朝が来るまでキスをして。

月湖

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17 隠していた物  side hikaru

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俺、オカシイ・・・。



なんで・・・。

酷い事を言われて、酷い事をさせられてるのに、カラダの熱は上がる一方で。

気付いたら、求めすぎて涙まで出てきていた。



今だって何をされるか分からなくて怖くてしかたないのに、ソコは期待に震えて。



「ああああっ」



感じた事のない痛みが先っぽに襲ってきて。

でも、目の前にある唇が綺麗に弧を描くのを見ると俺のカラダはまた勝手に悦んでしまう。

そしてそれを見たヒカルくんは俺を嗤った。


そうじゃない。痛いのが好きなわけじゃない。

ただ、ずっと焦がれてきた彼の手が俺のを握ってると思うと、あの強烈な痛みがあっても興奮はおさまらなくて。

同じ男同士、クるところを擦り上げられ俺のはあっけなく白濁を吐いた。



「・・・どんだけ溜まってたの(笑) すっげ出たよ(笑)」



ふふ。といつもの柔らかい声が聞こえて視線を向けると、目の前には彼の顔じゃなく、俺ので汚れた彼の手があった。



「これ使う?」



手越しに、ニヤッと笑う彼の整った顔が見える。



「・・・使う、って・・」



まさか、さっきのは本気だったんだろうか。

・・・そんなシュミ、無いって言ってたじゃん?

うそだろ?

彼から目を逸らせないまま見つめていると



「・・・さすがに初めてでこれじゃ無理か(笑)」



何も言えない俺に彼はまたニヤリと笑って、サイドボードの上にあるティッシュで手を拭いた。


そこで気付く。



ティッシュ、引き出しの中に入れといた筈・・・。

サァッと身体に緊張が走る。

だって、その中には。



「こっちのほうがいいよな」



コン、とひとつ音をさせ、すぐ後には見覚えのある小さなボトルが目の前に翳された。







それは暫く前、友人と飲んでソッチの話になった時の事。


「これ使ってみ? すっげえよ(笑) 大丈夫、ヤバイもんじゃないから」


って貰った、アノ時に使うジェル。催淫剤入りだと言っていた。







「これ、誰に使おうと思ってたの?」



顔には笑みを湛えていたけれど、声に怒りが込められてるような気がする。


・・・怖い。



「正直に言いな?」



そう言いながら彼の指はボトルのキャップを開け、中身が少しずつ俺のカラダに垂らされ始めた。



そうされながら俺は、これを貰った夜、別れたばかりの彼女じゃなく、もうずっと何年も女よりも深くセクシャルなキスをしてきた彼に・・
ナガレくんに使う事を想像しながら手淫をしたことを思い出した。



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