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異世界へ
第十六話 エリーゼの武勇伝
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どうしてこうなったのだろうか?
神崎にも理解できなかった。
今いるダンジョンは初心者用のはずだ。
なのに、この騒がしさ……。
ぞろぞろとついてくる見学者に神崎はうんざりして
いた。
事は遡る事2時間前。
ギルドに到着するとまずは、エリーゼさんが受付け
をした。
そして先に初心者ダンジョンの依頼を片っ端から取
っていく。
これを初心者がやったら反感を買うだろうが、そこ
はベテランのエリーゼさんだから許されるのだった。
「あの、昨日パーティー申請した奏ですけど…」
「あぁ、カナデさんですね。一件ありますが…前衛
を欲しがってまして…」
「それなら丁度いいじゃないか!私が勤めよう」
「ってわけなんです。エリーゼさんと一緒なので大
丈夫ですか?」
受付の人は目を輝かせながら、エリーゼの手を握る
と、昨日とは全く違う様子だった。
「エリーゼさんって、有名な方ですよね?」
「まぁ、昔は名の知れた冒険者だったんだけどな」
もう昔の話だという言い方だった。
そして、合流したのは女性二人のパーティーだった。
二人とも魔法師なのか、確かに前衛が欲しいだろう
事がすぐに理解できた。
「えーっと、カナデさんですね!私はリーナ、こっち
はリンと言います。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく。俺はカナデ、こちらは…」
「エリーゼさんですよね!あの目があったら死亡宣告
って噂のエリーゼさんですよね、私ファンなんです」
物騒な言葉に、ギョッとすると、平然と話をしていた。
その話を聞いた冒険者達が集まり、結局そのまま初心
者用ダンジョンへとぞろぞろと向かう事になったのだ
った。
「すっごく楽しみです、エリーゼさんと一緒に冒険
ができる日が来るなんて!夢のようです」
「えーっと、パーティーメンバー以外の後ろの人っ て……」
神崎が指摘すると、エリーゼさんは申し訳なさそう
に項垂れた。
「すまない。きっと私についてきているのだろう。
これではカナデ殿の迷惑になってしまうな…」
「別に構いませんよ。俺もこういうのは初めてなの
で…エリーゼさんが一緒に来てくれて心強いです」
そんな会話を聞きながらリーナが不思議そうに眺めて
きた。
「どうして、エリーゼさんはこんな初心者の付き添い
をしているのですか?誰か金持ちのご子息のお守り
ですか?」
確かに気になる質問だろう。
まさか初心者に付き添っているなど、予想しない事
だったのだろうから…。
神崎にも理解できなかった。
今いるダンジョンは初心者用のはずだ。
なのに、この騒がしさ……。
ぞろぞろとついてくる見学者に神崎はうんざりして
いた。
事は遡る事2時間前。
ギルドに到着するとまずは、エリーゼさんが受付け
をした。
そして先に初心者ダンジョンの依頼を片っ端から取
っていく。
これを初心者がやったら反感を買うだろうが、そこ
はベテランのエリーゼさんだから許されるのだった。
「あの、昨日パーティー申請した奏ですけど…」
「あぁ、カナデさんですね。一件ありますが…前衛
を欲しがってまして…」
「それなら丁度いいじゃないか!私が勤めよう」
「ってわけなんです。エリーゼさんと一緒なので大
丈夫ですか?」
受付の人は目を輝かせながら、エリーゼの手を握る
と、昨日とは全く違う様子だった。
「エリーゼさんって、有名な方ですよね?」
「まぁ、昔は名の知れた冒険者だったんだけどな」
もう昔の話だという言い方だった。
そして、合流したのは女性二人のパーティーだった。
二人とも魔法師なのか、確かに前衛が欲しいだろう
事がすぐに理解できた。
「えーっと、カナデさんですね!私はリーナ、こっち
はリンと言います。今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく。俺はカナデ、こちらは…」
「エリーゼさんですよね!あの目があったら死亡宣告
って噂のエリーゼさんですよね、私ファンなんです」
物騒な言葉に、ギョッとすると、平然と話をしていた。
その話を聞いた冒険者達が集まり、結局そのまま初心
者用ダンジョンへとぞろぞろと向かう事になったのだ
った。
「すっごく楽しみです、エリーゼさんと一緒に冒険
ができる日が来るなんて!夢のようです」
「えーっと、パーティーメンバー以外の後ろの人っ て……」
神崎が指摘すると、エリーゼさんは申し訳なさそう
に項垂れた。
「すまない。きっと私についてきているのだろう。
これではカナデ殿の迷惑になってしまうな…」
「別に構いませんよ。俺もこういうのは初めてなの
で…エリーゼさんが一緒に来てくれて心強いです」
そんな会話を聞きながらリーナが不思議そうに眺めて
きた。
「どうして、エリーゼさんはこんな初心者の付き添い
をしているのですか?誰か金持ちのご子息のお守り
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確かに気になる質問だろう。
まさか初心者に付き添っているなど、予想しない事
だったのだろうから…。
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