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異世界へ
第一話 いきなりの異世界へ!?
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高校の放課後。
いつものように呼び出されて、いく先にはいつもの
クラスメイトがいた。
「おい、今日の分持ってきたんだろうな?」
「もう無いよっ……お小遣いだって少ないのに……」
「うるせーよ、黙って母ちゃんの財布から取ってく
ればいいんだよ?そんな簡単な事もできねーのか?
使えね~クズだな!」
神崎の襟首を掴むと地面に押し付ける。
「這いつくばってるのがお似合いだな?」
「そう言えば、こいつの幼馴染みのあの子可愛かった
よな?」
「一個上だっけか?おい、今日はそいつ呼び出したら
許してやるよ」
「3人で相手してやるってさっ、可哀想にな~」
「なら、お前はやめとくか?」
「まっさか~」
長野仁、上島竜、江口洋介はいつものように遊び金欲
しさにイジメをしている。
その標的になっているのが、神崎奏だ。
どれだけ殴られたって、やりたく無いことはしない。
そういう性格のせいか、いつも傷だらけになって帰宅
する事が多い。
別に最初からいじめられていたわけでは無い。
ただ、クラスで友人だった弘前康介がターゲットにな
ったのを庇ったのが原因だった。
それから友人の弘前は話しかけても来なくなった。
多分、またイジメられるのが怖いのだろう。
神崎だって怖い、でも、友人を放かってはおけなかった。
ただ、それだけだった。
「嫌だっ……絶対にしないっ」
「なんだとぉ?生意気言いやがって…」
殴られる事には慣れている。
今更、怖気付いたりなんかしない。
今日も散々殴られ財布の小銭すらも持って行かれた。
ジュース代くらいしか入れていないので被害も少なくて
済んだ。
家の前には、自転車に跨ったままの人影があった。
重い身体を引きずるように帰って来ると、その人物の前を
通り過ぎる。
「神崎くんっ!」
「……」
今更、何を言いに来たのか?
それとも、イジメの対象が変わってお礼でも言いに来たの
か?
「待って……あの……僕は……」
「今はイジメられて無いのか?」
「えっ……あ、うん……」
「よかったな……自分だけ助かってさ……二度と顔を見せに
来るなよ」
少しキツイかもしれないが、それでも今まで仲良かっただ
けに、裏切られた気分になるからだった。
「明日には……終わるから。全部、終わらせるからっ!」
「……」
何が終わるというのだろう。
結局はこの街にいる限りは変わらない。
大学は離れたところにしよう。
高校での未来はもう明るくなんてならない。
だったらせめて、もっと先の未来を夢見るべきだろう。
そう思っていた。
次の日、学校に行くと教室の床にペンキで落書きがされて
いた。
丸い円の中に文字がびっしり書かれていて、ゲームでいう
魔法陣のようなものに見える。
神崎は多少ゲームなどもやっていたので知っている程度だ
った。
「おい、なんだよこの臭いは……くせ~ぞ?」
「床に落書きしたやつは誰だよ?おい、神崎お前服脱げよ」
「はっ?嫌だよっ……」
「おい、床を綺麗にしなきゃだろ?」
無理矢理クラスメイトの前で脱がされると、床に落として
足で擦る。
「雑巾じゃ消えねーか?」
「水かけねーとだろ?」
「違いね~」
ケタケタと笑うと、神崎の制服を雑巾がわりにしていた。
そんな時に、弘前が入ってきた。
いつもならオドオドしながらこっそり入って来ていたが、
今日は堂々と長野達の前に立った。
「もう、イジメないでっ!」
「おぉ?前に遊んでやった弘前じゃね?お前のせいで友達
がこんな惨めな格好になってるのにな~お前も遊び足り
ないってか?」
低い声にビクッと震えたが、すぐに睨みつけると持ってい
たカッターを取り出した。
「おいおい、やる気か?」
「だっせ~、カッターだってよ?手が震えてんじゃん」
「おいおい、そんなんで大丈夫か?」
笑いながら揶揄う長野達を無視して、神崎の方をみた。
「ごめん……こんな事しかできない僕を許して……」
その瞬間、自分の腕に当てて思いっきり引き裂いたのだっ
た。
真っ赤な血が飛び散って、床にポタポタッと落ちると地面
が光りだしたのだった。
いつものように呼び出されて、いく先にはいつもの
クラスメイトがいた。
「おい、今日の分持ってきたんだろうな?」
「もう無いよっ……お小遣いだって少ないのに……」
「うるせーよ、黙って母ちゃんの財布から取ってく
ればいいんだよ?そんな簡単な事もできねーのか?
