせいか近づいて殴らなけ
ればならない。
一応剣も背中にあるのだが。今はバックラーを
つけている。
江口の筋力増加は3段階に分かれており、筋力を
2倍、4 倍、6倍と上げられる。
だが、それは自分の筋力であって、殴らなければ
なんの効果もないのだ。
剣を持って筋力を上げても剣が耐えられず折れる
恐れがあった。
それに引きかえ長野の火魔法は火力で押し切れる
し、どの魔物にもダメージを与える事ができた。
上島の水魔法は一気に押し流す効果とその場にと
どめておく効果があった。
水を生み出しては魔物ごと包んでしまえば窒息死
すると言うわけだった。
あとは勢いよく発射される水の勢いで切り刻む事
も出来るようになったらしい。
「魔法ってずるいよな~、俺のは直接殴らなきゃ
ダメージでねーしよぉ~」
「それは日頃の行いだろ?能力に文句を言うなよ?」
「そうだぞ~、だからいつまで経っても童貞なんだ
よ」
「ってか。竜だって同じだろ?人の事言えんのか?」
「おい、静かにしろっ……」
「……」
「……」
二人は黙ると、前を見つめる長野に続いたのだった。
高校生といえど、経験者など少ない。
ましてや彼氏彼女持ちでさえも、童貞という事もあ
るのだ。
「仁はやっぱり……」
「当たり前だろ?夏美で卒業してるに決まってる
だろ?」
江口の言葉に上島が嗜める。
さっきの夏美の状況を思い出すと下半身が疼く。
下着も服も破かれて無数のゴブリンに前も後ろも
全部を使われる姿を見たせいで興奮がおさまらな
かった。
悲鳴にならない嗚咽を漏らしながら揺さぶられる
だけの人形のように痛ぶられる姿は、もう人間と
は思えなかった。
あんなプレイ、ドギツイ店でもやっていないと思
うほどに替わる、がわる犯していた。
「早くここ出て街に行きてーな」
「そうだな……そういえばこのダンジョンって何
階層まであるんだっけ?」
「知らねーよ、聞いてねーもん」
「………」
3人は顔を見合わせると、言葉を失った。
勢いよく出て来たはいいが、なんの情報もない。
ただ『星の雫』というものを持って帰ればいいと
言われただけだった。
それがあれば、元の世界に帰れるという事だった。
「俺いっそ、このままここにいてもいーかも…」
「なんだよ…それ」
「だってそうだろ?ここなら無双できそうじゃん?
俺ら」
江口の言葉に、ここなら勉強もないし、強さだけ
が正義なのだ。
城にいれば食事も困らないし、街に行けば女もひ
っかけれる。
もし『星の雫』とやらを見つければ英雄なのでは?
と考え出したのだった。
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