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異世界へ

第二十三話 奴隷の環境

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地下に入るとジメジメしていて良い環境とは言えな
かった。

奴隷だからいいとは思えない。
誰であっても、ちゃんとした整った環境で過ごした
い。
そう思うものだろう。

それが奴隷という理由だけで、怠っていいものでは
ない。

ましてや、身なりも薄い肌着一枚しか着ていなかっ
た。

「こちらはいかがですかか?」

薄い肌着から身体が丸見えだった。

「なんで、こんな薄い服しか着てないんですか!」
「何を言っているんだ?カナデくん。奴隷だから全部
 見て決めれなければ困るだろう?胸の大きさや弾力
 は買う前にって……大丈夫かい?顔が真っ赤だど…」

流石にエリーゼさんに言われると余計に恥ずかしくな
った。
さっきから女性の奴隷ばかり見ているから余計に目の
やり所に困る。

「あの、男性は居ないのですか?」
「いるにはいるが………ちょっと人物に問題がありま
 して…」
「ご主人、見せてもらえないだろうか?」
「エリーゼさんなら大丈夫なのですが……一回売った
 のですがすぐに返品されまして……」

そう言って奥に行くと、パンツ一枚の男性が座ってい
た。
見た目も色男とでも言えそうな金の髪に神崎より背も
高い。

女主人が好んで買ったらしいのだが、すぐに返品され、
それを繰り返しているらしい。

「何が気に入らなかったんだ?やっぱり下手とかそう
 いうの なのか?」
「エリーゼさん!?一体何を言ってるんですかっ!」
「それは……言えないのです。お客様のプライバシー
 に関わる事なので……と言いたいところですが、
 エリーゼ様なら言っても構いませんね。何もしな
 いのです。」

奴隷商人の言っている事が理解できなかった。

『何もしない?』

それが………?

「働かないという事か?」
「そういう事です。どんな命令をしたかは知りません
 が、言うことを聞かないと言われました。彼は敗戦
 国の………でして……」
「なるほど……それでか」

エリーゼさんは何か理解したような顔でこちらをみる。

「カナデくんなら丁度いいんじゃないかな?同じ男だ
 し、変な指示はしないだろう?それに……ダンジョ
 ン攻略時に彼を護る為に奴隷が必要なんだからな」
「戦闘なら大丈夫ですが……ある程度の武器も使える
 と聞いています。」
「どうかな?カナデくん」
「えっ……あ、ちょっと二人っきりで話をさせて貰っ
 てもいいですか?」
「それは奴隷とって事ですか?珍しいお客様ですね。
 構いませんよ。」

そう言って、席を外してくれた。

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