朝が来るまでキスをして。

月湖

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126 消えない記憶

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ヒカルちゃんとの電話を切っても、暫く可笑しさが残ったままだった。


約束が、お仕置きって・・(笑)

慣らされるにもホドがあるだろ。

否定してたって、声が変わったのに気付いたよ。

されるのを期待してる声。

俺に堕ちた時の声。


喋る時とも歌う時とも全く違う高く掠れた啼き声は女のそれとはまた違うけれど、確かに俺の欲を刺激して昂ぶらせる声だ。

多分、付き合ってた女だってあんな声は知らないだろう、俺だけが知ってる声。

誰にも聞かせない、俺だけの。


・・・期待してるなら、望み通りに啼かせてやるから。

早く、来いよ。


姿態を思い出して、少しだけ喉が渇く。

寝そべっていたソファから立ち上がりキッチンへ行こうとして、・・・やめた。


変更した行先はバスルーム。

ヒカルが来たらすぐ脱ぐかもしれないけれど、さっき余計な事まで思い出した所為か気分をスッキリさせたかった。


あんなロクでもない記憶無くなってもいいのに、なんであんなにハッキリ思い出してしまったのか。

もう芸能界にはいない、二度と目の前に表れる筈の無い女。

初めて、欲しいと思った、綺麗でロクでもない女。


早く、忘れさせてくれ・・・。



乱暴に服を脱ぎ捨て、キツく目を閉じながら熱めのシャワーを頭からかぶった。



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