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異世界へ
第十二話 領主の屋敷
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隣にいるのが、これから行く街の領主様の娘さんだと
思うと、凄く緊張してくる。
下手に何か言ったらすぐにでも追い出されてしまうの
だろうか?
「カナデと言いましたか?うちでゆっくりして行って
くださいね、命の恩人をお父様も無碍にはできない
でしょうから」
「ありがとうございます」
「出来ればお友達になってくれませんか?今まで同世
代の友人がいませんでしたから……少し期待してる
のです」
「あの、俺は……」
「もう、男のふりはいいのですよ?家に着いたらわた
くしのドレスを見て見ましょうよ!きっと可愛いわ」
「えーっと……フリじゃないんですけど……」
「もう、大丈夫ですって。出してちょうだい」
馬車が動き出す。
エリーゼも馬に乗って横を並走したのだった。
「どうなさったのですか?何か不安な事でも?」
「いえ、俺はこの世界の事があまりわからないのです。
さっきもエリーゼさんが持っていたカードもそうで
す、さっきまであった死体が消えていて……」
「それはカード化したからですわ。人間は死ぬと先ほど
のようなカードになります。犯罪者なら賞金がかけら
れている場合が多いのでそのカードを持ってギルドへ
と持っていきます。」
それは神崎の常識では測れない事の連続だった。
まずはダンジョン以外では人は死ぬとカード化する事。
そのカードには犯罪歴も記載される事。
冒険者登録をしていれば、そのカードは身分証となる事。
そして、『カードオープン』といえば誰でもカードを出
す事ができるという事だった。
「俺にも、あるんですか?」
「出した事はないのですか?」
「はい……今の俺の記憶ではないです」
「では、出して見てはいかがですか?」
「そうですね……カードオープン……」
神崎が言葉に出すと、手の甲にカードが浮かんだ。
レベル1 神崎 奏
人間 犯罪歴:無し
スキル:どこでもシールドを張れる。
パーティーメンバーにだけ補助支援できる。
「まぁ、戦いには向いていませんね」
「あぁ……そうですよね………こんな俺でも冒険者登録
ってできるんですか?」
「勿論です。ですが……このレベルでダンジョンへ行く
のはオススメできません。多くの仲間を集めてみては
いかがですか?」
「そうですね。まずは仲間を募ってみます。俺、一文無
しなので」
「あら、そんな事気にしなくてもいいのに」
いつまで居候出来るのかわからないのだ。
まずは戦えるようにならなくてはならなかった。
アンネの屋敷に着くと、あまりの大きさに口が塞がらな
かった。
「カナデさま、こちらにどうぞ」
「いえ、様なんて……俺は……」
「カナデ殿、お早く」
エリーゼさんに急かされながら屋敷の中へと入った。
家の所々に置いてある調度品はどれも高価そうで、一体
いくらするのだろうと考えてしまう。
「カナデさま。こちらがお父様ですわ。そして、こちら
がカナデさま、道中盗賊に襲われた時に、エリーゼの
助けになってくださったんです」
「それは、心強いな。私はこの街の領主を務める、ハー
ゼン・ルイーズだ、よろしく。この若さで森を彷徨っ
ていたらしいじゃないか?部屋まで案内させるから今
日はゆっくりと休みなさい」
「あ、はい。カナデです。俺は何もできなかったけど…
よろしくお願いします」
使用人に案内されるように部屋まで送ってもらった。
屋敷が広すぎて迷子になりそうだった。
思うと、凄く緊張してくる。
下手に何か言ったらすぐにでも追い出されてしまうの
だろうか?
「カナデと言いましたか?うちでゆっくりして行って
くださいね、命の恩人をお父様も無碍にはできない
でしょうから」
「ありがとうございます」
「出来ればお友達になってくれませんか?今まで同世
代の友人がいませんでしたから……少し期待してる
のです」
「あの、俺は……」
「もう、男のふりはいいのですよ?家に着いたらわた
くしのドレスを見て見ましょうよ!きっと可愛いわ」
「えーっと……フリじゃないんですけど……」
「もう、大丈夫ですって。出してちょうだい」
馬車が動き出す。
エリーゼも馬に乗って横を並走したのだった。
「どうなさったのですか?何か不安な事でも?」
「いえ、俺はこの世界の事があまりわからないのです。
さっきもエリーゼさんが持っていたカードもそうで
す、さっきまであった死体が消えていて……」
「それはカード化したからですわ。人間は死ぬと先ほど
のようなカードになります。犯罪者なら賞金がかけら
れている場合が多いのでそのカードを持ってギルドへ
と持っていきます。」
それは神崎の常識では測れない事の連続だった。
まずはダンジョン以外では人は死ぬとカード化する事。
そのカードには犯罪歴も記載される事。
冒険者登録をしていれば、そのカードは身分証となる事。
そして、『カードオープン』といえば誰でもカードを出
す事ができるという事だった。
「俺にも、あるんですか?」
「出した事はないのですか?」
「はい……今の俺の記憶ではないです」
「では、出して見てはいかがですか?」
「そうですね……カードオープン……」
神崎が言葉に出すと、手の甲にカードが浮かんだ。
レベル1 神崎 奏
人間 犯罪歴:無し
スキル:どこでもシールドを張れる。
パーティーメンバーにだけ補助支援できる。
「まぁ、戦いには向いていませんね」
「あぁ……そうですよね………こんな俺でも冒険者登録
ってできるんですか?」
「勿論です。ですが……このレベルでダンジョンへ行く
のはオススメできません。多くの仲間を集めてみては
いかがですか?」
「そうですね。まずは仲間を募ってみます。俺、一文無
しなので」
「あら、そんな事気にしなくてもいいのに」
いつまで居候出来るのかわからないのだ。
まずは戦えるようにならなくてはならなかった。
アンネの屋敷に着くと、あまりの大きさに口が塞がらな
かった。
「カナデさま、こちらにどうぞ」
「いえ、様なんて……俺は……」
「カナデ殿、お早く」
エリーゼさんに急かされながら屋敷の中へと入った。
家の所々に置いてある調度品はどれも高価そうで、一体
いくらするのだろうと考えてしまう。
「カナデさま。こちらがお父様ですわ。そして、こちら
がカナデさま、道中盗賊に襲われた時に、エリーゼの
助けになってくださったんです」
「それは、心強いな。私はこの街の領主を務める、ハー
ゼン・ルイーズだ、よろしく。この若さで森を彷徨っ
ていたらしいじゃないか?部屋まで案内させるから今
日はゆっくりと休みなさい」
「あ、はい。カナデです。俺は何もできなかったけど…
よろしくお願いします」
使用人に案内されるように部屋まで送ってもらった。
屋敷が広すぎて迷子になりそうだった。
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