虎は果報を臥せて待つ

森下旅行

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一.勃興

虎は果報を臥せて待つ ― 前編 ―

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 多烏浦の西の岬の中腹に設けられた見張り台に立って、虎臥は海を眺めた。

「ほぉーう。良い眺めじゃ。この世の果てまで見渡せそうじゃの」

 秋晴れの空は高く、空気も澄んでいる。

「正面に見えるのが汲部つるべ浦。ここからであれば岬が邪魔をせぬので、多烏たからす浦も含めて一望できます」

 前方に広がる海に遮るものはなにひとつ無く、鶴姫の言う通り、対岸にある汲部の浦までまっすぐ見通すことができた。右を向いて視線を落とせば、足元には多烏浦全体を見渡すことができた。

「見張り台としては絶好の位置じゃな」

 昨日、西津で牛太らと別れたあと、鶴姫と共に船で多烏に入った。
 前回来た時はあたりを見てまわる時間もなかったので、状況の説明も兼ねて、鶴姫の案内でこの見晴らしのよい見張り台へ来ていた。

「浦のいさかいに一度ならず二度までも巻き込んでしまい、お虎様には申し訳ない」

 見張り台の際に立って海を眺めていると、また鶴姫の『申し訳ない病』が始まった。

「わらわが勝手に首を突っ込んでおるだけじゃ、鶴姫様が気を揉むことではあるまい」

 と虎臥が言っても、すべての責任が己にあると考えている節がある鶴姫には気休めにもならないようだ。

「お虎様にもしものことがあれば、巻き込んだも巻き込まれたもない。我はそのことを案じている」

 虎臥とて別に争い事を好むわけではない。来たいと思って来たのだから、それに対してあまり申し訳なさそうにされると、こっちも申し訳ない気持ちになってくる。

「鶴姫様はウシと似て心配性じゃの。世の中どこもかしこも諍いだらけじゃ。ここで巻き込まれずとも、どこか他所よそで巻き込まれるじゃろう」

 己の意思で首を突っ込んだのだ。
 ただ巻き込まれるのとは違い、それなりの覚悟は持っているつもりだった。

「そうですか……」

 性分しょうぶんなのだろうが、鶴姫の場合、自身のおかれた立場が一層その性格を際立たせてしまっているように感じた。

「次郎大夫殿を『ウシ』と呼ばれているが、付き合いは長いのですか?」

 ひとまずは納得してくれたのだろうか。鶴姫の方から話題を変えてくれたことに、虎臥は内心ホッとした。

「幼馴染じゃ。物心ついた頃から知っておるから、長いのじゃろうな。新之助はすこし上じゃが、あれもそうじゃ」

「息の合ったやり取りは、気心の知れたあいだがら故ということですか」

「互いの考え方のくせは分かってくるからの。ウシは分かり易い。じゃが新之助は未だ理解不能じゃ」

 理解不能ではあるが、話のオチに使うにはこれ以上の適任はない。おかげで鶴姫の表情もしぜんとやわらいだ。

「我はこの浦で生まれ育った。みな見知った者ばかりです。みなが幸せに暮らせる浦にしていきたい。それだけが我の望みです」

 眼下に広がる浦をいつくしむように眺める鶴姫の瞳は、わが子を見守る母のようだった。
 そうしてたたずむ鶴姫のうしろで、山烏が数羽飛び立つのが見えた。

(山が騒がしいの)

 それを合図としたように、見張り台の下から声が掛かった。

「姫様ーーーっ!」

「何事かっ」

「ケン次郎の罠に、何か掛かったみてぇですっ!」

 と、見張り台の上と下でやりとりがあった。

「ケン次郎の罠?」

 知った名前が出て、虎臥は鶴姫に問うた。

「山中にいくつか、ケン次郎が罠を仕掛けている」

 と鶴姫は教えてくれた。

「罠猟かの?」

「それもありますが、浦にとっての山は塩木を得るため。罠は塩木を守る意味が強い」

 虎臥はつい、山で罠と言えば狩猟であろうと連想してしまったが、浦人にとっての山は、必ずしもそうではない。すっかり忘れてしまっていたが、汲部との諍いは網地あみち争奪そうだつだけではない。塩をくための塩木山もまた、諍いの火種であった。

