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第一話
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ある冬の日、珍しく一人で帰路についた俺は、少女が歩道の角にうずまくっているのを発見した。俺はこのままじゃあ寒くていけないと声を出した。
「君、大丈夫?寒くない?」
(誰だろう。こんなやさしい声は。私に話しかけても、大丈夫なのだろうか。)
そんな事を少女は思いながら少年の問いかけに答えた。
「寒いけど...大丈夫だよ」
本当は寒くて、辛くて、痛くて、泣きそうなのに。少女は無邪気に笑っていた。
「ほん....とうに?」
少年は少女の何かを感じ取ったのか、おずおずと少女に問うた。
「うん。本当だよ」
少女は答えた。涙を流しながら。少年は少女の手を取り、走った。自分の家に向かいながら。
-----
「ねぇ...ここ、どこ?」
少女と少年は和装が施してある豪華な御屋敷に着いた。少女は御屋敷に目が眩み、後退りをしながら少年に聞いた。
「俺の家だよ。ごめんね、急に走っちゃって」
(あ.....そういえば走ってたんだった)
少女はこの御屋敷の立派なオーラにやられて、さっきまで何をしていたのかを忘れてしまっていたのだ。
「こんな立派な御屋敷....入っていいの?」
少女はおずおずと聞いた。
「いいんだよ。ところで、お名前を聞いても良い?」
少年はドアを開けながら少女に聞いた。
「えっと...下田愛です.....」
少女は名前を申した途端固まってしまった。
「?...どうしたんだ?」
「あ、すみません...御屋敷の内装があまりにも綺麗で...」
「内装....ね.....」
少年はそう呟き、満面の笑みで答えた。
「俺の大好きな人が、俺の為にやってくれたんだ!!」
少年がそう言った途端、愛は少し悲しい様な、物静かな顔で言った。
「そう.....なんですね」
少年は愛のその表情を見て、胸がざわざわと蠢いた。だが、愛はそんな事を気にもとめずに話し続ける。
❀7/15 セリフが読みにくいと感じたので、セリフと文との間に空白を入れました。
「君、大丈夫?寒くない?」
(誰だろう。こんなやさしい声は。私に話しかけても、大丈夫なのだろうか。)
そんな事を少女は思いながら少年の問いかけに答えた。
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本当は寒くて、辛くて、痛くて、泣きそうなのに。少女は無邪気に笑っていた。
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「俺の大好きな人が、俺の為にやってくれたんだ!!」
少年がそう言った途端、愛は少し悲しい様な、物静かな顔で言った。
「そう.....なんですね」
少年は愛のその表情を見て、胸がざわざわと蠢いた。だが、愛はそんな事を気にもとめずに話し続ける。
❀7/15 セリフが読みにくいと感じたので、セリフと文との間に空白を入れました。
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