戦ぐ窓際

ゆゆゆですやん

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花散らし

嵐の後の静けさ

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もっと近くで見たい。
話しかけてみたい。
その一心で、コツコツと音を鳴らしながら俺は急いだ。このチャンスを逃さないために。
入り組んだ迷路を駆け抜け、裏庭に出た俺は声を
失った。

そこには既に誰もおらず、まるで嵐の日の様に激しく呼吸した自分しか居なかった。

「はぁはぁはぁ…あーくそっ。あぁ。」

そこから先の言葉は出なかった。
喉から何かを出そうとしても、後悔が先に出てきてしまうからだ。

しかし冷静になって気づいたことがある。
俺は一ヶ月この病院に居なければならない。
それ程の時間があれば彼女にまた会えるだろう。
彼女の名前くらいは分かるだろうと。
患者なのか、誰かのお見舞いに来ていただけなのか…。そんな思考をしていると、次第に弾んだ呼吸は落ち着いていた。

事故ではあるのもの骨折した腕。
そして故意で別の病にも罹ってかかってしまった。前者は二ヶ月で治るが、後者は果たして完治はするのだろうか。もしその時が来たのであれば、今日という日を忘れないだろう。

病んだを抑えながら、俺は病室に戻った。



裏庭には静けさが残り、嵐が去っていった事に緑が騒いでいた。
その嵐は去る前にもっと周りを見渡すべきだった。そこも彼の悪いところだろう。

肩まで髪の伸びた、彼の目的は所にあるベンチで囁いた。

「あの人…なんであんなに急いでいたんだろう。なんか楽しそうな人だったなぁ…」

2人が初めてお互いを認識した。


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