「ならば掛かっておるのは、人か?」

 罠の種類にもよるが、圧殺式のものであれば死んでいるかもしれないな。と、虎臥は思った。

「それは行って確かめてみなければ何とも……」

「それもそうじゃの。どちらにしても人は多い方がよいじゃろう。わらわも行ってもよいかの?」

「助かります」

 素直に申し出を受け入れてくれたことに安堵あんどした。
 人ではない獲物が掛かっていることを願うばかりだ。


   ※※※


 牛太と新之助の足元には踏み締められた路盤ろばんがあり、それは木々の間をって奥へと続いていた。山路やまみちに入ると、ときが一気に進んだかのようにあたりは薄暗くなった。
 鳥羽氏の屋敷をあとにした二人は北へ向かい、山越えで多烏汲部両浦を目指していた。
 山路に入るまでは、あたりを物見するようなふりなどをして、鳥羽氏の追っ手が無いことを確かめながら歩いていたが、仮に先回りをされているとしたら、この山路では囲まれていても気付かないかもしれない。

 南北に長い谷の内にあった鳥羽荘。谷の中心を流れる鳥羽川を南へ辿れば北川に接続する。地理的には瓜生荘から北に向かって拓けた谷の奥にあって、北の端まで行きつけば、山ひとつ越えればもう日本海だ。高い山ではない。ただし急峻きゅうしゅんだ。
 現在は福井県道22号上中田烏線の田烏トンネルで一直線に山を突き抜けるが、それ以外の道は険しい。山を一直線に向こう側へ越えることはできず、山中を北へ南へ東へ西へ。通れるところを繋いでつくったのであろう曲がりくねったすれ違い困難な道しかなく、おそらく古い時代の山越えルートに近いと思われる。
 盗賊に遭う危険もあった鎌倉時代の峠越え。薄暗く曲がりくねった道は、体力的にも精神的にも、そこを越えようとする人を疲弊させたに違いない。

「あの男の申す通り、汲部が数の利で一点突破の総攻撃を仕掛けてきたところで勝算はあると思うか?」

 不気味な山中を無言で歩くのがいたたまれなくなり、牛太は、いましがた鳥羽氏の屋敷で聞いてきた男の言葉をどう思うか、新之助に訊いてみた。
 正面から衝突ぶつって天命を待て――。
 これをどう解釈すべきだろうか。いくら汲部が数の上で多烏より勝っているからといって、それで完勝ということにはならない。多くの負傷者が出るであろうし、そもそも絶対に勝てる保障もない気がした。

「真っ向勝負で疲弊ひへいさせといて、弱り切ったところでどっちも頂こうって腹に決まってんだろ」

 と、新之助はあっさり言いのけた。

「それでは汲部にとっては、なんの助けにもならんだろう?」

 それでは汲部にも得がないではないか。と、牛太は思ったが、新之助の方は、牛太の方こそなんの心配をしているのかといった風だった。

「はぁ? お前、よく考えろよ。なんであの野郎どもが汲部を助けるための策を考える必要があるんだよ。奴らの都合のいい方に事が進むよう仕向ける。それが奴らにとっての最良の策だろが」

 牛太の足がピタリと止まり、新之助が言ったことを反芻はんすうする。
 歩くために足を交互に前に出すという行為は、いちいち頭で考えているわけではないと思っていたが、どうやらそうではないようだ。
 脳の働きのすべてを思考に注いでみて、考え違いをしていることに気が付いた。
 つまり、鳥羽と汲部は仲間ではないということだ。
 互いの打算で結託けったくしているだけで、どちらかの窮地きゅうちに助けを出すとすれば無償ではない。そこには必ず損得がからむ。助けぬ方が利が大きいと見れば簡単に見放す関係。弱っていると見れば、らいつく関係なのだ。
 そう考えると、それに巻き込まれる多烏の者たちは、つくづくいい迷惑だ。

「それはそうと、新之助は京へ戻らなくてもよかったのか? 塩の件、トラの申した通りの顛末てんまつであったではないか。新之助にとっても筋書き通りの犯人を見つけたんだ。大手柄だろう?」

