朝が来るまでキスをして。

月湖

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62 淫乱 side hikaru

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目隠しをされていてもナガレくんが俺をじっと見ているのが分かる。


全部、見られてる・・・。


たまらない羞恥を感じながら、それでも彼の視線にカラダが少しずつ熱くなってきてしまう俺は淫乱なんて言われても仕方がないのかもしれない。

だってこんなに、彼が欲しいんだから。

ずっと、女の代わりだと思ってた。

飽きたらすぐに捨てられていった彼女達と同じだと。


それが。


『好き』とか『大事』とか直接的な言葉は何もなかったけれど、少なくとも俺の執着を知っても前と同じように側に置いてもらえるくらいには、俺の想いを受け入れてくれていたなんて。



「ナガレ、くん・・・」



俺は握らされたジェルのボトルを脇に置くと、腕を伸ばして彼の顔を探った。

頬に触れながら訊く。



「キスは、してもいいの・・・?」



「・・・好きにしろよ」



無表情な声だったけれど許されたそれに、俺はゆっくりと彼に身体を寄せていった。

きっとナガレくんは目を閉じずに俺のすることを見ているのだろう。

唇を重ねても感じる視線が無くならない。



「・・・っん・・っ・・」



舌先でツンツンと突けば薄く開かれる唇。

俺は狭い中を抉じ開け、夢中で彼の舌を探った。

でも、絡ませたそれはすぐに外され、代わりに彼の舌が俺の口の中に入ってくる。



「んんっ・・・ん」



してる事は変わらないのに、さっきの男なんかとは全然違うキス。

いつの間にか首の後ろを押さえられ、アルコールで消毒されたキスよりも深く奪われる。

そして経験値の差を見せつけるように激しく、でも官能的なそれにまた俺のは反応していった。

そんなキスを受けながらナガレくんのシャツに手を掛ける。

俺に全部やれって言った彼は、唇を奪う以外はされるがままだ。

でも俺は巧みな舌の動きに応えるのに精一杯で、ボタン一つ外すのにかなりの時間を要して。

その間にも口の端から零れた唾液が首から鎖骨に掛けて筋を作っていった。



「・・・っ」



気付けば、彼のシャツのボタンをすべて外し終えた頃には、俺のは完全に天を向いていた。



「ふふ。すっげえね(笑) もう一回言ってほしい?」



俺のを見て言っているのだろう。

分かってる。

多分、そうなんだ。

だから。



「・・・言って」



「(笑)・・・淫乱だねヒカルちゃん」



嘲るように言われ、俺は全ての拘りを捨てた。



「・・・うん。だから、あなたを、頂戴・・・」





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