使えね~クズだな!」
神崎の襟首を掴むと地面に押し付ける。
「這いつくばってるのがお似合いだな?」
「そう言えば、こいつの幼馴染みのあの子可愛かった
よな?」
「一個上だっけか?おい、今日はそいつ呼び出したら
許してやるよ」
「3人で相手してやるってさっ、可哀想にな~」
「なら、お前はやめとくか?」
「まっさか~」
長野仁、上島竜、江口洋介はいつものように遊び金欲
しさにイジメをしている。
その標的になっているのが、神崎奏だ。
どれだけ殴られたって、やりたく無いことはしない。
そういう性格のせいか、いつも傷だらけになって帰宅
する事が多い。
別に最初からいじめられていたわけでは無い。
ただ、クラスで友人だった弘前康介がターゲットにな
ったのを庇ったのが原因だった。
それから友人の弘前は話しかけても来なくなった。
多分、またイジメられるのが怖いのだろう。
神崎だって怖い、でも、友人を放かってはおけなかった。
ただ、それだけだった。
「嫌だっ……絶対にしないっ」
「なんだとぉ?生意気言いやがって…」
殴られる事には慣れている。
今更、怖気付いたりなんかしない。
今日も散々殴られ財布の小銭すらも持って行かれた。
ジュース代くらいしか入れていないので被害も少なくて
済んだ。
家の前には、自転車に跨ったままの人影があった。
重い身体を引きずるように帰って来ると、その人物の前を
通り過ぎる。
「神崎くんっ!」
「……」
今更、何を言いに来たのか?
それとも、イジメの対象が変わってお礼でも言いに来たの
か?
「待って……あの……僕は……」
「今はイジメられて無いのか?」
「えっ……あ、うん……」
「よかったな……自分だけ助かってさ……二度と顔を見せに
来るなよ」
少しキツイかもしれないが、それでも今まで仲良かっただ
けに、裏切られた気分になるからだった。
「明日には……終わるから。全部、終わらせるからっ!」
「……」
何が終わるというのだろう。
結局はこの街にいる限りは変わらない。
大学は離れたところにしよう。
高校での未来はもう明るくなんてならない。
だったらせめて、もっと先の未来を夢見るべきだろう。
そう思っていた。
次の日、学校に行くと教室の床にペンキで落書きがされて
いた。
丸い円の中に文字がびっしり書かれていて、ゲームでいう
魔法陣のようなものに見える。
神崎は多少ゲームなどもやっていたので知っている程度だ
った。
「おい、なんだよこの臭いは……くせ~ぞ?」
「床に落書きしたやつは誰だよ?おい、神崎お前服脱げよ」
「はっ?嫌だよっ……」
「おい、床を綺麗にしなきゃだろ?」
無理矢理クラスメイトの前で脱がされると、床に落として
足で擦る。
「雑巾じゃ消えねーか?」
「水かけねーとだろ?」
「違いね~」
ケタケタと笑うと、神崎の制服を雑巾がわりにしていた。
そんな時に、弘前が入ってきた。
いつもならオドオドしながらこっそり入って来ていたが、
今日は堂々と長野達の前に立った。
「もう、イジメないでっ!」
「おぉ?前に遊んでやった弘前じゃね?お前のせいで友達
がこんな惨めな格好になってるのにな~お前も遊び足り
ないってか?」
低い声にビクッと震えたが、すぐに睨みつけると持ってい
たカッターを取り出した。
「おいおい、やる気か?」
「だっせ~、カッターだってよ?手が震えてんじゃん」
「おいおい、そんなんで大丈夫か?」
笑いながら揶揄う長野達を無視して、神崎の方をみた。
「ごめん……こんな事しかできない僕を許して……」
その瞬間、自分の腕に当てて思いっきり引き裂いたのだっ
た。
真っ赤な血が飛び散って、床にポタポタッと落ちると地面
が光りだしたのだった。
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