 さすがに虎臥がここまでの顛末を想定していたとは思えないが、結果的には、恣意的に相場を操った者がいて、それは幕府方の筋書きにもかなう者だった。

「お虎の言った通りってのが気に入らねぇ。借りを作ったままにするのはしゃくだ。汲部が総攻撃を仕掛けてくる。このしらせを多烏に持って帰ってチャラだ」

「そんなことを貸しだとは思っておらんと思うが……」

 傍目はためにはしょうもない意地の張り合いにしか見えないが、それで本人の気が済むのなら止める理由はない。

「それだけじゃねぇ。これは鶴姫様がいま、なによりも必要としていることだ。知っていれば何かしらの手は打てる。少なくとも、不意を突かれることはなくなる」

(なるほど。真意はそっちか)

 ならば尚更、止める理由はないなと、牛太は思った。

「おい、何処どこ行くんだ? 道はこっちに続いてるぞ」

 道を外れて行く新之助に声をかけると、「小便だ」と言って、道端で立小便を始めた。その後ろ姿を見ていたら、牛太も急に尿意をもよおしてきた。
 並んで小便をしていると、さきに小便を終えた新之助が道をさらに外れて、下草の茂っている方へと分け入って行く。小便を済ませたら今度は糞でもしたくなったのだろうか。

「あまり外れると蛇を踏むぞ」

 と牛太が声をかけたが、

「ありゃなんだ? なんかあるぜ?」

 と、何かをみつけたのか。新之助はさらに歩を進める。

「なんだ?」

 ――うわぁぁぁぁぁぁっ!?

 用を足し終えて、牛太が己の股間に視線を落とした刹那せつな。新之助の叫び声で顔を上げると、たったいま新之助が立っていたところから、新之助の姿が消えていた。

「新之助っ!?」


   ※※※


「そろそろじゃの」

 と、虎臥がつぶやくと、傍らで鶴姫が「分かるのですか?」と言って、虎臥を見上げた。
 塩木山の罠を確認するため、虎臥は、鶴姫が招集した浦の者たちと共に山に分け入っていた。見知った山ではないが、山というもの肌で知っている虎臥には、気配で察するものはあった。

「獣ではないかもしれぬ」

 まだ視界に入る距離ではないが、罠に掛かっているのが獣であれば、むこうはうの昔にこちらの存在に気が付いている。
 しかし虎臥の耳が捉えた葉擦れの音。風によるものとは異なる葉擦れの音。これは獣のものではない。こうした音の出し方を獣はしないことを虎臥は知っている。十中八九、人で間違いないだろう。

「皆、用心せよ」

 虎臥の言葉を受けて、鶴姫が伴ってきた者たちを制した。

「先に行こう。わらわが合図する」

 ここは自分が先頭に立つのがよいだろうと思い、鶴姫の答えを待たずに先へ出た。
 返事を待たなかったのは、望んだ答えが返ってこない可能性を考えたからだった。


   ※※※


「あーっ、待てっ! 一旦戻せっ! 頭に血が上ってきたっ!」

「も、戻すのか?」

「ゆっくりなっ!」

 牛太の目の前から忽然こつぜんと姿を消したので、慌てて新之助が立っていたあたりに来てみると、姿は無いが声はする。新之助の「上だ、上だ」という声で、逆さまになって宙に浮く新之助を見つけることができた。
 うっかり罠を踏んだのだ。
 太い竹の先に結ばれた縄に片足をくくられ、釣り竿の先に吊るされたカエルのようになっていた。
 竹をしならせて下ろそうとするが、何人掛かりで仕掛けたのか、牛太が体重を乗せて精一杯力を込めても、新之助が地面に届くには至らない。

「簡単に言ってくれる――あっ!」

 ゆっくり戻せと言うのでそのようにしていたが、ゆっくり戻すというのは、力一杯撓らせるより難しい。青々とした竹の表面は滑り易く、手が滑ったと思った瞬間にはもう、掴んでいた竹は手元から消えていた。
 力いっぱい撓らせた竹は、その反動を利用して元気よく木立の間を飛び回った。

 ――おーいおいおいおいっ! あぁぁぁっ!

