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異世界へ
第十八話 初めてのボス
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大きな部屋の扉の前に来ていた。
「これがここのダンジョンボスなんだが……君たちは
来た経験はあるかい?」
エリーゼはリーナとリンに尋ねる。
初めてなら説明を。
クリアした事があるのなら、簡単に説明して入るつも
りだった。
「いえ、私達も初めてです」
隣で頷くリンと交互に見てからエリーゼはボス部屋に
入る前に座り込むと、ボスの説明を始めた。
「というわけで、まずはさっきの行動を覚えてから、
一旦入ってみようか?」
「「はい」」
「いいですか?カナデ殿は後ろで安全な場所にいる事」
「はい、大丈夫です。」
エリーゼは薄々気づいていた。
今のこの力は自分のものではないのだと。
最では、冒険者をやっていた時のような強さはない。
それを一番自覚しているのはエリーゼ本人なのだ。
なのに、昔の冒険者時代よりも強い力が出せる。
そんな奇跡のような真似、普通は起こることはない
のだ。
そうなれば、支援職と言っていたカナデの仕業だろう。
初心者に毛が生えた程度のリーナやリンまでも驚くよ
うな力が出ている。
もう確信を持ってもいいかもしれなかった。
「全力で終わらせて、じっくり話をしようか!」
「では、行きましょう!」
神崎はいたって平然としていた。
戦えない自分の代わりにエリーゼさんが戦ってくれる。
そして、そこにバフをかける。
予想以上にエリーゼさんが強くてバフがどれだけ効い
ているのか分からなかった。
でも、さっきエリーゼさんが『話し合おう』と言って
くれたので、多分その事だと思う。
「これは頑張らなきゃなぁ~……筋力増強、スピード
増加、モンスターに防御力低下、防御力低下、速度
低下………」
今度はモンスターにもかかるのかを検証。
そして、動きを鈍くさせると、その効果はすぐに現れ
たのだった。
「動きを止めます!エリーゼさんのお役に立ちます!」
「私も……」
リーナの炎がボスの身体を焼き尽くすと、次にリンの
風魔法が一気に薙ぎ払う。
足止め程度のつもりだった。
が、そうはいかなかった。
風の刃となってボスの身体がバラバラになって落ちて
いた。
「えっ……うそっ……」
「ボスってこんな弱い……の?」
最初に焼き尽くした時に、瀕死寸前だったのを、その
まま切り刻んだようだった。
結局、エリーゼの出番はなく、片付いてしまった。
すぐに神崎が走っていくと解体する。
呆然としているうちに一瞬で解体を終わらせる。
「このまま持って行きますか?」
「おや、早いね。この大きさは無理だろう。肉は美味
しいのだが……魔石とツノだけ持って帰ろうか」
「はい。」
そう言うと、ツノと魔石を鞄に詰め込んだ。
エリーゼについてポータルを使って出ていくリーナと
リンを見送ると、神崎はすぐにボスの身体をアイテム
ボックスに収納させた。
そして何事もなかったかのように、外に出たのだった。
「これがここのダンジョンボスなんだが……君たちは
来た経験はあるかい?」
エリーゼはリーナとリンに尋ねる。
初めてなら説明を。
クリアした事があるのなら、簡単に説明して入るつも
りだった。
「いえ、私達も初めてです」
隣で頷くリンと交互に見てからエリーゼはボス部屋に
入る前に座り込むと、ボスの説明を始めた。
「というわけで、まずはさっきの行動を覚えてから、
一旦入ってみようか?」
「「はい」」
「いいですか?カナデ殿は後ろで安全な場所にいる事」
「はい、大丈夫です。」
エリーゼは薄々気づいていた。
今のこの力は自分のものではないのだと。
最では、冒険者をやっていた時のような強さはない。
それを一番自覚しているのはエリーゼ本人なのだ。
なのに、昔の冒険者時代よりも強い力が出せる。
そんな奇跡のような真似、普通は起こることはない
のだ。
そうなれば、支援職と言っていたカナデの仕業だろう。
初心者に毛が生えた程度のリーナやリンまでも驚くよ
うな力が出ている。
もう確信を持ってもいいかもしれなかった。
「全力で終わらせて、じっくり話をしようか!」
「では、行きましょう!」
神崎はいたって平然としていた。
戦えない自分の代わりにエリーゼさんが戦ってくれる。
そして、そこにバフをかける。
予想以上にエリーゼさんが強くてバフがどれだけ効い
ているのか分からなかった。
でも、さっきエリーゼさんが『話し合おう』と言って
くれたので、多分その事だと思う。
「これは頑張らなきゃなぁ~……筋力増強、スピード
増加、モンスターに防御力低下、防御力低下、速度
低下………」
今度はモンスターにもかかるのかを検証。
そして、動きを鈍くさせると、その効果はすぐに現れ
たのだった。
「動きを止めます!エリーゼさんのお役に立ちます!」
「私も……」
リーナの炎がボスの身体を焼き尽くすと、次にリンの
風魔法が一気に薙ぎ払う。
足止め程度のつもりだった。
が、そうはいかなかった。
風の刃となってボスの身体がバラバラになって落ちて
いた。
「えっ……うそっ……」
「ボスってこんな弱い……の?」
最初に焼き尽くした時に、瀕死寸前だったのを、その
まま切り刻んだようだった。
結局、エリーゼの出番はなく、片付いてしまった。
すぐに神崎が走っていくと解体する。
呆然としているうちに一瞬で解体を終わらせる。
「このまま持って行きますか?」
「おや、早いね。この大きさは無理だろう。肉は美味
しいのだが……魔石とツノだけ持って帰ろうか」
「はい。」
そう言うと、ツノと魔石を鞄に詰め込んだ。
エリーゼについてポータルを使って出ていくリーナと
リンを見送ると、神崎はすぐにボスの身体をアイテム
ボックスに収納させた。
そして何事もなかったかのように、外に出たのだった。
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