 逆さまのまま宙を舞う新之助。
 申し訳ないが、竹が疲れて大人しくなるまで手の出しようがなかった。

「なんじゃ、山で釣りとは、なかなか面白いことをしておるの」

 牛太が宙を舞う新之助をあおぎ見ながら、どうしたものかと思案していると、どういうわけか虎臥が現れた。

「しかも自らがえさとなって釣り糸を垂らすとは、凡人には到底思いつかぬ発想じゃ」

 踏みしめられた路盤のみを頼りに山中を歩いていて、どれほど進んだのか定かでなかったが、ここに虎臥がいるということは、既に多烏の山に入っていたのかもしれない。なんにしても助かったと、牛太は思った。

「おぉ、トラ。よいところに来た。新之助が括り罠に掛かってしまった。この竹、丈夫過ぎて俺一人では倒しきらん。手を貸してくれ」

 簡単に事情を説明して、虎臥に助けを求める。
 とそこへ、振れがおさまり、竹にしがみ付いて天地が戻った新之助が上から叫んだ。

「お虎かっ! さてはおめぇの仕業だなっ!」

 あれだけ逆さの状態で振り回されれば、頭に血も上るだろう。

「言い掛かりもはなはだしいの。とても助けを求める者の言葉とは思えぬ。幸いウシは無事であったことじゃし、そなたをこのままにして浦に引き返しても、わらわは一向に構わんのじゃが?」

 こんな状況でも、いつも通りに口論が始まる。
 滑稽こっけいな状況ではあるが、今は二人の喧嘩に付き合っている暇はない。本物の喧嘩が刻一刻と迫っていた。

「トラ、ここはこらえて手を貸してくれ。急ぎ鶴姫様に伝えねばならないことがある」

 と牛太が言うと、虎臥も察してくれたようで、

「あまり良い知らせではなさそうじゃの」

 と、揶揄からかうような空気は消えた。
 牛太は「残念ながらな」と返すしかなかった。

「わらわの弓、持ってきてくれたのじゃな」

 虎臥の視線の先には、虎臥の弓とやなぐいがあった。
 村に立ち寄った際に持ってきたものだ。新之助を救出するのに背負ったままでは邪魔になるので、他の荷物と共に下ろしていた。

「ん? あぁ、瓜生うりゅうに戻って光見様と話したから、ついでにな。トラにはあった方がよいだろう?」

「使ってほしくないものと思っておったが、よかったのかの?」

「使わずに済んでくれればそれが一番だが、いざという時、手ぶらではどうにもならないからな」

「心配には及ばぬ。弓は人をあやめる道具ではない。悪をはらう神器じゃ」

 虎臥が持てば、弓も神器になるかもしれない。
 あの日、追われる舟を助けるため、波打ち際で引いた弓から放たれた矢には、悪を祓う神々しさがあったような気がする。
 道具は使い方で良くも悪くも変わる。道具を使う者が虎臥なら、いらぬ心配なのかもしれない。

「なーにごちゃごちゃやってんだ、さっさと下ろすの手伝わんかっ!」

 樹冠じゅかんに放置されている新之助から、矢の催促が降りそそいた。
 新之助が放った矢は、虎臥の逆鱗を射抜いたのか、はたまた堪忍袋の緒を断ち切ったのか。矢を受けた虎臥は無言で牛太の横を通り過ぎると、一直線に弓が置かれたところへ向かう。

「と、トラ?」

 弓を手に取り、やなぐいから一本矢を抜き取った。

「人を殺める道具ではないんだよな?」

 牛太が虎臥の背に問いかける。返事はない。
 その背中が、大きくひとつ深呼吸したあと、ゆっくりと弦に矢をつがえた。

「新之助っ! しっかりと掴まっておれよっ!」

 振り向きざま、虎臥はそう言い放つと、間髪入れずに矢を放った。
 放たれた矢は、新之助の足を括る縄が結びとめられた竿の先を見事に打ち抜いた。新之助は虎臥の忠告の意味も解らぬうちに、支えにしていた足の縄を竿ごと失い、竹にしがみついたまま滑り落ちてくる。

 ――あぁぁぁーーーーっ!

 無傷とはいかないが、虎臥のおかげで新之助を回収することができた。
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